「吸血鬼ハンター“D”」の衣装を26年かけて完成 原作の菊地秀行さん・挿絵の天野喜孝さんも認めた至高のコスプレが話題(1/2 ページ)

材料と技術を追究し続けた、熱烈なファンに話を聞きました。

» 2022年08月26日 19時45分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 菊地秀行さんの小説『吸血鬼ハンターD』シリーズの主人公、“D”の衣装を26年がかりで完成させたコスプレイヤーが、Twitterで注目を集めています。天野喜孝さんが手がけた挿絵の世界を、すさまじいクオリティーで具現化!

“D” 帽子やマント、装飾品に至るまで、本革など厳選素材でリッチに表現
“D”
“D”
“D”

 『吸血鬼ハンターD』は、1983年の初巻以来今もなお続く、菊地秀行さんの代表作の1つ。このシリーズに長年魅せられてきたDakatsu(@Dakatsu)さんは1995年5月に“D”の衣装に着手し、苦心の末2021年に完成させたといいます。

“D” 完成前に着たときのショット。“本物”感すごい……!
“D”

 製作に際しては、牛やサメ、ワニ、トカゲなど、多彩な革を使用。装飾品にもオニキスや銀、カンガルーレースなど、厳選した素材を惜しみなく投入しています。技術面もとことん追究しており、金属パーツを自家鋳造したり、左手の人面瘡(じんめんそう)を軟質素材で自作したり、妥協をみじんも感じさせません。

 26年かかるのも当然と納得させられるクオリティーは、Twitterで「本物だ」と大好評。それもそのはず、Dakatsuさんのコスプレは「天野喜孝キャラクターコスプレコンテスト」で最高位の「天野喜孝賞」に輝き、天野喜孝さんから表彰されているのです。

 編集部はDakatsuさんを取材し、製作の経緯など詳細を聞きました。

―― 衣装作りを始めたきっかけは?

Dakatsuさん 私は幼少期から天野喜孝先生の描く吸血鬼ハンター“D”が好きで、画集を模写するなどして育ちました。ある時期にコスプレという趣味と出会い、ふと「“D”だけは妥協せずに作ってみたい」と思い、作り始めたのがきっかけです。

―― こだわったところや苦労したところについて教えてください。

Dakatsuさん 当初は素材加工の知識や技術も、道具もなかったので、それらをそろえるのに苦労しました。こだわったのは素材選びです。作り始めたころは、容易に手に入る合皮や木材を使って衣装や小道具を制作していたのですが、途中の経年劣化で耐久性に乏しいことを痛感し、「出来る限り本物の素材を使おう」と、本革や金属を使うようになりました。

―― 26年にも渡る製作期間で、特に時間がかかった部分は?

Dakatsuさん 衣装小道具全て、等しく時間がかかっています。自分的に満足して「もう手を加えるところはなくなったな?」と思っていたら、新刊のイラストで新たな装飾品が付いていたり、今まで見えなかった箇所が見えたりして、「ああ、ここはこういう表現だったのか……直したい!!」となっては作り直しを繰り返していたので。妄執に囚われていました……。

 でも、その妄執からは、2014年には天野喜孝先生の前で、2015年に菊地秀行先生の前で“D”のコスプレをして、両先生からそれぞれお褒めの言葉をいただいたことで解放されました。その後はひたすら衣装や造形物の精度を上げ、2021年にようやく完成に至っています。

画像提供:Dakatsu(@Dakatsu)さん

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2505/13/news020.jpg 小5のときに描いた絵→4年後…… 「ねぇ何があったん?」「鳥肌立った」中3になって描いた絵が160万再生
  2. /nl/articles/2505/13/news104.jpg 「娘の目が大きいのは赤ちゃんだから」と思っていたママ、成長すると…… 驚きの姿に「ディズニープリンセスだ」【海外】
  3. /nl/articles/2505/14/news046.jpg 「これが一番」 ユニクロ“人気590円商品”の再販に歓喜殺到
  4. /nl/articles/2505/14/news167.jpg 『an・an』などで人気だった占い師・中森じゅあんさん死去 「医学的な治療は難しい状態」で4月から入院も最後まで占い連載
  5. /nl/articles/2505/14/news017.jpg ピラティス教室に“キャラもの”靴下を履いていったら…… 奇跡的な爆笑の“再会”が450万表示「最高過ぎてwww」「これはもう運命」
  6. /nl/articles/2505/13/news190.jpg 小倉唯、“廃棄処分依頼した物”が高額転売される 「刑事面での対応も視野」と声明
  7. /nl/articles/2505/13/news015.jpg ジブリパークで「シータだ、かわいい!」と言われまくった9歳娘→思わず納得の見た目に「久々ときめいた」「完璧」
  8. /nl/articles/2505/14/news051.jpg “絵心ないOL”、超有名人を描いたはずが…… 1700万表示の衝撃展開に「予想外www」「あかん」
  9. /nl/articles/2505/14/news041.jpg ディズニーの自販機に800円入れたら…… 「だ、だれ?」まさかのキャラ登場に爆笑 「当たり」「羨ましい」の声も
  10. /nl/articles/2505/13/news058.jpg 猫の“今にも抜けそうな毛束”を引っ張ったら……「思ってた抜け方と違う」 420万再生の光景に「ふぉぉぉ!」「マジで全然違った」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 急性骨髄性白血病で闘病中だったVTuber、死去 「復帰を目指して闘病」 専門学校の講師としても活動
  2. 万博の“着物ショー”に天皇陛下だけ許される「装束」登場で物議…… 「深くお詫び」主催者謝罪
  3. 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」 投稿者に話を聞いた
  4. 大人なら解けないと恥ずかしい? 「(1/8)−(1/8)」を計算せよ!【算数クイズ】
  5. 「女の子みたいな顔だね」と言われ続けた男の子、20歳になったら→「神がかってる」姿に驚がく 「人体の不思議」「オーラが凄い」
  6. 使わなくなったカラーボックス→“ずぼらシンママ”が簡単DIYしたら…… 天才的な仕上がりに「かしこーい!!」「これ作ってみよう」
  7. クリスマスに出会ったギャルとギャル男が21年後…… 誰も予想できない現在に「素直に凄い」「人に歴史あり」と称賛の声
  8. カルディ全店で販売の生ハムから「サルモネラ属菌」検出…… 「心よりお詫び」7万個自主回収
  9. マクドナルド、次回ハッピーセットコラボに「待ってました!」 人気作の登場に混乱の懸念も「すぐ売り切れそう」「初週ヤバいぞ」
  10. お隣さんから丸見えの土地→巨大ウッドフェンスを7日かけてDIYしたら…… 雰囲気ガラリで「すごい大作ですね」「ワクワクした」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  2. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  3. 49歳病没の大宮エリーさん、生前開催の個展で「体調も万全でなかったので不安」 3カ月前には苦しげな姿も「声が出にくい」
  4. 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  5. 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  6. 100万円の“錦鯉”を自宅の池に入れたら…… 「おかしいでしょ」3日後、まさかの事態に「鯉は難しい…」「信用が大切ですね」
  7. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  8. 「成長したらそのうち襲ってくる」と言われたワニ、16年後……→ 280万回再生を突破した驚きの姿に「初めて見た」の声
  9. 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  10. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」