AI人形ホラー「M3GAN/ミーガン」レビュー ChatGPTが話題の今だからこその絵空事ではない恐怖(1/3 ページ)
「クレしん ヘンダーランド」を連想した理由がある
奇妙なダンスがSNSで話題を集め、全米どころか全世界で大ヒットを記録したホラー映画「M3GAN/ミーガン」は、結論から言えば、ものすごく面白い! 「AI人形のお友達が怖い」というキャッチーなコンセプト通りの作風を期待すると期待以上のものが出てくる、エンタメ性抜群かつ万人向けの秀逸なホラーだった。
ゾッとするバイオレンスな場面はあれど、PG12指定止まりで直接的な残酷描写は比較的ひかえめなので、映画館でアトラクション的に怖い映画を見たい、中学生ごろの若い方にも存分におすすめできる。後述する理由で、子どもを持つ親御さんにも観てほしい理由もある。
そして、自動生成イラストやChatGPTが話題の今、本作で描かれていることは決して絵空事ではない。「AIへの依存」の恐怖を描いた作品としても秀逸だったのだ。ネタバレにならない範囲で、さらなる魅力を記していこう。
お友達人形のはずが、“排除”をも厭わない存在に……
あらすじはこうだ。おもちゃメーカーの研究者のジェマは、交通事故で両親を亡くしてしまった9歳のめいのケイディを引き取ることになる。だが、ジェマは仕事が忙しいだけでなく、ケイディへの良い接し方が分からずにいたため、研究段階のAI搭載の人形ミーガンを、実験を兼ねて彼女に与える。ミーガンはケイディの遊び相手になるばかりか、まっとうなしつけもしてくれる、ありがたい存在に思えたのだが……。
AI人形が恐怖の対象になるホラーとして、2019年公開のリメイク版「チャイルド・プレイ」もあるが、ミーガンはそちらよりもさらに高性能。ただ会話の受け答えをするだけでなく、良くない行動をたしなめたりすることもできるため、ドラえもんよろしく、子守用ロボットを超えた大切な存在になっていく。
とはいえ、本作はホラーなので、穏当なお話の流れになるわけがない。「あらゆる出来事からケイディを守るようプログラムされた」ミーガンは、徐々に“暴走”の片りんを見せていき、やがてケイディ以外の対象に対して「バレない範囲での“排除”」を試みようとするのだ。なお、ロボット三原則は基本的にガン無視である。
「悪の教典」「クレしん ヘンダーランド」を連想した理由
目的をプログラミングされただけのAIは、人間であれば当然抱く、真っとうな倫理観が欠如している。そんなミーガンの行動原理は、小説・映画「悪の教典」に登場する、「目的のためなら殺人どころか、最終的に生徒を皆殺しにしても構わない」最悪のサイコパスの殺人教師を連想させるところもあった。
もうひとつ連想したのは、今Twiiterで「待ちなさーい!」が流行っている、「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」だ。同作では「みんなのトラウマ」として語られることが多い、ス・ノーマン・パーという雪だるまのようなキャラが登場し、しんのすけがその恐ろしさを必死に訴えようとしても、みさえとひろしが彼のことを心から受け入れていく様がめちゃくちゃ怖かった。
ミーガンは、逆に子どもに取り入り、次第に保護者に対し排他的になっていくのだが、やはり「人の心をつかむ魅力がある」「懐柔がうまい」ス・ノーマン・パーと同様の怖さがあるのだ。
秀逸な子育てのメタファーと、AIへの依存
本作は子どもへの教育のメタファーに満ちた物語としても、AIが身近な存在になった今だからこそのホラーとしても面白い。劇中では9歳の少女ケイディにとって、ミーガンはなんでも話し合える、いちばん大切なお友達ともいえる存在になっていく。保護者であるジェマからすると子育ては楽にはなるのだが、それは裏を返せば「AIへの依存」にもなっているのだ。
そのケイディはミーガンと出会う前、両親が事故死したその時も、車の中でタブレットで操作するおもちゃに夢中だった。現実の世界でも、子どもはAIが関わっているアプリやゲームで遊んでいるし、YouTubeでもAIが選定したおすすめ動画を見ている。劇中でケイディがAIのミーガンに依存していく過程は、こうした現実の延長線上に確実にあるものだ。
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