東京・上野の「ツタと木に包まれた廃校」旧下谷小学校を見学したら、存在しない思い出がよみがえってきた(2/2 ページ)
旧下谷小学校校舎内部へ
廊下。アーチ部分や装飾などがシックな印象でかわいいです。
黒板には見学者が思い思いにメッセージを残すことができました。見学会への感想や、思い出を語っている卒業生がいたり、廃校への愛を語っている人がいたり。
中には「いつも外側から眺めて素敵だなと思っていました」というメッセージに対して「わたしも同じこと思ってました」「同じです!」と交流が生まれていたり……これ見たことある。YouTubeのコメント欄だ……!!!
「暑いです」→「それな」に関しては、「暑いです」のコメントに4桁くらい「いいね」がついていてもおかしくないと思いました。校舎内はレトロでタイムスリップしたようなのに、黒板だけがめちゃくちゃインターネット。
連絡とまとの会って何??????? 自由過ぎておもしろい。みんなこの空間で心が小学生に戻っちゃってる。
気を取り直して、そうそうこういう窓。授業中、暇なときにこの窓から体育をやってるクラスをこっそり眺めたりね(下谷小学校での存在しない記憶)。
教室に設置されたスピーカーに悶絶しました。2008年にブランド廃止になって今はもう存在しない「ナショナル」のスピーカーだったんですよ。
スイッチ部分も味わい深すぎる。他にどれくらい現存しているんだろうか……。
へぇー、ツタに覆われている建物って、中から見るとこんな感じなんだ。ちょっとしたホラー感がありますね……。
めちゃくちゃ重厚な鉄扉がありました。竣工当時、こちらが講堂(体育館)への入り口だったそうです。
屋内体操場兼講堂。いわゆる体育館ですね。モダンでおしゃれな作りであり、一見きれいに見えるのですが、天井を見ると大きな穴が開いていました。ここでバレーボールしたらヤバそう。
この見学会ですごいなあと思った点が、床が抜けているような教室も完全に封鎖するわけではなく、結構ギリギリまで近づけるようにしてくれていたことでした。
足を踏み入れた教室には、完全に天井紙がべろんとはがれている場所もありました。旧下谷小学校は閉校後も他の学校の仮校舎として使われていたこともあり、想像していたよりも中はきれいに感じました。でも、こうして剥がれた天井紙や、体育館の天井の穴なんかを見ると年季を感じますね。
戦前から残る貴重な建物であり、学校が使われていた当時の文化を肌で感じられるこの校舎。見学前は「このまま残してほしい」という気持ちもありましたが、実際に建物内部の古さを目の当たりにすると、安全に維持管理し続けるためにはクリアしなければいけないハードルがいくつもあるのだろうなぁということを素人ながら強く感じました。
完全に取り壊される前に、こうして見学できる機会があって良かったです。見学会では、子どもや若者など新しい世代に記憶の継承が行われている光景をあちらこちらで見ることができました。
下谷小学校はなくなっても、こうしてみんなの心に残り続けるのでしょう。
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