PC版「ポートピア連続殺人事件」レビューが“非常に不評”に 目玉機能の「自然言語生成」未実装で「ヤスがポンコツ」など厳しい声(1/2 ページ)
初見だと何をすればいいのか非常に分かりにくい状態になっています。
スクウェア・エニックスが4月24日にSteamで無料配信を開始した「SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」のレビューが、「非常に不評」と厳しいスタートを切りました。自然言語処理機能のデモソフトとして配信されたものの、目玉の1つである「自然言語生成」が未実装となっている点を中心に厳しい声が多数寄せられています。
このソフトは、1983年に発売されたPC版アドベンチャーゲーム「ポートピア連続殺人」を通して、AI技術の1つである「自然言語処理(NLP)」を構成する「自然言語理解(NLU)」について体験できるもの。原作と同じくプレイヤーが自由に文章を入力する「コマンド入力式」を採用しながらも、現在のAI技術を生かしてより自由な文章入力で進められるようになりました。
しかし、当時よりも自由な文章で進められるようになってはいるものの、AIの理解度はまだまだ発展途上な部分が多数見られます。実際にプレイしてみましたが、取り調べを切り上げて移動しようと「京都へ行く」と入力したらなぜか取り調べ相手に容疑者のことを聞き出したり、「ごみばこを調べる」と入力したら誰かのプロフィールを読み上げ始めたりと、うまくいかないことが多々ありました。人名も、平仮名で通るときもあれば、ちゃんと漢字で入れても相棒のヤスに「え?」「うーん…」と返されるなど安定しません。
さらに、もう1つの目玉である、「自然言語生成」が未実装になっている点もかなり問題視されています。これは、プレイヤーが入力した文章に対し、AIが自然な返答を返してくれるというもの。実装されていればプレイヤーの入力に対して、ヤスがさまざまなリアクションを返してくれるはずでした。しかし未実装なっているため、前述した通りゲームの進行と関係ないと判断された文章は全て「え?」「うーん…」と返されてしまいます。
この自然言語生成機能は、「AIの非倫理的な発言の可能性を考慮」して削除した状態でリリースしたとのこと。「今後の研究により、プレイヤーのみなさまが安心して体験が楽しめる環境が整い次第、提供させていただきます」となっているため、いずれアップデートで実装されるかもしれません。
ただし、初見の場合そもそもゲーム的に「何ができるのか」が分からない点も大きな問題となります。ファミコン移植版ではあらかじめ用意された選択肢から選んでいくコマンド選択式だったため存在するコマンドが一覧できましたが、このPC版では「どういうコマンドが存在するのか」が分からず、何をしていいのかが分かりません。本人たちに「アリバイをきく」とヤスに「アリバイを調べさせる」が別で存在していることや、取り調べ中に容疑者たちの「写真を撮れる」ことにかなり長い間気付けませんでした。
これらのコマンドが存在することに気付けたのは、レビューで「PAUSEキーを押すと入力したコマンドに近い使用できるコマンドを表示してくれる」機能があることを知ったためです。しかしこの機能を使っても、まだ自分が全てのコマンドを把握できているのかどうかも分かりません。初見では進行が相当に厳しいものになると思われます。
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