“赤土の王者”ナダルが全仏欠場、引退を示唆 記者会見後にインスタでコメント「あなたのいないテニスなんて」とファン悲鳴(1/2 ページ)

ひとつの時代の終わり。

» 2023年05月19日 13時53分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 男子プロテニスプレーヤーのラファエル・ナダルが5月18日、22日から6月11日まで開催される2023年の全仏オープンを欠場すると発表。さらに数カ月休養し、現在36歳のナダルにとって、おそらく2024年が最後の年になると引退を示唆しました。

ラファエル・ナダルが引退表明 引退表明の記者会見後にメッセージ(画像はラファエル・ナダルのInstagramから)

 ナダルは故郷のスペイン・マヨルカ島にあるラファ・ナダル・アカデミーで記者会見を開き、その直後Instagramに投稿した動画でも自身の声で同じ内容をファンへ向け伝えています。

 2023年1月の全豪オープン2回戦でマッケンジー・マクドナルドにストレート負けしてから欠場が続いているナダル。4月には痛めている腸腰筋の回復に努めていることなどをファンへ向け伝えていましたが間に合わず、「オーストラリアで起きた問題の解決策を見つけることができなかった」と2005年の初出場で優勝してから初めて全仏オープンを欠場することを発表。「今日、僕はまだ全仏オープンで戦える基準を満たした状態じゃない。僕はただ全仏に出場して、自分の納得いかないポジションに身を置くような男じゃないんだ」とコメントしました。

 ナダルは2022年には全豪オープンと全仏オープン優勝という結果を残しているものの、新型コロナウイルスによるパンデミック以降うまく練習をこなすとができなくなっていたとのこと。痛みを我慢することも多くなり、練習や試合を楽しむことができなくなったため「もうやめたい」と口にしたことを明かします。休養は何カ月になるかわからないとし、「僕はたくさんの未来を予測するのが好きな男じゃない。だからただ自分の気持ちに素直に従い、自分の身体と幸せのために正しいと思うことに従うだけ」と述べました。

 そして自身の目指すところは、休養を取り、来年を楽しく過ごすことだとナダル。「おそらく僕の最後の年になる」と2024年での引退を示唆し、それを最高の年にするための選択であるとしました。続けて「何が起こるかは分からないから、100%そうなるとはいえない。でも僕の考えとモチベーションは来年中に、僕のテニスキャリアにとって大切だった全ての大会を楽しみ、さよならを言うこと。ただ楽しんで競争し、コートにいることを楽しむこと。それは今、不可能なことで、今のままではそれを実現させることはできないだろうと本当に思う。休んだら実現するかは分からない、でも可能性は高くなる」と全仏欠場や休養の目的について明確にしています。

ラファエル・ナダルが引退表明 ローラン・ギャロスからもメッセージ(画像はラファエル・ナダルと全仏オープンのInstagramから)

 この発表を受け、全仏オープンはInstagramへナダルが2022年同大会を優勝した際の写真を投稿し、「この決断がどれだけつらいものだったか想像に難くありません。今年の全仏オープンにあなたがいないのは間違いなく寂しいこと。より強くなってコートへ戻ってくるため、お身体を大切に。来年パリでお会いできますように」と17年間出場し、そのうち14回優勝を果たしたナダルへメッセージを送りました。

 また、同大会のディレクター、アメリ・モレスモは「全仏オープンで14回優勝し、その運命が密接にローラン・ギャロスとつながっているラファエル・ナダルをみられないのは、本当に寂しいこと。この苦渋の決断を下した彼の胸中は察するに余りあります。胸が張り裂けそうです。彼が早く回復しテニスコートに戻れること、来年は全仏オープンで会えることを願っています」とコメント。全仏オープン開催期間中の6月3日が誕生日のナダルは、毎年コートの上で祝福を受けることが恒例となっていましたが、2023年にはそれもみられないことになります。

 強靭(きょうじん)なフィジカルとメンタル、ルーティンをかたくなに守る剛健篤実なプレースタイルで絶大な人気を博してきたナダル。これまでにグランドスラム優勝回数は22回と歴代1位(ノバク・ジョコビッチとのタイ記録)、史上2人目のキャリア・ゴールデン・スラムを史上最年少で達成するなど、数々の偉業を達成してきました。特に全仏オープンでは圧倒的な強さを見せてきただけに世界中のファンがこの決断へ衝撃を受けたもよう。ナダルや全仏オープンのInstagramへは、「唯一無二の王。全仏はラファエル・ナダルでありラファエル・ナダルは全仏」「史上最も偉大な選手。ナダルのような選手は2度と現れないだろう」「今年の全仏を見るのが悲しい。あなたのいないテニスなんて想像もつかない」「息子にはあなたの名前を付けたよ」などのコメントが並んでいます。

 2022年にはナダルと数々の名勝負を繰り広げてきたロジャー・フェデラーも引退を表明し、テニスファンや選手に衝撃を与えたばかり。「あなたが引退したら、もうテニスに興味を持てるか分からない。スポーツはもちろん、あなたの姿勢や人柄がいつもインスピレーションを与えてくれた」などのコメントもあり、一つの時代を築いた選手の幕引きが与える影響の大きさが感じられます。

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