かつての“メルヘン廃墟”がカフェに変貌 バブル観光地・清里の「ミルクポット」はなぜ復活したのか(1/2 ページ)

「高原の原宿」のランドマークが再スタートを切りました。

» 2023年08月11日 10時00分 公開
[ねとらぼ]

 バブル期に人気を博した観光地・清里(山梨県北杜市)にある建物「ミルクポット」が、7月14日にカフェとして復活オープンしました。建物は清里のランドマーク的存在として知られましたが、その後閉鎖。ネット上では「メルヘン廃墟」として扱われたこともありました。ねとらぼ編集部は、ミルクポットを復活させた企業に復活のねらいを聞きました。

清里 ミルクポット 清里の「ミルクポット」が再オープン(画像提供:清里観光振興会)

 「駅前通りの『ミルクポット』が復活!本日新装オープンいたしました。外観の懐かしいフォルムはそのままに、店内全てが生まれ変わっています。ポットの中でゆっくりと、自慢のソフトクリームやクレープを召し上がって下さい」。清里エリアの観光PRなどを行うNPO法人清里観光振興会が7月14日、Twitter(現X)でこう告知すると、ユーザーからは「清里のシンボルが復活!」「懐かしい」「絶対行きたい」と歓迎する声が相次ぎました。

 

 

 ミルクポットはその名の通り、ミルクポットの形をしたユニークな建物です。建物を管理する株式会社住信クリエーション(北杜市)の担当者によると、建てられたのは1980年代のこと。当時の清里は西洋風の建物やタレントショップが立ち並び、「高原の原宿」として若者の間で絶大な人気を誇っていました。その中でもミルクポットは、町の中心部にあるランドマーク的存在として知られていました。ネット上では、当時の店内でお土産などを販売していた様子などが投稿されています。

 

清里 ミルクポット 2015年6月時点のミルクポット(画像はGoogle Mapストリートビューより)

 

清里 ミルクポット 2015年6月時点のミルクポット(画像はGoogle Mapストリートビューより)

 

 しかし、バブル経済の崩壊後、観光地としての清里は衰退の一途をたどります。町のあちこちで廃墟が目立つようになり、前述の担当者によるとミルクポットも20年ほど前には閉鎖されたといいます。Google Mapのストリートビュー機能で2015年6月時点のミルクポットを見てみると、ピンク色の屋根は色あせ、外壁もところどころ剥げている状態が確認できます。ネット上の記事では寂れた町の「メルヘン廃墟」として、たびたび取り上げられていました。

 朽ちていく町のランドマーク。衰退に待ったをかけたのが、地元で不動産・リフォーム事業を手掛ける有限会社住信でした。同社は清里の活性化と観光客誘致のため、約4カ月かけて施設を改装。ソフトクリームやクレープを販売するカフェとして、ミルクポットを生まれ変わらせたのです。

清里 ミルクポット 新装オープンしたミルクポット(画像提供:清里観光振興会)
清里 ミルクポット 新装オープンしたミルクポットの店内(画像提供:清里観光振興会)

 

清里 ミルクポット 新装オープンしたミルクポットの店内(画像提供:清里観光振興会)

 

 オープン直後の休日となった7月15〜17日の3連休の人出は「とても良かった」と担当者は振り返ります。今後は「昔を懐かしみながらも、今の時代、これからの時代と融合しながら八ヶ岳の雄大で素晴らしい自然の中で多くの人に楽しんでいただける観光スポットとして末永く愛されるミルクポットを目指します」としています。昭和・平成レトロブームの中、復活したミルクポットから目が離せませんね。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/24/news088.jpg ヤフオクで出品されていた「20万円の引退品」→開封すると…… “まさかの中身”に賛否 「ゾッとしたわ…」「しゃーない」
  2. /nl/articles/2412/25/news115.jpg 辻希美&杉浦太陽、家族6人でクリスマスに豪華料理 長女・希空が作った“プロ級のケーキ”も…… 「凄くいい時間だった」
  3. /nl/articles/2412/24/news092.jpg 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  4. /nl/articles/2412/24/news037.jpg 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/25/news152.jpg 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  6. /nl/articles/2412/23/news078.jpg そば屋の看板のはずが…… 雪で“別の店”みたいになってしまった光景が北海道の豪雪のすさまじさを物語る
  7. /nl/articles/2412/25/news009.jpg 若かりしころの父と母→36年後…… 苦楽をともにしてきた“現在の姿”に「泣いた」「本当に素敵」と1700万再生突破【海外】
  8. /nl/articles/2412/23/news025.jpg 幼少期から“ディズニー”大好きな2人→25年後…… まさかまさかの“現在”が話題 「映画のワンシーンのよう」
  9. /nl/articles/2412/25/news021.jpg 大型ワンコが猫に育てられた結果…… 驚きの行動連発に「自分を猫だと思っていないっw?」「かわいすぎる!」
  10. /nl/articles/2412/24/news156.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」される夫婦の苦悩……“年の差33歳差”カップルに反響【個性的なカップル特集2024】
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  3. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
  5. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  7. 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  8. 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
  9. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  10. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」