“袋に麺を入れてレンチン”でOK 永谷園のパスタソース「パキット」が便利そうと話題  「正直、パスタをゆでるのは面倒」の声から誕生(1/2 ページ)

開発の経緯など、詳細を永谷園に聞きました。

» 2023年06月04日 10時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 パスタの麺とソースを一度に調理できる、永谷園のパスタソース「パキット」が便利そうだと話題です。乾麺と水を入れて電子レンジにかけると、袋の中で1人前のパスタができあがります。

動画が取得できませんでした
パキット パスタの調理をソース袋の中で完結できる「パキット」

 パキットは、いわば「パスタソース入りの調理袋」で、味はボロネーゼとカルボナーラとペペロンチーノの3種類(各300円、税別)。別途乾麺を用意すれば、袋の中でパスタの調理を完結できます。

 作り方は、水160mlと半分に折った麺1束分を袋に入れ、電子レンジで約6分加熱(600Wの場合)。加熱後に庫内で7分ほど蒸らし、30回ほどかき混ぜれば完成です。麺もソースもいっぺんに手放しで調理できるし、洗い物も最低限で済んで便利。

パキット
パキット

 もっとも、手軽さで言えば麺も最初から入っている冷凍食品のほうが上でしょう。ただ、パキットの場合は好みの麺を使えますし、常温で保存したり出先で調理したりできるメリットもあります。あとは麺を折ってイタリア人を怒らせるリスク(関連記事)がありますが、それはまあTPOの問題。

 発売は3月13日ですが、近ごろ「疲れてクタクタでもこれなら作れる」と紹介したツイートがきっかけで、Twitterで話題に。「普通に調理すると手間だし、冷凍食品の麺は苦手だったから、まさにこれは革命」「これとパスタをお弁当代わりに持っていく未来が見える」などと反響を呼んでいます。

 編集部は永谷園を取材し、開発の経緯など詳しい話を聞きました。

―― パキットはどのような経緯・背景で開発されたのでしょうか

永谷園 コロナ禍で自宅でランチをとる機会が増えたお客様から「正直、パスタをゆでるのは面倒」という声があり、また開発者自身にも同じ悩みがあったことからパキットは誕生しました。ランチメニューとして女性人気が高いパスタですが、自分で調理する場合はたっぷりのお湯を沸かす必要がありますし、鍋から目を離せませんし、別途ソースの加熱も必要で洗い物が増え……と、1人分でも大人数分作る場合と手間は変わらず、効率が悪い点があります。これらの課題を解決するため、「電子レンジでパスタもソースも一気に調理できるパスタソース」をコンセプトに、「ゆでないパスタ調理」の新スタイルを完成させました。

―― 麺入りでなく、麺を別途用意する形式にしたのはなぜでしょうか

永谷園 「パスタはゆでたてでこそおいしい」という開発者自身の意識が強かったこともあり、「ゆでたて」という点は外せないポイントでした。あらかじめ麺を入れておくと、ゆでたてならではの食感を実現できないと考え、あえてパスタを別で用意する設計にしました。また、パスタはご家庭での在庫率も高く、自分好みのパスタを買われているお客様も多いと考え、別で用意することに抵抗はないとの結論に至りました。

―― 開発にあたって苦労した点・工夫した点をお聞かせください

永谷園 以前にも「レンジだけでパスタ調理をする」商品の開発は過去にも挑戦したことはありましたが、麺の戻りやソースの味付けの課題をクリアできず、当時はこうしたコンセプトの商品は開発が難しいとの判断が下されました。今回も商品化提案までは進んだのですが、「レンジの機種によって麺の仕上がりにバラつきが出てしまう」という問題に直面しました。同じ600Wでも機種によってゆであがり方が全然違ってくるんです。また、ソースと一緒にパスタをゆでる設計で開発を進めていたので、最適な水の量はもちろん、パスタのとろみ具合や油の量など各要素の最適な組み合わせを見つけることも本当に難しく、試作は1000回以上繰り返したそうです。

 開発期限まであと1週間というところまで迫ったある日、開発担当は初心に帰る気持ちであらためてパスタ調理に関する情報を一から調べ直したといいます。そこでたまたま目に入ったのが「蒸らし」の工程。これまでレンジで加熱することばかりにフォーカスしていたので、蒸らす発想は全く頭になく、もしやこれを取り入れればうまくいくかもしれない……と、わらにもすがる思いで庫内で蒸らす工程を加えたところ、それが見事にうまくいき、できたて・ゆでたてならではのアルデンテ食感を実現できました。

―― 売れ行きはいかがでしょうか。購入者からはどんな意見が寄せられていますか

永谷園 発売からおよそ2カ月で約100万食強を出荷し、同期間で半年間の販売目標を達成するなど、大変ご好評いただいております。お客様からも「こんな商品が欲しかった」「洗い物がお皿とフォークだけなのでメチャ楽」「中まで味が染み込んでいる」「ちゃんとアルデンテに仕上がるし調理は全部レンジがやってくれるし非常に楽々」などうれしいお声をいただいております。

―― 今後種類を増やすなど、拡大の予定はありますか

永谷園 今後も新メニューの展開を検討していますし、既存メニューにつきましても、お客様の声を参考に品質のブラッシュアップをしている段階です。お客様に喜んでいただける商品作りを行ってまいりますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければ幸いです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/29/news009.jpg 高校生のときに出会った“同級生カップル”→「親に頼らん!」と必死に貯金して…… 19年後、現在の姿に反響
  2. /nl/articles/2501/31/news120.jpg 大野智さん巡る悪質“逮捕デマ”巡りSTARTO社が発信者情報開示請求 「株式会社嵐」代表は「一呼吸おいてよく考えて」と心境吐露 
  3. /nl/articles/2501/31/news085.jpg “自分を醜い”と感じてきた49歳女性が…… “別人級の大変身”に感動 「衝撃的だった」「信じられない」
  4. /nl/articles/2501/30/news026.jpg 普通の折り紙1枚を、パタパタ折っていくと…… プレゼントにぴったりな美しいアイテム完成に「すげぇつくりたい」「かわいい」
  5. /nl/articles/2501/31/news185.jpg 大谷翔平、“消防士たちとの5枚のショット”に反響 「どの消防士より屈強」「これは期待の新人」
  6. /nl/articles/2501/31/news014.jpg 手芸で余った大量のハギレ → あまさず活用する“驚きの方法”に反響 「ナイスアイデア」「考えたこともなかった」
  7. /nl/articles/2501/31/news050.jpg 「許されると思ってんの?」 スマホのアラームを設定→翌朝…… “絶望の通知内容”が430万表示 「ほんとこれ」
  8. /nl/articles/2501/30/news047.jpg 「死ぬほど笑ったw」 “ほろよい”限定デザイン → 人気ゲームの“例のロゴ”に見えると話題に まさかの公式も反応「ほろよい うま」 投稿者に話を聞いた
  9. /nl/articles/2501/31/news019.jpg “部屋が汚すぎて”彼氏に振られた女性→1人孤独に片付けを続け、600日後…… まさかの光景に「感動しました」
  10. /nl/articles/2412/09/news077.jpg 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議