カラスに囲まれ、すでに冷たくなっていた母猫と子猫 残された保護子猫たちの成長、空にいる母猫へのメッセージに涙が止まらない
お母さん、こんなに元気に育ったよ。
生まれてすぐに母猫ときょうだいをなくした2匹の子猫。保護されたあとの2カ月間の成長記録がYouTubeチャンネル「水中散歩」に投稿されました。動画は、記事執筆時点で41万回以上再生され、「めちゃくちゃ愛を感じました」「なんて優しい話」と反響を集めています。
8月20日、水中ビデオを撮るのが趣味の投稿者さんは、以前にも訪れたことのある川へ向かいました。どんな水中が撮れるかとウキウキしながら階段を降りていくと、3羽のカラスが階段下を囲むように集まっているのが目に止まり、異変を感じます。
何かあるのかな? と思いのぞいてみると、そこには三毛猫がこちらに背を向けた状態で寝転がっていました。その猫はすでに息を引き取っており、子猫が3匹いましたが、最後に生まれていたであろう1匹は、まだ母猫とへその緒がつながったまま冷たくなっていたといいます。
そばにいた子猫2匹は何とか生きており、投稿者さんは息を引き取った母猫のためにもこの子たちの母親になることを決意。保護された2匹もまだへその緒がついたままで、おそらく生後1〜2日ほどでした。こんなにも小さな子猫のお世話をするのは初めてだった投稿者さんですが、すぐに動物病院へ連れて行き、それからミルクや哺乳瓶などを購入。お世話をするための環境を整えていきます。そして茶白柄の男の子は「茶助」くん、白キジの女の子は「メイ」ちゃんと名付けられました。
獣医師から「1〜2時間の間隔でミルクと排便のお世話をすること。これができるかどうかに子猫たちの命はかかっています」と言われていた投稿者さんは、昼夜問わず1時間おきにアラームをセット。最初のころはエナジードリンクを飲んで乗り切っていたそうですが、たとえ睡眠不足だったとしても、必死に哺乳瓶に吸い付いていく子猫たちを見ると、自然と頑張れたそうです。そんな投稿者さんの懸命なお世話のかいがあって、2匹は1週間でどんどん体重が増えていきました。
そのうち目が開くようになった子猫たちは、いつのまにかそれぞれの個性が出てきます。2匹とも後ろ足の毛が薄く、皮膚の病気かもしれないということで寝る場所を分けていたそうですが、メイちゃんは寝床からはみ出て顔面から寝落ち、謎スペースでご就寝。また寝床前で電池切れなど、ちょっぴり変わった寝相をするようになりました。自由奔放な性格が開花したようです。
一方、茶助くんは自分の寝床でスヤスヤ。ミルクを飲んだあとは少し探検しますが、すぐに寝床へ戻ります。しかしそんな茶助くんにも変わったクセが。ミルクを飲むときには尻尾がピーンと上がり、おなかがいっぱいになっていくと同時にしっぽが脱力していくのです。2匹のユニークな特徴がかわいくて、見ていると自然に頬がゆるみます。
2匹の個性は、トイレの練習でも見られます。茶助くんはトイレを覚えるのが早く、一度覚えてしまえば失敗はしませんでした。一方、メイちゃんはおねしょをしてしまい投稿者さんの布団を濡らすこともありましたが、自由で物おじしない性格からか、離乳食にはすぐに慣れてくれたそうです。
さらに自由奔放なメイちゃんと、慎重派な茶助くんには、性格だけでなく体にも異なるチャームポイントがありました。それは、しっぽの長さ! メイちゃんに比べて短い尻尾を持つ茶助くんに癒やされ、投稿者さんはついお尻をポンポンさわってしまうそうです。
生後1カ月を迎える少し前。この時点ではまだおもちゃに反応しなかった2匹ですが、しばらくするとじゃれ合いがパワフルになります。投稿者さんが購入した音が出るブタのおもちゃにも興味津々で、2匹のおめめはまん丸。白い猫じゃらしで遊ぶときには、同じく白色の茶助くんの前足にメイちゃんがちょっかいをかけます。似てる色だから間違えちゃったのかな?
元気いっぱいに成長した2匹は、もうすぐワクチン接種の時期を迎えます。「あの日、もう1日ここに早く来ていれば今とは違う結果になっていたかもしれない……」そんな思いを抱きながらも、2匹のことを大きな愛情で包み込み、懸命に育てた投稿者さんは、茶助くんとメイちゃんに出会ったあの川へ行き、母猫に2匹の成長を報告しにいきました。
「三毛猫のお母さんへ。あなたの大事な子ども達を育てるのが、育児未経験の私ですみません。私なりに頑張ったつもりですが、数えきれないくらい失敗もしました」「それでも何とか成長してますので、どうかお許しを。それと似合っていないかもしれませんが、茶助、メイと名付けました」「こんなに小さかった子猫たちが、今はこんなに大きくなりました。最後に大事なことをお伝えしておきますね。家族になりましたよ」――。
きっとお空にいる母猫ときょうだいも「ありがとう」と言ってくれていることでしょう。茶助くんとメイちゃんが元気に育った姿と、母猫へのメッセージに心が揺さぶられる動画でした。
コメント欄には「愛情たっぷりにお世話してくださったのが2人を見てすごーく分かります」「三毛猫さんが命がけで産み落とした子猫がこんなに大きくなったのはひとえに主様の愛情と努力のたまものですね」「1日早ければ… とは仰いますが、野良のお母さんですから、親子ごと保護というのも難しかったでしょうし、むしろ茶助君とメイちゃんだけでも助けてあげられたのはぎょうこうではなかったでしょうか。ご自身の行動、ここまで2匹の子猫を育てたこと、誇ってもいいかと思います」「思わず泣いてしまいました」「感動しました。最後のお母さんへの報告は泣きながら見ました」といった感動と感謝の声がたくさん届いています。
投稿者さんのYouTubeチャンネル「水中散歩」と、X(Twitter/@xoysRQryNb1XffA)には、茶助くんとメイちゃんの成長記録や、水中で撮影した美しい映像が公開中です。
画像提供:YouTubeチャンネル「水中散歩」
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