【「ソウルハッカーズ2」否定寄りレビュー】取捨選択を間違えて差別化しきれず、女神転生とペルソナを継承するには力不足 ターゲティングも誤ってしまった(4/6 ページ)
ファンサービスとして出したはずのネミッサDLCが、どうして荒れたのか
本作は、発売前から新規層を取り込みにくく、古参のユーザー層を何度も振り落とすというミスを重ねてきた。そのなかでも大きい物が、DLCとして存在する前作のパートナー「ネミッサ」だ。ネミッサがDLCだと発表されたとき、ファンコミュニティーは海外含めて大きく荒れた。なぜ荒れたのか。その姿が、前作のヒロインに憑依した状態だったからだ。
前作ではパートナーのヒトミにネミッサが憑依し、二重人格のような状態で物語が進んでいく。ネミッサ自体には本体が存在し、彼女を巡る物語を最後まで見た前作ファンのなかには、雑な形で「ソウルハッカーズ2」に出ることへ良い感情を持っていない者もいるだろう。つまり、DLCで出すにしても「出すに足る理屈付け」が必要なのだ。それさえあれば、荒れることもなかった。ファンサービスなら喜ばれる、という意識だけで止まっている。
「真・女神転生 デビルチルドレン」シリーズでは、本体に近い姿をしたメリッサという悪魔が出るファンサービスがあった。ネミッサそのものの本体や姿を出すのではなく、近い存在を出す配慮がなされている。今回は、そうした気遣いが欠けているように見えた。実際に遊んでも、マーラやマサカドが理由なくDLCにいるのと同じくらいの粗雑さを感じる。
じつは、ネミッサが本編後に出ること自体は今回が初めてではない。前作の後日譚を描いた携帯電話専用ゲーム「デビルサマナー ソウルハッカーズ Intruder」にも登場しており、そちらでは、ネミッサが本編後の物語に出る理由をきっちりした理屈とともに納得させようと描いていた。PS版以降で追加された2周目以降の後日譚(つまり、必然的にあの人物も登場する)を描いたIntruderでは、作中にヒトミの姿をしたネミッサが出てくる理屈をつけており、当時なりのリスペクトがある。本作ではなぜ出られたのかにも触れず、合体の素材にできることも特殊合体で作れることにも理屈はない。
悪魔全書から初回無料で召喚できる理屈はとくになく、理由なく合体素材にも使えてしまう気遣いのなさはとても残念だった。御霊合体で強化できるようにしたかったのも理解できるし、便利なスキルを継承できるように合体素材として使用できるのも分かるのだが、せめて一言欲しかったのだ。「真・女神転生III」では仲魔の扱いだったゲストキャラクターのダンテや葛葉ライドウが、合体素材にできない特別枠だったことを忘れてしまったのだろうか。悪魔がガチャとして召喚できる理由や、他作品とのコラボキャラを合体に使えないといった配慮は、セガの「D×2 真・女神転生リベレーション」のほうが理屈をつけている。
さらに、本作のシステムがゲスト参戦という形に合っていないのも問題だった。人間のヒトミに憑依したままのネミッサがCOMPに押し込められ、装備品になるのは違和感がある。前作のエンディングを(PS版の追加エンディングも)見た人は、納得がいかないだろう。
DLCなので購入しなければ良いともいえるが、本作のDLCは本編の中に組み込まれてしかるべきバランスの悪魔や物語を切り売りした内容だ。購入しなければゲームを100%楽しめるとは言い難く、DLCの形としても一昔前に批判されたような古いものとなっている。とくに追加ダンジョンがある「Lost Numbers」は、終盤からクリア後の強化に必須といえる内容になっており、本編の補完としても重要な立ち位置を占めるので印象は最悪に近い。売り方は不誠実だが、実際にネミッサのDLCを導入してみると、作り手自体はファンサービスをしようとしていることは分かる。前作のラストを踏まえた専用の会話が悪魔探索時に発生する点や、スキル構成などを見てもファンが喜ぶだろうと無邪気に入れられたものだ。開発スタッフ自体は前作の設定を大事にしていると、少なくとも自分たちはそう思っていることが伝わってきた。荒れた結果を見た今となっては、その無邪気さが悲劇としか言えない。
むしろ、悪魔が好きな人に取って気になるのは悪魔のDLCだろう。だが、悪魔のチョイスに対しても哲学を感じられない。「ソウルハッカーズ」に登場していた悪魔から適当に選ばれたものを3D化して、そこにアナーヒターやネミッサなどを組み合わせたセットになっている。サターン版から存在していたクリア後ダンジョン「時幻の回廊」に登場した悪魔という統一でもなければ、初3D化という統一でもない。「真・女神転生V」のようにクエストがついているわけでもないし、ネミッサとザオウゴンゲンがセットになっている理由も分からない。選定の理由もセットの意図も、なぜこの悪魔たちがDLCなのかも読めないくらいには、理由付けが放棄されている。「戦の魔王」を使っても、魔王シュウの拳も管も何も出ないのは本作の仕様上で仕方がないのだが、DLCの悪魔の選定に対してとくに考えていないことが伝わってくるので、これではファンがついてこなくても仕方ない。
サタンをパーティの装備に入れておくと、大きすぎるためか悪魔探索時に横幅が省略される。これには、もはや脱力して笑ってしまった。衣装DLCは「デビルサマナー ソウルハッカーズ」衣装に「真・女神転生 デビルサマナー」時の格好もまとめられており、初代サマナーのBGMは付属しない。「ペルソナ5」と「ソウルハッカーズ」は2曲ずつ用意されているが「ペルソナ3」はなく、ペルソナファンを狙うにしてもデビルサマナーファンを狙うにしても、どこかブレている。作品名を間違えるミスは存在しないが、ここまで「過去作ファンがお金を出したいと思えない」DLCなのは、これまでのシリーズでもなかったことだ。海外でもDLCに関する文句は非常に多く、肯定的なレビューでもDLCに言及している人の意見があった。少なくともDLCの展開は、他のチームが作ってきた作品を見習うべきである。
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