「プロモデラーなんて職業知らない」「変わった趣味の子」 小学校で子どもの模型技術が理解されず 不遇を嘆く母親のツイートに反響(2/3 ページ)

» 2022年05月12日 17時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

お子さんの「作りたい」「作ってみたい」を尊重してあげて

―― お子さんはいつごろから、何がきっかけで模型好きになったのでしょうか?

店長さん:息子は幼少期から、玩具などの分解が好きな子でした。「組み立てる」とは真逆ですが、「モノは部品で構成されている」と認識する点では同じ行為だったのかもしれません。

 プラモデルそのものの初体験は小学3年生当時、700分の1スケールの艦船模型を組み立てたときですね。それはかつて船舶運行教育に携わっていた父方の祖父への「敬老の日」にプレゼントし、たいそう喜ばれました。翌年にも「しんかい6500」を作り、部分塗装にも挑戦してプレゼントしたところまた喜ばれて、そこから本格的に模型を始めました。

 8つ下の娘は、そんな彼(と、彼に模型を手ほどきした現在の主人)を見て育ったため、3歳の頃には模型用ニッパーを握り、ガンプラを組み立てて遊んでいました。

―― 娘さんは「終戦と新たな命」のアイデアを、どのように思い付いたのでしょうか?

店長さん:もともとは模型店の店頭でキットの箱絵を見て「面白い形のがある!」と飛びついて作り始めたもので、最初からあのテーマだったわけでないのです。娘は車体の組み立てが進むにつれて、何かしらの物足りなさを感じたようで、まず荷台部分に落ち葉を散らしていました。

 そんな折、ウクライナの模型メーカー「ミニアート」から同スケールの「ハト」がリリースされまして。それを知った本人が「ハトかわいい!」と飛びつき、組み合わせてみたら全てがしっくり来て、ついに作品イメージが固まった――というところですね。

―― 娘さんは作品にどのような工夫を施していましたか

店長さん:『月刊アーマーモデリング』に応募した際、本人が添えた説明文をもって回答とさせてください。

プロモデラー

今回のせん車で工夫したのは木の板です。よごしで、スモークでカビ、暗い青でよごれ、その上に茶色で木の色を出して、さい後に白で古びた感じを出します。スモークはタミヤのアクリル、暗い青はクレオスのフィルタリキッド・シェードブルー、茶色はクレオスのウェザリングカラーステインブラウン、白はクレオスのウェザリングカラーマルチホワイトです。スモークとマルチホワイトは、ぼかしはけという筆でたたきぼかしでよごしました。
しあげにスミ入れをしました。スミ入れは、タミヤエナメルのダークブラウンです、
あと、工夫したのはリタイの土汚れです。タミヤのテクスチャーペイント土ブラウンを使ってよごしました。
(原文ママ)

―― 模型好きの子どもや、その親に伝えたいことはありますか?

店長さん:お子さんたちには、年齢や経験に関係なく、作りたいと思ったものをとにかく作ってほしいです。もちろん難易度はいろいろありますが、適切な方法と道具、モチベーションさえあればどうにでもなりますので、保護者のかたも「それはやめてこっちを作れば?」といったサジェストは控えて、お子さんの「作りたい」「作ってみたい」を尊重していただきたいです。

 もし道具や方法に自信がないようであれば、現在は全国各地に、私が営んでいるような模型作業のための席と道具、そしてノウハウを持ったかたがいる模型製作スペース店が増えておりますので、そういったサービスを活用される策があることも、お子さまの「楽しく作る」を実現するために知っておいていただきたいです。

―― 店長さん自身がお子さまに対して行った取り組みについて教えてください

店長さん:振り返ってみると、子どもには展示会などの模型作品はもちろん、映画やアニメなどの映像作品、絵画、山や海などの自然風景、街なかの建物や車両など、とにかくいろいろなものを見せ、自然と湧いてきた質問にも可能な限り真摯(しんし)に答えてきました。おかげで世界と認識が広がって、現在の作品はもちろん、普段の勉学の成績にもつながっていると思っています。

 ですので、1つ前の質問へのお答えにもなりますが、ぜひ保護者のかたはお子さんの世界をどんどん広げてあげていただきたいです。特に低年齢の時は、保護者が連れて行って見せる世界が子どものすべてですので、要不要のふるいにかけず幅広く見せてあげれば、ぐんぐんと伸びるのではないでしょうか。

画像提供・協力:店長(@cafegaia_mama)さん


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