動物保護団体代表のパワハラが常態化、保護子猫の葬儀で怒鳴り声―― 連鎖退職の理由を元スタッフが告発(前編)(3/3 ページ)
保護子猫の死、泣くスタッフに対する代表の怒鳴り声
パワハラの他にも元スタッフたちがショックを受けた齋藤代表の行動がある。2022年9月、SPAは生後3〜4日ほどの、まだ目も開いていない子猫を保護した。
生まれたての子猫は低体温にならないよう頻繁に温度調整する必要があり、2〜3時間おきにミルクをやり、排せつの世話もしなければならない。齋藤代表が「子猫を自宅に連れ帰り世話をする」とInstagramでも報告していたが、連れ帰った翌日、子猫の体調が悪くなり動物病院に預けることに。結局、子猫は動物病院で死んでしまった。齋藤代表は何らかの事情で当日動物病院には迎えに行かず、死んだことも元スタッフたちに報告しなかったという。
その後、動物病院がSPA店舗に電話し「死んだ子猫をまだ引き取りに来ていないので、来てほしい」と要請。そこで初めて元スタッフたちは、子猫が死んだことを知った。元スタッフたちは動物たちに変わったことがあれば必ず報告するようにしていたため、保護子猫が死んだこと、その死を知らされていなかったことに驚き、ショックを受けたと証言する。
その後執り行われた子猫の葬儀中、1人の元スタッフが齋藤代表に泣きながら「なぜ子猫は死んでしまったのか」「なぜ死んだことを教えてくれなかったのか」と尋ねると、齋藤氏は声を荒げた。編集部が入手した音声には、元スタッフの泣き声と齋藤氏の怒鳴り声がおさめられている。
元スタッフ:「どうしてこの子が亡くなった後の連絡を、鷹一さん(代表)から聞けてないんですか? ちゃんと説明していただきたいです」
齋藤代表:「申し訳ないけど、そんなこと言うんだったら、ご遺体の前で申し訳ないけど。LINEでの毎日の報告すらしないじゃねえかよ。昔は、ちゃんと1日こうだったってやってたけど。今何のLINEも使わねえじゃん。報告すら何もしねえじゃん。それなのに、何で俺が報告しなきゃいけないの」
「俺、この子生かすためにどんだけやったと思ってんだよ! この子生かすためにどれだけのことやったと思ってんだよ。一日寝ないでやってみて、俺じゃ多分この子無理だ。これもう俺の体力じゃ無理だから。だから先生にお願いしたんでしょうが。じゃあ自分、学校休んで、何休んで面倒見れるのかよ。そこまでの責任もって言えるのかよ」
「ヘラヘラしてるからむかつくのかよ、こっちが。君たちの前だからヘラヘラしてるんだろうが! この子亡くなってどんだけ俺が傷ついたと思ってんだよ。それを1個連絡しなかったから? どうして連絡しなかったんですか? 自分は何かやったのかよ! 自分はこの子やってない間、施設の子をみた。施設の子の報告を俺にしたのかよ! 努力を全部見せなきゃいけないのか、君たちに俺の。だったら俺の横にずっといろよ! 学校もどこも何もしないで。1週間いてみ、いれないから絶対に」
また、元スタッフの証言によると、しばらくしてあらたに生後2カ月の子猫を保護することになった際にも、齋藤代表が連れ帰って世話をすると言っていたが、結局連れ帰ることなく店舗に置き去りになっていたことがあったという。生後2カ月である程度体力があったため子猫たちは無事だったが、「その件もあって代表の『世話をする』という言葉が信じられなくなりました」とある元スタッフは証言する。
記事の後編では、SPAに寄付されたリードやフード、雑貨などを破棄するよう指示されたという証言や、元スタッフが雇用保険未加入だったにもかかわらず、雇用保険料が給与から天引きされていた問題などについての証言、ねとらぼ編集部が取材を申し込んだ際の齋藤代表の回答文を紹介する。
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