「昔家にあったやつ!」 タイガーの「懐かしすぎる」炊飯ジャーに反響 食卓の「昭和レトロ柄」ヒットの裏側(1/2 ページ)

食卓にもレトロブームの波。

» 2023年07月04日 07時00分 公開
[ねとらぼ]

 令和の今、日本を席巻しているレトロブーム。その波は調理家電や食器など、食卓にも押し寄せています。ねとらぼ編集部は、「昭和レトロ柄」を商品デザインに採用したメーカーに話を聞きました。

タイガー 炊飯ジャー レトロ 花柄 タイガーが復刻販売した花柄の炊飯ジャー
advertisement

 「昔家にあったやつ!」「懐かしすぎる」「かわいい」――。6月下旬、調理家電大手・タイガー魔法瓶(以下、タイガー)が販売している炊飯ジャーのデザインが、Twitter上で話題を呼びました。丸々とした形のジャーには赤とオレンジのストライプが描かれ、「炊飯/保温」の2種類しかないボタンも、どことなく昭和な雰囲気を感じさせます。

タイガー 炊飯ジャー ストライプ タイガーが復刻販売したストライプ柄の炊飯ジャー

 タイガーは創立100周年を記念し、「レトロ柄復刻シリーズ」と題した調理家電などを6月21日からオンラインショップ限定で販売。炊飯ジャーやホットプレートといったアイテムのほか、昭和の時代にはなかった電気ケトルなど、全8商品がレトロ柄で販売されています。柄はストライプと、1970年代に流行した花柄(ポピー)が用意されました。

 シリーズの展開理由について、タイガーの広報担当者は6月30日、ねとらぼ編集部の取材に「当社の歴史を語るうえで避けては通れない、1970年代~80年代にさまざまな商品群に広く展開され人気をいただいた『花柄』と『ストライプ柄』をぜひ復刻したい、という思いで企画をスタートさせました」と説明します。1970年代~80年代は、それまで魔法瓶や保温水筒を中心に販売していたタイガーが、炊飯ジャーや電気ポットなどの家電も手がけるメーカーに転換した節目の時期でした。

advertisement
タイガー 復刻シリーズ タイガーの「レトロ柄復刻シリーズ」

 今回のシリーズでは、主に最新の機能性を持った製品をレトロ柄にして販売する形が取られました。一方で、炊飯器だけは「最新式の炊飯器(液晶があるタイプ)だとこのレトロ柄がマッチしなかった」ことから、レトロな見た目に合わせた、保温と炊飯のみのシンプルな機能を採用したといいます。

 シリーズは4月に予約が始まると、2カ月で合計約3000件を受注。6月にTwitterで炊飯ジャーのデザインが話題になった際には、公式ページへのアクセスが通常の5倍以上に伸びるなど、大きな反響があったとしました。担当者は「今後もご購入いただいた方の感想を見て、興味を持っていただける方が増えれば」と伝えました。

「古くさいんじゃない?」上司の懸念乗り越え大ヒット「昭和レトロ」食器

 「昭和レトロ」を売りにした食器が大ヒットしたメーカーもあります。1819年創業のガラスメーカー・石塚硝子は、2018年11月から、レトロな柄を採用したガラス食器シリーズ「アデリアレトロ」を製造しています。

石塚硝子のブランド「アデリアレトロ」
advertisement

 「アデリアレトロ」は、同社が手がけるガラス食器ブランド「アデリア」のうち、昭和の頃に生産されていたデザインを復刻したシリーズです。「野ばな」「アリス」といった花柄から、動物園の動物を描いた「ズーメイト」など個性的な柄も含め、全部で15種類のデザインを展開しています。現在はコップやグラス、デザートカップなどが販売されています。

アデリアレトロ 柄 アデリアレトロの15種類の柄(アデリアレトロブランドサイトより)

 石塚硝子の広報担当者によると、商品化のきっかけはある若手社員たちの気付きでした。2018年、20代の女性社員がSNSを見ていると、約40年前に廃番となった当時のアデリア製品が、Instagramでコアなファンに共有され、盛り上がっているのを発見。ここから、当時のデザインを復刻したグラスを販売しようと、若手社員たちは発案します。

 ブランド特設サイトの「開発秘話」によると、初めの企画会議では上司から「古くさいんじゃない?」などと言われ、一度は提案を却下されたといいます。それでも、社員が地道な市場調査を重ねて再提案した結果、テスト販売が認められます。しかし、当時のデザイン画が社内に残っていなかったことから、SNSで「再会チャレンジ」と称したヴィンテージグラス収集を実施。フォロワーから借りたグラスのデザインを模写して、販売に至りました。

 その結果、2018年11月から2023年6月の期間で累計136万個を売り上げる大ヒットを記録。広報担当者は「この価格帯(中心価格帯800円~1500円)のガラス食器では異例のヒットといえる数量です。今までは、1シリーズで年間10万個も売れればそこそこヒットした、という感覚でしたので、その勢いに驚いています」と振り返ります。

人気ダントツ柄の「野ばな」

 現在展開されている15種類の柄のうち最も人気なのは「野ばな」で、販売数は「ダントツ」だといいます。広報担当者はアデリアレトロファンとのファンミーティングの開催や、ブランドライセンスによるガラス以外のコラボ商品の開発などを行うことで、今後もブランドを強化していきたいとし、「近年レトロブームと言われさまざまなメディアに取り上げられていますが、一過性のものではなく一つのジャンルとして継続していくカルチャーとして確立していきたいと考えております」と伝えました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/31/news050.jpg 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  2. /nl/articles/2503/31/news073.jpg 100万円の“錦鯉”を自宅の池に入れたら…… 「おかしいでしょ」3日後、まさかの事態に「鯉は難しい…」「信用が大切ですね」
  3. /nl/articles/2504/01/news111.jpg 中村江里子、20年間住み続けるパリ自宅が“ぶっ飛び”すぎていた! 4メートル高天井&来客のド肝抜くデザイン尽くしに視聴者「日本の既成概念からは遠い」
  4. /nl/articles/2504/01/news124.jpg 松屋が、松屋を……! エイプリルフールに企業公式の投稿が続々→“楽しいウソ”に「コレは笑える」「素敵なコラボ」【エイプリルフールまとめ】
  5. /nl/articles/2504/01/news118.jpg 四肢欠損のママタレ、育児動画に誹謗中傷で1カ月超の“沈黙”……4歳娘への書き込みが「最も胸に突き刺さった」
  6. /nl/articles/2504/02/news031.jpg 英国人女性と出会った男性→8年後…… まさかの姿に反響 「めちゃくちゃ垢抜け!」「爆イケに!」
  7. /nl/articles/2504/01/news102.jpg 第5子妊娠の辻希美「昨夜から中学生が6人泊まりで来てまして」 食べ盛りの子どもたちに“大量に作ったごはん”が圧巻
  8. /nl/articles/2503/31/news036.jpg ペットショップで売れ残っていた5万5000円の柴犬→お迎えして半年後…… “一目瞭然の姿”が240万表示「うるってなった」
  9. /nl/articles/2504/01/news015.jpg 散歩中、愛犬が拾った“まさかのもの”に「どうすんのコレww」 飼い主もビビった“ホンモノ”「え?」「大手柄だね」
  10. /nl/articles/2502/14/news033.jpg コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 福袋に入ってた“定価3万円”の高級魚を大事に育てたら…… 「やりやがったな」涙する結果に「すごい」「ほんと感動」
  2. 「日本人だけが感じる絶望」 職場に置かれたドーナツ → “抹茶味”かと思いきや…… “まさかの事実”に反響「怖くて泣いちゃった」「笑いました」
  3. 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  4. 「全てが完璧」 無印良品の“1990円バッグ”に称賛続出 「やっぱりこれ」「文句なし」「使い勝手抜群」
  5. ペットショップで売れ残っていた5万5000円の柴犬→お迎えして半年後…… “一目瞭然の姿”が240万表示「うるってなった」
  6. “有吉弘行も大ファン”の「伝説の女装愛好家」が死去 亡くなる2日前に「志半ばにして逝きますが燃え尽きる思い」とメッセージ
  7. 普通のクリップを2つつなげるだけで…… あると助かる“便利グッズ”に大変身 「マジで!」「素晴らしいアイデア」【海外】
  8. 皇后さま、服から靴まで「ロイヤルブルー」 天皇陛下のネクタイとの“おそろいコーデ”
  9. 「大当たりでした」 ユニクロ新作“9990円アウター”が売り切れラッシュの大反響 「今までと全く違う」「大切に着たい」
  10. 「これはうれしい」 引っ越しのあいさつでもらった手土産、開封したら…… “センス抜群の中身”に「参考にしたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】