突然愛猫がたらこ唇に、あわてて病院に駆け込むと…… 思わぬアレルギーの原因が分かったレポが参考になる(2/2 ページ)
ガイア動物病院 院長 松田唯(まつだゆい)
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長に。治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主様が選択できる診療を心掛けている。
――今回の漫画のケースのように、段ボールが原因で猫にアレルギー症状が出ることはよくあることなのでしょうか
「よくあるか」に関しては段ボールアレルギーについてのデータがあるわけでは無いので、明言することはできませんが、私の経験ではそう多いわけではありません。ただ、アレルギーの原因がはっきりしないことも多いため、もしかしたらあったのかもしれません。漫画中にもあるとおり、衛生的な環境で保管されているかどうかは分からないので、段ボール箱にはさまざまな物が付着している可能性があります。
カビやダニ、花粉などが原因の猫のアレルギーは比較的多いものと認識しております。
――猫のアレルギー症状の診断、治療方法はどのようなものがありますか
アレルギーと一言でいってもさまざまな物が含まれます。大きく2つに分けると、アレルギーの原因が「食物」によるものとそうでないものがあります。今回は、食物アレルギー以外のものとして書いていきます。
実は、猫のアレルギーは診断が非常に難しいのです。さまざまな検査が提案されていますが、どれも100%診断できるものでは無いからです。多くの場合、まずは「除外診断」という方法が取られます。痒みや似た症状を起こす病気の全てが否定されたときに、アレルギー性皮膚炎を疑います。具体的には、ノミダニ・カビ・細菌などの感染症や腫瘍を否定していく作業です。
これでもまだ「疑い」なのは、精神的な問題(多くはストレス)からくる痒み、腫れ(痒ければかいて腫れてしまうので)が残っているからです。この段階でステロイドなどのアレルギー治療薬を使って痒みや腫れがなくなった場合や、アレルギー検査を行った場合にアレルギーの可能性が非常に高くなります。この様に、診断には非常に長い時間と手間がかかるものです(ここまできても、痒みや腫れの根本が食べ物なのか食べ物以外なのかは区別がついていません)。
また、運よくアレルギーと診断がついた場合、ステロイドなどの免疫調節・抑制剤を使用して治療を行なっていきます。アレルギーは完治するものではないので、どの様に付き合っていくのか(どこまでお薬を減らせるのか、食べ物で何とかなるのか、サプリメントなどを併用する必要があるのかなどなど)を検討する必要があります。
――「唇が腫れる」以外に、猫のアレルギー症状と思われるものがあれば教えてください
唇が腫れるという症状は比較的珍しい方かと思います。(といっても、月に何件かは遭遇する症状です)。一般的には過剰なグルーミング、脱毛、皮膚炎、といった痒みが原因となる症状が多いです。他にも、背中がボツボツしている、デキモノができるといった症状が見られます。
――受診の目安となる症状(腫れがひかない、呼吸が苦しそう等)があれば教えてください
本人(ネコ)が気にしているのであれば早めに受診する方がいいでしょう。かき壊して出血、感染を起こすと治療期間は長くなってしまいます。また、一部だけではなく顔全体が腫れている、大きくなってきている、呼吸がおかしい、食欲がない、吐き始めたという症状も要注意です。アレルギーといっても、数日で治るものから命に関わるものまでさまざまなのは人間と同じですね。
――段ボール箱の他にも、猫のアレルギー症状の原因となり得るものがあれば教えてください
アレルギーは世の中に存在するすべてのものが原因となる可能性があります。その中でも原因となりやすいのは、ハウスダストや花粉、カビ、ノミあたりです。芳香剤や消臭剤もアレルギーの原因となりやすいですが、こちらは呼吸器系のアレルギー(ぜんそくですね)を起こす可能性が高いです。食べものであれば、乳製品や鶏肉、牛肉、穀類が多く見られます。
(了)
漫画を投稿した楠さんは、猫ちゃんの話題やエッセイなどを漫画で描いてTwitterで公開中。かわいらしい猫ちゃんの写真や漫画を見ることができます。
画像提供:楠 あやと(@Kusunoki_Ayato)さん
オススメ記事
関連記事
- 家の庭に来た野良猫が「全然帰らない」→NNNの暗躍を思わせる来訪に「このお家に決めた感」「うちもこのパターン」の声
お邪魔して良いですか?って言ってそう! - 新宿歌舞伎町のド真ん中で必死に生き抜いてきた元野良猫、保護後たった3カ月で…… 別猫のように変化したビフォアフに感動!
現在の温かな暮らしと猫さんの変化にほっこり。 - 気温マイナス5度の庭で凍えている子猫を保護 あたたかな家の中でスヤスヤと眠る姿がいとおしい
幸せに暮らしてね。 - 紙袋に入れられ橋の下に捨てられていた子猫を保護 発見した愛犬が母親のように寄り添う姿に心が温かくなる
見つけてくれてありがとう! - たった230グラムの「あまりにも小さい」子猫を保護→半年後には…… 大物へと変貌した成長ビフォーアフターに感動
第16回は保護猫「らら」ちゃんです。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
“月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
-
“プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
-
100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
-
「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
-
鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
-
「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
-
日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」