医療漫画『K2』、全話無料公開で悶絶するひと多発 今もっとも結婚してほしい身長差カップル(※付き合っていない)について語らせてほしい(2/2 ページ)

» 2023年03月22日 21時00分 公開
[ヒナタカねとらぼ]
前のページへ 1|2       

 そして、2人の関係の転機になる(はずだった)のが、一也が出生の秘密を打ち明ける200話である。アイデンティティーに苦悩する彼に対しての、宮坂さんの言葉はあまりに尊い。ていうか、この200話のラストで宮坂さんがここまで言っている、ほぼほぼプロポーズしているのに、付き合っていないとはどういうことなんだよ!

「ギュッ」や「入ったら死ぬ風呂」でも話題の医療漫画『K2』、「宮坂さん」のかわいさと「はよ付き合えや」で読む人を悶絶させまくる 画像は201話より。一也の守りたい笑顔はもちろん、無表情のようで涙をこらえるかのように小刻みに震えている宮坂さんに注目。はよ付き合えや

 ここで、半ばネタバレかもしれないが、恐ろしいことを言ってしまおう。この『K2』は現実の時間とシンクロするように劇中の時間も経過していき、今では話数は440話を超えて一也と宮坂さんは出会ってから10年あまりが経っている。つまりは、2人はもう20代後半にもなっているのだが、それでもまだ付き合っていないのである。

 な……なんでだよ! 171話の時点でキスを超えて血管吻合をしていたり262話では宮坂さんは一也のその後の一人称を変える言葉もかけてあげたのに! 果ては380話で一也が「ふ……不純異性交遊などしない……!」と顔を赤らめながら言うとかお前は本当に何時代の人間だよ(劇中のツッコミ)! 完全に親公認の仲にもなるどころか385話ではお義父さんとあんな約束までしているのに!

 そもそも、宮坂さんに「(医者という)こんなに怖い仕事は他にないわよ」と言わせる(198話)ほどの道を歩ませたきっかけは、他でもない一也である。一也はその意味でも、宮坂さんに対してなんらかの責任を取らなければいけないはずだ。具体的には今すぐ結婚しろ。

雑巾のようにぺちゃんこになる宮坂さんも愛おしい

 そんな風に一也と宮坂さんの関係は、もどかしすぎて悶絶してしまう勢いなのだが、宮坂さんの人柄自体がとてもかわいいし、応援したくなるのも重要だ。

 例えば、170話で「一度でいいからショートケーキを口っぱいにほおぼってみたい」と言った時は「グモモモモ」と謎の擬音が出たり226話では受験のヤマが外れたことを嘆いた時は汽笛のような「ボオオオオ」と謎の擬音が出たりするのがひょうきんでキュート。それがまた、大真面目で誠実だが天然でもある一也と正反対のようでお似合いにも見える理由である。

 さらに愛おしくて仕方がなかったのは、400話で宮坂さんが患者の命に関わる重大な判断ミスをしてしまい続く401話で一也に雑巾だと見間違われるほどにぺちゃんこになってしまうことである。いつもは明るく元気なのに、本気で落ち込み反省し、立ち上がる宮坂さんも実に応援したくなるではないか!

 そんな風に宮坂さんのかわいさと一也との関係だけでどんぶりで飯が何杯でも食える『K2』だが、それ以外でもやはり漫画として面白いし、医療を扱う作品としての志も高い。

 207話からの「和久井譲介」という謎の転校生が登場してからの学園サスペンスはハラハラさせるし、378話からは現実の世界がコロナ禍に突入したことが反映され、さらに413話からはコロナ治療の最前線を描くなど、現実の医療現場に合わせたアップデートも行われている。398話では過換気症候群に対する「ペーパーバッグ法」が今は推奨されていないことを示す201話の時点でも素人判断の危険性が語られている)など、医者でなくても知っておきたい知識も描かれる。

 『スーパードクターK』シリーズは初めこそ『北斗の拳』をほうふつとさせる濃い絵柄かつハードボイルドな話も多かったが、この『K2』ではほのぼのとする場面も多くなり、医者を目指す若者たちの成長のドラマも一貫して続いていたりと、親しみやすさが格段に増しているのだ。

 そして、今もっとも結婚が待ち望まれている、大真面目で人懐っこい大型犬のような一也と、ちっちゃいけどしっかりした飼い主のような宮坂さんという身長差カップル(※出会って10年以上経つのにまだ付き合っていない)を追いかけていると、あらゆる方面からさらに楽しめる内容になっているのだ。

 今すぐ読んで、ぜひ「なんだこいつら、はよ結婚しろや」になってほしい。また、宮坂さんと並んでダブルヒロインと呼ばれる「ドクターTETSU」もツンデレでかわいいので(それが極に達するのが第237話からのとある関係に終わりを告げるエピソード)、合わせてチェックしてほしい。

ヒナタカ

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/19/news005.jpg 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  2. /nl/articles/2405/18/news066.jpg 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
  3. /nl/articles/2405/18/news004.jpg 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  4. /nl/articles/2405/19/news014.jpg ソファに座る息子を見ると……→“まさかのもの”を食べる姿が585万表示 ママ絶叫の光景に「あああ!!」「バイタリティがすごい」
  5. /nl/articles/2405/19/news058.jpg 本田真凜、ショートパンツのスウェット姿に注目の声 「かわいいー!」「スタイルよすぎる」
  6. /nl/articles/2405/16/news066.jpg 伝説のスポーツカーが朽ちている……!? ある田舎の風景を描いた精巧なジオラマに「リアルすぎる」「ホンモノかと」驚きの声
  7. /nl/articles/2405/19/news036.jpg 「ウンコ食い」という毒魚に刺され“骨に激痛”→その40時間後…… ゾッとする経過報告に「えげつない」「何かの病気になりそう」
  8. /nl/articles/2405/19/news019.jpg 車両置き場から何かの鳴き声→探しても見つからずフォークリフトの中をのぞいたら…… まさかの正体に「困ったもんだ(笑)」「ここはマズイ」
  9. /nl/articles/2405/21/news018.jpg 側溝の泥に埋もれて瀕死の子猫→救助されて1年後…… 涙あふれるビフォーアフターに「良かった……良かったです」「奇跡ってある」と182万表示
  10. /nl/articles/2405/18/news068.jpg 『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博がXで怒り 立て続く“誤配”で「三度目です」「次はもう知らん」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評