「怖すぎる」とネットを席巻したホラー小説『近畿地方のある場所について』はどのように生まれたか 作者インタビューで裏側を聞く(5/6 ページ)
――Twitterなどでいわゆる「バズり」を受けた感想などあれば教えてください。
背筋 もう「驚いた」の一言ですね。それまではほそぼそとやっていて、毎日カウンターを見ては「おっ、今日は8人も読んでくれたんだ。よっしゃよっしゃ」と喜んでいたところに、突然それまでの何百倍、何万倍の方々が押し寄せて読んでくれた、となりましたから。そこからまさかの書籍化ですからね、人生何が起きるか分からないなぁ、と思いました(笑)。
それとは別に思ったことがありまして。ホラーが苦手だけどがんばって読んでみた、という方が結構いらっしゃったんです。怖いのは嫌だけど読みたい、っていうか。この「読みたくはないけど知的好奇心のほうが勝って読んでしまった」っていうのは、普通の「読んでみたい」とは別の感情じゃないですか。
つまり「怖いから読みたくない、というハードルを越えて、ホラーが苦手な方にも読んでいただけた」ということですよね。まだ明確な言葉としてまとめられていないのですが、今回の手法はホラーという表現に関して新しい可能性につながるかもしれない、というのは思いました。
――ところで、書籍化のお話はいつごろ来たのでしょうか。
背筋 本当にバズった直後ぐらいですね……でしたよね?
担当者 はい、3月下旬です。こちら補足させていただくと、『近畿地方の〜』はバズる前から社内で「すごい小説が来たぞ」と話題になっていたんです。そこで完結してから書籍化のお声がけをしようと準備を進めていたのですが……その直前に想定以上のバズりが出てしまいまして。「今すぐやらないと他社に先を越されてしまう」という状況となり、急きょ前倒しのお声がけになった、という次第です。
――次回作の構想などはあるのでしょうか。
背筋 今の時点でお話できることは何もないんです、ごめんなさい。ですが担当さんとも「次の何かを作って皆さんにお届けしたい」とは話していまして。時間はかかるかとは思いますが、構想が固まり次第お伝えいたします。
――それでは最後に、背筋さんから読者の皆さんへ一言お願いします。
背筋 皆さん見つけてくださってありがとうございます。書籍版も見つけてくださいかわいい子です。ありがとうございますありがとうございます。
インタビュー・記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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