【ペットロス】ある日突然、自宅の庭に現れた保護猫との“短いけどキラキラしていた”4年間 今伝えたい感謝とは

「ペットロスとの寄り添い方」第2回は愛猫・ふじこちゃんです。

» 2023年01月28日 20時30分 公開
[あだちまる子ねとらぼ]

 多くの飼い主が一緒に暮らす動物を“大切な家族の一員”として捉え、人生をともに歩んでいます。動物と暮らした時間は長くとも短くとも、深い愛情を持って接した分、飼い主にとって人生のかけがえのない一部となり、別れは深い悲しみとなって心身に押し寄せます。

 愛する動物との死別による喪失感や混乱、後悔など、抱えきれないほどの悲しみによって心身が不安定になる状態を指す「ペットロス」「ペットロス症候群」。2022年、全国47都道府県に在住する20〜69歳の男女5000人を対象に実施された「ペットに関する調査(2022年)実態編」では、「困りごと・気になる点」として「死なれるのがつらい」などの理由から「ペットロス」が上位にあがる傾向にあると発表されています。

 飼い主にとって非常につらい経験となり、カウンセリングを要するケースもあることから、「ペットロス」「ペットロス症候群」は今、メンタルヘルス上の大きな課題として多くの人が向き合っています。動物とのこれまでの日々を忘れたり、死を乗り越えたりすることはできないかもしれませんが、時間の経過とともに受け入れ、いつかふと思い出したときにあたたかい涙がこぼれるような“寄り添い方”はあるはずです。

ペットロス 第2回は飼い主・白と黒さん/愛猫「ふじこ」ちゃん

 そこでねとらぼ生物部では「ペットロスとの寄り添い方」をテーマに、読者にアンケートを実施。寄せられたさまざまなエピソードから、愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事をご紹介していきます。現在動物と暮らしている人や、悲しみの渦中にいる人に寄り添うヒントとなれば幸いです。

第2回 飼い主・白と黒さん/愛猫「ふじこ」ちゃん

―― ふじこちゃんのプロフィールと出会い、思い出や印象的なエピソードを教えてください

 白と黒さん:突然、自宅の裏に現れたことがふじことの出会いのきっかけです。ごはんをあげると手や腕に体を擦り付け甘えてきました。しばらくして、「おーい」と呼ぶとどこからともなくこちらへ来るようになりました。

 そんなある日、ふじこを家にあげてみると、まるで以前から住み着いていたようにわが物顔でくつろいだのです。その姿を見たときに「来るべくして来たコ」だと思いました。

くつろぐ猫 わが物顔でくつろいでいたというふじこちゃん
白黒模様の猫 白黒模様がかわいい女の子です
眠る猫 足のあいだですやすや

 印象的だったのは、仕事から帰ってきた夫を毎日待ち構えていたことです。夫の帰りが遅いと私に文句を言って、玄関で夫を待っていました。家の中で出産して、母猫を立派に務めあげたことも思い出に残っています。

待ち構える猫 毎日玄関で夫をお出迎え
待ちわびる猫 「まだかなー」
母猫 母猫を立派に務めあげました

―― ふじこちゃんと別れてからの心境や、救われた出来事などがあれば教えてください

 白と黒さん:4歳で虹の橋を渡りました。自分のせいで死なせてしまったのではないかと後悔ばかりして、これからどうやって生活していけばいいのか分からなくなりました。ふじこの写真や動画を見ながら、ずっと泣いていました。

 近所の猫たちに会いに行き、触れ合うことで癒やされました。いつもは近寄ってこない野良猫が触らせてくれたときは感慨深かったです。

―― 現在の心境を教えてください

 白と黒さん:ふとしたときに深い悲しみの穴に落ちてしまうことはまだありますが、今は後悔より楽しかった日々を思い出して生活しています。

階段に座る猫 「今は後悔より楽しかった日々を思い出して生活しています」

―― ふじこちゃんに伝えたいメッセージ

 白と黒さん:短い命だったけど精いっぱい生きて、私たちに彩りを与えてくれて本当に感謝。こんなに気持ちがあったかくて、日々がキラキラするなんて考えもしなかった。すてきな日々を送ることができた。ありがとう。

寄り添う猫 「こんなに気持ちがあったかくて、日々がキラキラするなんて考えもしなかった」
ごろごろする猫 「すてきな日々を送ることができた。ありがとう」

(了)

 「ペットロス」「ペットロス症候群」になった場合、その苦しみを閉じ込めたり自身を責めたりせず、家族や仲間と共有する生活に支障を来す場合は専門家のカウンセリングを受けるなど、焦らずに“死”を受け入れていくことが大切だといわれています。

 また現在動物と暮らしている人は、「いつかは別れがくる」と理解し後悔のないよう接すること、同じ動物と暮らしている友人や仲間を見つけ、喜びや悲しみを分かち合うことが、いつかくるそのときと向き合う心身の準備へとつながるかもしれません。動物と暮らす喜びをかみしめながら、心のよりどころとなる思い出や関係を作っていきたいですね。

 ねとらぼ生物部では、引き続き「ペットロスとの寄り添い方」をテーマにアンケートを実施しています。犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事など、【こちら】までお寄せください。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。

  • 「保護動物のエピソード&お写真」応募フォームはこちら
  • 「あの謎を調べて!」応募フォームはこちら

オススメ記事

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/14/news065.jpg 天皇皇后両陛下の那須静養、愛子さまが天皇陛下のため蚊を手で払う場面も…… “仲むつまじいショット”が約240万再生
  2. /nl/articles/2409/13/news079.jpg 「脳がおかしくなった」 新宿駅を出る→“まさかの光景”に思わず三度見 「意味わからん」「田舎者にはマジでダンジョン」
  3. /nl/articles/2409/14/news035.jpg 「変わりすぎやん!」 たった5年間で…… 梅田の町並みの“激変”に衝撃の声 「ここがこう!?」「再開発ってすごい」
  4. /nl/articles/2409/14/news006.jpg これは憧れる…… “1人暮らし歴5年”のこだわりがつまった“1K7畳”に反響 「なんておしゃれ」の声
  5. /nl/articles/2409/13/news194.jpg 「浮ついた気持ちあった」 “30万人が視聴”有名ストリーマー、セクシー女優との“不倫疑惑”を弁明
  6. /nl/articles/2409/14/news033.jpg 夫の弁当を8年間作る妻、寝起き5分で作り始める弁当をのぞくと…… “お互いストレスが少ない”秘密に「お店で売ってたら絶対買う」
  7. /nl/articles/2409/14/news009.jpg そうはならんやろ “バラの絵”を芸術的に描いたら……“まさかの結果”が200万再生 「予想を超えてきた」【海外】
  8. /nl/articles/2409/12/news004.jpg 雑草だらけの庭が“たった1台の草刈り機”で…… “見事な変化”に7000万再生 「よくやった」「まさにプロ」
  9. /nl/articles/2409/07/news027.jpg “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  10. /nl/articles/2409/10/news029.jpg 550円の“壊れたガンプラ詰め合わせ”を購入→ジャンク品を“大復活”させる職人技に脱帽 「ロマンを感じる」
先週の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  3. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  4. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声
  5. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  6. 猛毒ガエルをしゃぶった30分後、口がとんでもないことに…… 直視できない異常症状に「死なないで」「この人が苦しむってよっぽど」
  7. 33歳の「西郷どん」二神光さん、バイク転倒事故での急逝に衝撃 1年前の共演者は“願い”明かし「叶わないなんて」
  8. 「コレ入れると草が生えない」 外構工事のプロがやっている“究極の雑草対策”に注目
  9. 「へー知らんかった」 わずか7年で“消えた駅” 東京メトロが明かす“知れば納得の歴史” 「だからあんなに……」
  10. 秋葉原のトレカ店が“買い占め被害” 近隣店とその常連客が共謀し“全口購入の人員確保” 「大変遺憾で残念な限り」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」