古墳時代の銅鏡をチョコで再現! “銅鏡チョコづくりの技術”を確立した郷土歴史博物館のワークショップが楽しそう(1/2 ページ)
考案した学芸員に詳しい話を聞きました。
古墳時代を代表する銅鏡「三角縁神獣鏡」を、チョコで作れる福井市立郷土歴史博物館のワークショップが楽しそうです。歴史的遺物の「食べられる実物大レプリカ」を自分の手で作れるとか、最高すぎるのでは……?
三角縁神獣鏡は銅鏡の形態の1つで、文字通り三角の縁や、龍や白虎といった聖獣の文様が特徴です。古墳時代前期の古墳から多数発掘されており、福井市では2000年に岡保地区の花野谷1号墳から発見されています。
出土した三角縁神獣鏡は、福井市立郷土歴史博物館で、同時代の武具や装飾品などとともに展示されることに。古墳時代の様子を子どもにも伝えるべく考案された「三角縁神獣鏡の石こうレプリカを作れるシリコン製鋳型キット」が、チョコ作りワークショップのきっかけとなりました。
考案したのは、ふと「鋳型キットにチョコレートを流し込もう」と思いついた、学芸員の藤川明宏さん。そのときはチョコを適切に溶かせず、おいしくない銅鏡ができあがってしまったそうですが、のちにお菓子作りに堪能な人の協力を得て、「おいしくて本物そっくりな三角縁神獣鏡チョコ」を完成させました。
こうして2012年に技術を確立すると、翌年にはワークショップが開催。チョコを湯せんするところから始まり、鋳型で冷やし固める間に藤川さんから古墳時代について学べるなど盛りだくさんの内容で、参加者からは「作って楽しい、食べておいしい、学んで実になる」と好評で、古墳や考古学にさほど関心のない人でも、満足して帰っていくのだそうです。
冬の恒例行事として続いてきたワークショップは、コロナ禍による中断を挟みつつも、この冬で10年目を迎え、2023年はバレンタインデーやホワイトデーの数日前となる2月12日と3月12日に開催予定。1月29日まで申し込みを受け付けます。編集部は藤川さんに、企画への思いなどを聞きました。
―― チョコ作り体験の魅力や、参加者の反応について教えてください
藤川さん 本物の銅鏡は、青銅を1000度近くまで熱し溶かして鋳造しますが、この鋳造を青銅の代わりにチョコで体験できるというのも大事な点です。一般の歴史好きな方だけでなく、プロの考古学者にもファンがいて、チョコによる鋳造技術が全国に伝播しています。
本物の三角縁神獣鏡と同じ大きさ・同じデザインの精巧なレプリカを甘いチョコで作ることができるのは、古代史への興味あるなしに関わらず、人をひきつけるものがあるのでしょうね。せっかくチョコで作っているのに、とても貴重なものに感じてしまわれるからか、食べずに何年も保管している人もいるらしいです。
主催者側としては、できるだけすみやかに食べてほしいので、破鏡儀式(人為的に割った状態で出土する銅鏡があり、古墳の上で何か儀式をしていたようです)をしてみんなで食べてもらうようにおすすめしています。古墳時代の銅鏡は姿を見る実用品というよりは、神様が宿る神聖なもの、マジカルなものとして扱われていたと考えられています。それが現在の正月の鏡開きに直接通じているかはわかりませんが、神様の力を分けていただくという思想にあやかって、銅鏡チョコも割ってみんなで食べてほしいと勧めているところです。
―― 福井市立郷土博物館で展示している三角縁神獣鏡の、見どころや特徴は?
藤川さん 当館で展示している三角縁神獣鏡は2000年に福井市内の古墳から発掘されたもので、同じ形のものが奈良県天理市の黒塚古墳からも出土しています。三角縁神獣鏡は全国に何百枚もありますが、その中でも作りが精巧なようです。鏡の裏側には中国の神仙思想が反映された神様と神獣が表現されていますので、本物とチョコレプリカの両方で、そのあたりをじっくり観察していただければと思います。
―― 博物館の他のイベントについて教えてください
藤川さん 当館では、アロマワックスをチョコとは別のシリコン鋳型に流し込んでレプリカを作れるワークショップも開催しています。こちらは暑い夏休みに開催し、冬はチョコ、夏はアロマワックスと、別の素材で鋳造体験ができる趣向としております。
また、福井で確立した銅鏡チョコづくりの技術が全国に広まっており、群馬、神奈川、山梨、静岡、奈良、兵庫、香川、福岡、宮崎の各県でも開催されているところがあります。特に山梨県立考古博物館は、本家の福井よりたくさんの種類の銅鏡チョコを作ることができますので、首都圏の方はそちらに参加されてみてはいかがでしょうか。
画像提供・協力:福井市立郷土歴史博物館
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