JR東が「エスカレーター歩かず立ち止まろう」キャンペーンを実施 なぜ立ち止まるべきかメーカーに聞いた(1/2 ページ)
エスカレーターを手がける三菱電機ビルソリューションズに聞きました。
JR東日本は、「エスカレーター『歩かず立ち止まろう』」キャンペーンを、7月24日から8月31日まで実施します。全国の鉄道事業者56社局および4団体と、空港施設や商業施設、自治体と共同で、エスカレーターの安全利用を呼びかけています。
JR東日本によると、エスカレーターにおいて、利用者がバランスを崩して転倒したり、駆け上がったり駆け下りたりする際にほかの利用者と衝突し転倒させたりといった事象が発生しているとのこと。また、歩行者用に片側を空ける習慣は、「左右いずれかの手すりにしかつかまることのできない利用者にとって、危険な事故につながる場合もある」としています。
こうした事情から、同社はキャンペーンを始動。ポスターやディスプレイ広告で、「歩かずに立ち止まろう」「手すりにつかまろう」と呼びかけます。
また、エスカレーターやエレベーターを手掛ける三菱電機ビルソリューションズも、同様の注意喚起に取り組んでいます。『うんこドリル』とのコラボレーションによる特設サイトで、エスカレーターの安全な乗り方や知識をやさしく解説しています。
編集部は同社を取材し、なぜエスカレーターでは立ち止まるべきなのか、あらためて聞きました。併せて、乗り方についてよく言われる、「歩くと機械に負担がかかる」「片側を空けていると、機械に偏った負担がかかって悪影響を及ぼす」といった言説についても聞いています。
―― エスカレーターで歩くのはなぜ危険なのでしょうか
三菱電機ビルソリューションズ バランスを崩したりつまずいたりして、転倒するおそれがあります。また、ほかの利用者に接触して、思わぬ事故につながるおそれもあります。
―― 安全な乗り方を、あらためて教えてください
三菱電機ビルソリューションズ ステップの黄色い線の内側に乗り、必ず移動手すりにつかまってください。お子様の場合は保護者のかたが、お年寄りは付き添いのかたが手をつないで乗るようにしてください。降りるときは、ステップから大きく踏み出して降りるようにしてください。
―― 「歩くと機械に余計な負荷がかかる」と言われますが、本当でしょうか
三菱電機ビルソリューションズ 歩行による衝撃荷重が作用しますので、止まって乗る場合と比較して機械への負荷は増加します。ただし、機器は十分な強度をもって設計しており、機器的な問題はありません。
なお、複数人が駆け下りた際などは、その衝撃によって安全装置が作動しエスカレーターが停止する場合がありますので、止まって乗るようにしてください。
―― では、「片側を空けると機械に偏った負荷がかかって悪影響を及ぼす」説についてはいかがでしょう
三菱電機ビルソリューションズ 踏段を引っ張るチェーンは左右に付いており、利用者が片側のみに乗ると、左右のチェーンの負荷に偏りが生じます。ただ、十分な強度を持ち、かつ、踏段の構造上は力が均等に分散される設計になっているので、動作に偏りが生じることはありません。
―― ちなみに、片側を空ける場合と、両側に乗る場合とで、輸送効率がいいのはどちらでしょうか
三菱電機ビルソリューションズ 空けた片側を歩行する人数が少ない場合、両側に止まって乗っていただく方が輸送効率が高くなります。
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