ペンギンの赤ちゃん兄弟の首かしげ、実は「なめんなよモード」だった!? 「ただただ可愛い」と話題に オラつく理由を飼育員に聞いてみた
なんてかわいい威嚇なんだ……!
「神戸どうぶつ王国」(兵庫県神戸市)にて、とってもかわいく甘えている……と思いきや、実はオラついているペンギンの赤ちゃん兄弟の姿が目撃されました。「全然怖くない」「むしろ大歓迎です」といった声が集まるツイートには、記事執筆時点で1万6000件をこえる“いいね”が集まっています。
首を左に右にかしげつつ、つぶらな瞳で見上げているのは2022年9月に卵が産まれ、同年10月にふ化したケープペンギンの赤ちゃんたちです。2羽は兄弟でお父さんは「ワサビ」くん、お母さんは「サクラ」ちゃんですが、まだ名前は決まっていないのだとか。
2羽のしぐさは人間から見るとかわいく甘えているようにしか見えませんが、ツイートによるとペンギンたち的には「おらー!」「なめんなよー!!」といった状況なのだとか。正直オラオラされても全く怖くありませんが、彼らがどんな状況でオラオラしているのか、気になって仕方がありません。
編集部はペンギンたちがオラオラしている理由を知るべく、ケープペンギンの飼育スタッフである木下野々花さんに話を聞きました。
――人間から見ると首をかしげて見上げるとてもかわいらしい姿ですが、こちらはオラつく=威嚇しているしぐさなのでしょうか?
木下さん:はい、実はそうなんです。普段ヒナのいる巣の周りは両親しか近寄らないので、部外者の私たちに対して威嚇行動が出たのだと思います。一人前ですよね(笑)。
このときは健康チェックの為に近寄ったのですが、この状態でした……(笑)。ちなみに健康チェックでは、ヒナたちに異常がないか(ケガはないか、体調が悪そうにしていないか等)見たあと、ヒナのおなかを触って、親鳥からしっかりエサをもらっているかなどを確認します(お腹が張っていればOKです)。
――この時期の赤ちゃんペンギンたちの特徴はありますか?
木下さん:ヒナの体は、この時期にしか生えない「綿羽(めんう)」という特有のフワフワな羽に覆われています。ヒナたちは綿羽が抜けるまでは陸で過ごし、抜け落ちると水に入るようになります。
この時期のヒナの食べ物は“親鳥が食べたもの(魚など)を消化して吐き戻したもの”で、親から口移しでもらっています。「ピィピィ」という高い鳴き声は、ヒナが親鳥にご飯をおねだりしている声です。親の口からご飯をもらっているシーンが見られたら、とってもラッキーです。
――ケープペンギンの赤ちゃんたちの注目ポイントがあれば教えてください。
木下さん:彼らは野性の習性で見えにくい場所に巣を作るので、赤ちゃんの姿が見られるかどうかは運次第です。もし会えなくても、これも彼らのありのままの姿だとご理解いただければありがたいです。
……とはいえそれだけでは寂しいので、ペンギン豆知識を少しだけ。ペンギンは親鳥が狩りに出かけている間、「クレイシ」と呼ばれる場所で子育てをしていない他の大人たちが子どもたちを守っています。人間の社会も今でこそ保育園がありますが、その昔は親が留守のときはご近所の人たちが面倒を見てくれていました、それににていますね。
――神戸どうぶつ王国のイベント情報やPRがありましたら教えてください。
神戸どうぶつ王国:当園は2023年1月9日まで、休まず営業しています。園内は暖かく過ごせる全天候型対応施設になっているので、ぜひ遊びにきてください。
なお現在はペンギンだけでなく、アカカンガルーやミナミコアリクイの赤ちゃんもご覧頂けるので、今しか見られない愛くるしい姿をご覧頂いて、良い1年のスタートを迎えてみてはいかがでしょうか。
また2023年1月1日から、十二支のウサギと一緒に写真が撮れるイベントを開催します。メインツリーの前で豪華な1枚が撮影できるので、卯年の方やウサギ好きさんはぜひチェックしてみてください。
(了)
神戸どうぶつ王国で暮らす動物たちの情報や写真は、ホームページやTwitter(@kobe_doubutsu)、Instagram(@kobe_animalkingdom)などに投稿されています。園内では野生動物はもちろん、いろいろな種類の犬や猫にも会えるので、動物好きさんは遊びに行ってみてはいかがでしょう。
画像提供:神戸どうぶつ王国(@kobe_doubutsu)さんのTwitter
(三日月 影狼)
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