発達障害と診断され、死を考えた女性が「トルコ」で見つけたのは…… 旅先で「生きたい」と思うまでの体験に勇気づけられる(1/2 ページ)
知らない土地に行きたくなりました。
死を考えるまで追い詰められていた女性の海外旅行体験記がTwitterに投稿され、4月8日時点で1万3000件以上のいいねが寄せられています。
死ぬ予定だった私、トルコへ行く
この漫画を描いたのはくさかべのどか(@kusakabenodoka)さん。仕事が長続きしないことに悩んでいた折に、発達障害であると診断されました。
心あたりはあったものの、実際に診断を受けてショックを受けたくさかべさん。もう社会にいられないと思い詰め、死ぬ方法を検索する日々が続きます。そんな中、「何かやり残したことはないかな?」と考えているときに、ふと「トルコに行きたい」と思い付きます。
トルコにひかれたのは、当時好きだった漫画の舞台だったから。元気だったころからずっと行きたかった場所なのです。
最初は「死ぬのはトルコに行ってからにしよう」と思っていましたが、途中で考えが変化していきます。次第に、トルコの旅に賭けてみよう、楽しくてすばらしい旅になったら死ぬのを諦めようと思うようになっていくのでした。
旅の出発日は1カ月ほど先に決定。旅の手配の他、カード作りや携帯の使い方などやることはたくさんあります。
出発が近づくにつれ気分が上がるかと思いましたが、実際は正反対の精神状態に。マイナスの要素ばかりを考えてしまい、倒れそうな気持ちを抑えながら出発日を迎えます。
航空会社の手違いで席がプレミアムシートになるハプニングがありつつも無事にトルコに到着。外国の空気を感じて「私、今、トルコいるんだ」と実感します。
出迎えの人ともスムーズに出会えてホテルに到着。出だしが好調なことに安堵しつつ、この先に何があるか、自分はこの旅が「いい旅」と「悪い旅」のどちらに転べばいいと思っているのかが分からなくなります。
翌日はガイドさんを頼んで観光へ。第一印象は怖そうですが、勇気を出して話しかけてみます。トプカプ宮殿に着くと、流ちょうに解説を始めるガイドさん。建物の中に入ると青のタイルに飲み込まれそうな気持ちになります。
宮殿の後はグランドバザールへ。知らない土地での値下げ交渉や、路地裏の店での買い物を経験します。
旅先では小さい声では伝わらないため、無理やりでも大きい声で話していたというくさかべさん。声が大きくなるたび、自分の存在が大きくなる気がしたといいます。
夜中にはホテルで変な音がするトラブルに直面するも、フロントにかけあって何とか解決。紙の地図だけで近所のモスクに行くこともできました。
つたないけれど外国人と喋れている自分。ご飯を買って食べることもできるし、思ったよりいろいろなことができています。
次第に、この旅が「とても楽しい」と思うようになったくさかべさん。自分の中に「生きたい」という気持ちがあることに気付きます。
くさかべさんは、帰国後はただ走るように生きたといいます。障害者雇用で就職が決まり、好きな人もできました。しかし、その幸せは長続きしませんでした。
数年後、付き合っていた人と別れ、仕事を失い、うつ病になり、目のまえが真っ暗に。再び死にたいと思ったとき、死ぬ前にやりたいと思ったのは「漫画を描くこと」だったといいます。
「死ぬ前にやりたい事」を思い描き、命をつないでいる日々。「あの旅で命拾いした」というくさかべさんは、今度は「描いてみよう」と挑戦を続けているそうです。
この漫画には、「とても励まされました」「思いを人に伝えることができるのってすてきな事ですよね」「生きる力がめちゃくちゃあると思いました」といった声が集まっています。
くさかべさんは、この他にも自分の体験などを漫画に描きTwitterに投稿しています。
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