写真家・岩合光昭氏の新作写真集『ネコ日本晴れ』撮影のウラ話に驚嘆「よく餌付けしてるんじゃないかという声も聞きますが」 担当編集者にインタビュー(1/2 ページ)

岩合さんファン必見!

» 2023年09月21日 20時30分 公開
[あだちまる子ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 動物写真家・岩合光昭さんの写真集『ネコ日本晴れ』が9月12日に発売されました。価格は2420円(NFTデジタル特典付特装版は2750円)。大都市・大阪府の中心街から、瀬戸内海に浮かぶ香川県・女木島まで、さまざまな地域に根ざして生きる猫たちの姿をいきいきと写し出しています。今回、ねとらぼ生物部では同写真集の撮影ウラ話、岩合さんファン必見のエピソードなど、担当編集者・斎藤実さんにお話をたくさん伺いました。

ネコ日本晴れ 『ネコ日本晴れ』

 A4の大判サイズの『ネコ日本晴れ』は、まるで写真展。猫の毛の質感や、美しい土地の魅力が伝わる岩合ワールド全開の一冊です。カバーを飾る女木島の「シロ」は、なんと等身大を超えるサイズで掲載。計136点の写真の中には見開きにまたがるA3サイズが12点もあり、見応えたっぷりです。

 また同写真集は、猫専門誌『猫びより』の連載「岩合光昭の猫」の未掲載写真71点を加え、大胆に編集、再構成したもので、広島県竹原市の観光課長猫「漱石(そうせき)」や、神奈川県横須賀市にある観賞魚店の看板猫「ブータン」と「きんちゃん」など、NHK BS「岩合光昭の世界ネコ歩き」ファンにもおなじみの名物猫たちが続々登場しています。

 同時発売のNFTデジタル特典付特装版は豪華ダブル特典。スマホやタブレットで楽しめるデジタル・ミニ写真集『みんな、いい顔だね。』では、本編未収録、未発表の写真12点を掲載しています。『開運猫みゃあちゃん』デジタル・パネルスタンドは、和歌山県・熊野古道の名物猫「みゃあちゃん」をフィーチャー。足を痛めた観光客の膝に乗ると歩けるようになった……など、不思議エピソードに事欠かないみゃあちゃんとAR撮影ができます(FanTopアプリ限定)。

デジタル特典 2つのデジタル特典

 日本晴れの空と海がまぶしい女木島の猫たちを17ページにわたってフィーチャーした同写真集。担当編集者・斎藤実さんが語る女木島の猫たちの魅力、編集者だからこそ知る、世界中の野生動物と渡り合ってきた岩合さんの“猫とのコミュニケーション術”など、ここだけの話をたっぷりご紹介します。

―― 女木島の猫をフィーチャーした経緯を教えてください

斎藤:『ネコ日本晴れ』というタイトルは女木島取材から来ています。時期は2020年晩秋の数日です。岩合さんには全部で2万カット以上撮っていただきました。たくさんの写真に抜けるようにきれいな青空が写ってました。連日秋晴れのいいお天気だったようです。

 よく岩合さんの写真集の読者さんからは「猫を見て元気をもらった」という声をいただきます。「日本晴れの空」に猫というのは、まさにファンの皆さんが求めているものじゃないかなと思います。それに女木島は「岩合光昭の世界ネコ歩き」にも出ていません。熱心なファンにもきっと新鮮に映るでしょう。

女木島の猫 女木島の猫たち

 何よりいい写真、いい猫が多かったです。だから、写真集のカバーフォトと始まりは女木島になりました。この写真集は迫力たっぷりの大判。そして晴れの女木島はとても美しい。是非このサイズで細部まで堪能いただきたいと思います。

―― 女木島の猫の良さは何でしょう?

斎藤:女木島では岩合さんが取材に行く少し前に、一斉TNR(※)が行われました。猫たちは気が荒くてケンカが多く、島でも問題になっていたそうです。それがTNR後はすっかり温厚になって、猫同士のケンカも減り、島民の皆さんとの関係もぐっと改善したと聞きました。今は島民の皆さんが島の猫たちを見守り、お世話をしています。

※飼い主のいない猫を捕獲して(Trap)、不妊去勢手術を行い(Neuter)、元の場所に戻す(Return)こと。猫の望まぬ妊娠・出産を防ぐことで、野良猫の数や殺処分を減らせると考えられています

 そういう事情もあってか、猫と地域住民の皆さんの親密さが感じられる写真が多いです。人と写っているカットだけでなく、猫だけのカットにもあらわれています。みんなリラックスしていて自然な様子をしているんですね。他の取材地にも猫と人の親密な関係というのはあるんですけど、今回は女木島が一番のどかというか牧歌的に見えます(天気がいいのもあるかもしれませんが)。車も走っていませんしね。

 また岩合さんは写真家の中でも光と陰影に対する感性が繊細で、こだわりが強い方だと思います。だから、天気のいい女木島の取材はすごく楽しかったんじゃないでしょうか。女木島の光や影の表情も豊かです。朝の澄んだ空気、日の高いお昼ごろの明るさ、夕方の西日に照らされて影が濃くなる感じ、陽光を受けてきらめく海。そして刻々と変化する光と影に包まれてのびのびと生きる猫たち。とても美しいです。島の魅力ごと楽しめると思います。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/07/news024.jpg 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  2. /nl/articles/2412/07/news039.jpg コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  3. /nl/articles/2412/05/news178.jpg イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  4. /nl/articles/2412/07/news020.jpg “ひっつき虫”を簡単に取るには…… 身近なアイテムでスッキリするライフハックに「これでイライラしないで取れる」「今度、やってみます」
  5. /nl/articles/2412/07/news018.jpg 赤い毛糸3玉をどんどん編んでいくと……? 完成した“冬のオシャレアイテム”に「わかりやすくて感謝」「編んでみたい!」
  6. /nl/articles/2412/07/news031.jpg マッチョなザクが「ガンプラコンテスト」で大賞受賞 内部に秘密の仕掛けがぎっしり 「誰もが納得の大賞」「これぞオラザク」
  7. /nl/articles/2410/19/news010.jpg 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  8. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  9. /nl/articles/2412/06/news205.jpg 辻希美、長女・希空の幼少期ショット初公開 赤ちゃんの弟を抱っこする、幼いにっこり笑顔がかわいい
  10. /nl/articles/2412/07/news004.jpg 「成長してる!」 小6→中2までドット絵を描き続けたら……? 3年間の変化に「かわいらしい」「うますぎ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」