Amazon在庫切れ→他社が“相乗り出品”で高額転売 悪質業者と戦った老舗つまようじメーカーの「激闘の一部始終」(1/3 ページ)

大阪府の国産つまようじメーカー、菊水産業を取材しました。

» 2023年08月26日 10時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 Amazon.co.jpで販売している自社製品が在庫を切らしているところに、他の販売者が定価の3倍以上の値を付けて相乗り出品してきた――。大阪の老舗つまようじメーカー、菊水産業(@kikusui_sangyo)が悪質な転売の手口に悩まされた一件が、X(Twitter)で注目を集めています。編集部は同社を取材し、事の子細を聞きました。

菊水産業 転売商材として狙われた菊水産業のつまようじ

 転売被害に遭ったのは、菊水産業の「純国産しらかば楊枝 約300本入」。8月20日ごろに大量の注文を受けて欠品していたところ、Amazon.co.jpの販売ページに他の販売者が相乗り出品し、予約販売を開始していたといいます。

 定価を上回る値付けもさることながら、やっかいなのは、おそらく無在庫転売を図ったのであろう予約の受付。大元の在庫がないのですから、商品は期日通りに届かないでしょうし、その場合は理不尽なことに、クレームが菊水産業に行きかねません。

 菊水産業は当面の対策として、自社のECサイトで予約受付を開始するとともに、Xで注意喚起のポストを投稿。事態は1万6000リポストされるなど、広く注目を集めました。

 幸いなことに、拡散された結果知人から的確なアドバイスが寄せられ、不当な相乗り出品はすみやかに排除できたとのこと。「無在庫転売と直接戦った」という菊水産業に、その一部始終を聞きました。

―― 転売にはどのようなきっかけで気付いたのでしょうか

菊水産業 先日、お客様からうれしい問い合わせがあって、8月18日にXで紹介したところ、多くのかたに見ていただけて、これをきっかけに商品の注文が一気にたくさん入りました。普段からコンスタントに売れる商品なのですが、急激な売れ行きで外箱の在庫数が危うくなり、店舗とWebとで在庫数を調整しつつ対応していましたが、20日にとうとう全部売り切れました。

 ところが、本来Amazonで売り切れた場合は「現在在庫切れです」「この商品の再入荷予定は立っておりません」といった表示がされるのに、ふと見たら誰かが出品していました。始めは、写真などを勝手に保存して作ったページで転売されていると思い込んでいました。

菊水産業 本来Amazon.co.jpで売り切れが発生した際の表示

 その後調べてみると、くだんの業者は相乗り出品のシステムを使って菊水産業のページに出品していることが分かりました。今まで転売は散々されてきてはいたのですが、相乗り出品という形は初めてだったもので、全然分からず驚きました。このつまようじの定価は550円のところ、1800円の値付けがされていました。その段階では(相乗り出品しているのは)1社だったのですが、時間がたつにつれ増えていました。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2505/15/news022.jpg 「子供泣くぞこれ」 トーマスの塗り絵、描き始めて2秒で…… “予想を超えた変貌ぶり”に反響「夢に出てきそう……」「ヒィィ…!!」
  2. /nl/articles/2505/15/news034.jpg ショウガを土に埋めて水やりすると……「すごすぎる!!」 想像もつかなかった、とんでもない状態に37万再生
  3. /nl/articles/2505/16/news151.jpg 90キロ超女性、「仰天ダイエット」きっかけがなかやまきんに君だった! “45キロ減”の別人すぎる姿&本人降臨で大反響「ドギャーンと変わるのすげぇ」「めっちゃ美人」
  4. /nl/articles/2505/16/news116.jpg マクドナルド、ハッピーセット新おもちゃ発売日に“早朝から行列” 一部店舗で混雑・混乱も 「すぐ売り切れちゃいそう」と不安の声
  5. /nl/articles/2505/16/news144.jpg 生前動画に「前よりかなり痩せられて」……“SixTONESとも共演”人気医師、3月に死去していた 闘病中に明言「必ず復帰して診療続ける」
  6. /nl/articles/2505/13/news020.jpg 小5のときに描いた絵→4年後…… 「ねぇ何があったん?」「鳥肌立った」中3になって描いた絵が160万再生
  7. /nl/articles/2505/15/news025.jpg のどかな釣り場に現れた“妙に風格のある”おばあちゃん→釣り上げた“とんでもないヤツ”に仰天「本当におばあか?」
  8. /nl/articles/2505/15/news032.jpg ぬいぐるみと眠る子犬→4年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に驚き「キャー」「大きくなっても可愛い」
  9. /nl/articles/2505/11/news004.jpg 小学生女子3人のお泊まり会、母が用意したのは…… 圧巻の朝ご飯が「こんな友達のお母さん羨ましい」と326万再生
  10. /nl/articles/2505/16/news043.jpg 「こ、これは便利」 セリアで買った“万能すぎる皿”に反響続出 「一家に一皿欲しい」「発想すばらしい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 急性骨髄性白血病で闘病中だったVTuber、死去 「復帰を目指して闘病」 専門学校の講師としても活動
  2. 万博の“着物ショー”に天皇陛下だけ許される「装束」登場で物議…… 「深くお詫び」主催者謝罪
  3. 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」 投稿者に話を聞いた
  4. 大人なら解けないと恥ずかしい? 「(1/8)−(1/8)」を計算せよ!【算数クイズ】
  5. 「女の子みたいな顔だね」と言われ続けた男の子、20歳になったら→「神がかってる」姿に驚がく 「人体の不思議」「オーラが凄い」
  6. 使わなくなったカラーボックス→“ずぼらシンママ”が簡単DIYしたら…… 天才的な仕上がりに「かしこーい!!」「これ作ってみよう」
  7. クリスマスに出会ったギャルとギャル男が21年後…… 誰も予想できない現在に「素直に凄い」「人に歴史あり」と称賛の声
  8. カルディ全店で販売の生ハムから「サルモネラ属菌」検出…… 「心よりお詫び」7万個自主回収
  9. マクドナルド、次回ハッピーセットコラボに「待ってました!」 人気作の登場に混乱の懸念も「すぐ売り切れそう」「初週ヤバいぞ」
  10. お隣さんから丸見えの土地→巨大ウッドフェンスを7日かけてDIYしたら…… 雰囲気ガラリで「すごい大作ですね」「ワクワクした」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  2. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  3. 49歳病没の大宮エリーさん、生前開催の個展で「体調も万全でなかったので不安」 3カ月前には苦しげな姿も「声が出にくい」
  4. 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  5. 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  6. 100万円の“錦鯉”を自宅の池に入れたら…… 「おかしいでしょ」3日後、まさかの事態に「鯉は難しい…」「信用が大切ですね」
  7. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  8. 「成長したらそのうち襲ってくる」と言われたワニ、16年後……→ 280万回再生を突破した驚きの姿に「初めて見た」の声
  9. 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  10. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」