ニュース
» 2023年11月16日 20時30分 公開

「池の水全部抜いて、出てきたアメリカザリガニ全部食う」 絶滅危惧種も発見! 野食ハンターの外来種駆除に「ガチで偉いし尊敬してる」(1/3 ページ)

捕獲したアメリカザリガニの気になる食べ方や味も紹介。

[宮原れいねとらぼ]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 池の水を全部抜いて、出てきた外来種「アメリカザリガニ」を全部食べる動画がYouTubeで公開され、記事執筆時点で49万再生を突破しています。なぜ池の水を抜くのか、またその効果、そして最後は主に北欧で行われる“ザリガニパーティ”を再現するなど、興味深い内容となっています。

池の水ぜんぶ抜いて出たザリガニぜんぶ抜いてぜんぶ食う

「池の水を全部抜く」理由とその効果

 投稿されたのは、“野食ハンター”の茸本朗(たけもとあきら)さんのYouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch」。この日やってきたのは、鳥取県の山の中にある「ため池」です。

今回水を抜く池 今回水を全部抜く池がこちら

 ガイドであり実際に水を抜くのは、同県八頭町の「地域おこし協力隊」に所属する小宮さん。主に湿地環境の再生・生態系保全に取り組んでおり、ため池の水を抜くのもその一環です。

 米の収穫を終えた時期に、ため池の水を抜いて天日に干す「かいぼり」と呼ばれる伝統的な管理方法があります。小宮さんによると「池には山からどんどん砂や泥がたまってくるので、水を全部抜いて底にたまっている泥を外に出す作業をやらないと、池がどんどんなくなっていってしまう」そうで、実はこの池はすでに2/3ぐらい埋まってしまっているとのこと。

 毎年池を干すのは、農業に使う際の「池の貯水量を維持する」ため。それに加えて、ここは外来種であるアメリカザリガニの数が非常に多く、この池を起点に周りに存在するような状況になっており、本来の生態系を取り戻すために水を抜いた際に駆除しているのだとか。ちなみに作業には鳥取環境大学の学生たちも参加します(アメリカザリガニは、近年は水辺の生態系に対して非常に大きな影響を与えていることが明らかになっており、2023年6月1日に条件付特定外来生物に指定されました 参照:環境省)。

鳥取県八頭町で環境保全活動に取り組んでいる小宮さん 現在は主に鳥取県八頭町で環境保全活動に取り組んでいる小宮さん
鳥取環境大学の学生たちも参加 鳥取環境大学の学生たちも参加

池の水を抜いていくと……大量のアメリカザリガニを発見!

 動画では、ため池の水を抜く作業も紹介。池の底までつながっているパイプがあり、その穴に刺さっている木の杭を抜いていくことで水を落としています。今回の池はかなり小さいため、数時間ほどで全部抜け切るとのこと。

 水を抜く作業途中で、掛けた罠を上げ、水が引いてきたら泥につかりながら生き物を観察・捕獲していきます。すると、かなり大きいサイズのアメリカザリガニが大量に見つかりました!

ある程度水が抜けた池に入って生き物を観察・捕獲する様子 ある程度水が抜けた池に入って生き物を観察・捕獲する様子
かなりデカいアメリカザリガニを発見 かなりデカいアメリカザリガニを発見
ほかの生き物たちも ほかの生き物たちも
今回捕獲できたアメリカザリガニがこちら 今回捕獲できたアメリカザリガニがこちら

貴重な在来種、絶滅危惧II類の生き物の生息を確認

 同時に、残っている在来種たち、魚ではタカハヤやドジョウ、水生昆虫ではハイイロゲンゴロウ、ギンヤンマと思われるヤゴ、同県内でも絶滅危惧II類に入っているクロゲンゴロウなどが生息していることも確認できました。

 外来種自体は“悪”ではありませんが、アメリカザリガニの数を抑えることで、在来種が少しずつ戻って来ているようです。小宮さんは「こうやって捕食者層が少なくなれば、(戻ってきた在来種たちの)繁殖できる確率も上がってくる」として、今後の課題についても語っています。

 ちなみに水を抜いたあとの池は、底に日光を当てて酸素をまわし、しばらくしたら水を入れて来年度の農作業にそなえるそうです。

在来種が徐々に戻ってきていることも確認できました 在来種が徐々に戻ってきていることも確認できました
レアな在来種も レアな在来種も

アメリカザリガニをおいしく食べる方法とは

 そして捕獲したアメリカザリガニは、小宮さんたちの要望もあり、茸本さんがたくさん持ち帰って食べることに(※死んでしまって食べられないザリガニは冷凍して釣り餌にしています)。

 ザリガニは世界では食用品として認識されており、茸本さんは今回“スウェーデン流”に挑戦。下処理で背ワタを抜き、魚介類の臭みを消すハーブのディル、あとは塩と一緒に茹でるだけのシンプルな料理です。今回はザリガニを食べながらお酒を飲むスウェーデンの伝統文化「ザリガニパーティ」を再現。食べた感想は、カニミソのような濃厚なミソと、食感がエビで味がカニのしっかりとした身があり、「うますぎる」とのこと。

まずは下処理として背ワタを抜いています まずは下処理として背ワタを抜いています
寄生虫がこわいので、茹ですぎは避けつつ、ある程度しっかり火を通して 寄生虫がこわいので、茹ですぎは避けつつ、ある程度しっかり火を通していきます
真っ赤っ赤な見た目に 真っ赤っ赤な見た目に
きれいに盛り付けた“ザリガニタワー”。迫力がすごい! きれいに盛り付けた“ザリガニタワー”。迫力がすごい!
食べ方も解説しています 食べ方も解説しています
思ったより身(可食部)が大きくておいしそうです……! 思ったより身(可食部)が大きくておいしそうです……!
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/1605/20/news111.jpg 絶対にプラスチックのカップで「焼きプリン」を作るという執念 森永「焼きプリン」の製法特許がすごいと話題
  2. /nl/articles/2312/09/news033.jpg 13年外につながれボロボロのおばあちゃんワンコを保護 人間を信じ始める姿に涙「今まで苦労した分以上の幸せな余生を送れますように」
  3. /nl/articles/2312/10/news011.jpg 犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
  4. /nl/articles/2312/10/news019.jpg 入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
  5. /nl/articles/2312/10/news018.jpg 同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
  6. /nl/articles/2312/10/news061.jpg 遠藤憲一、保護犬を家族に迎える 「保護時には栄養失調と足に怪我を」悲しい過去も、ウキウキお散歩ショットにほっこり
  7. /nl/articles/2312/08/news013.jpg 愛猫が息を引き取る直前「ありがとう、楽しかったよ」と声を掛けたら…… 家族みんなが久々に集った夜の奇跡に涙
  8. /nl/articles/2312/09/news081.jpg 短編ホラーゲーム「8番出口」で“開発者も知らない異変”が発生し笑いと恐怖 「マジでホラー」「本物の『怪異』だ」
  9. /nl/articles/2312/10/news033.jpg 捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
  10. /nl/articles/2312/08/news180.jpg ミス東大の水着グラビアデビューに「東大まで行って」と失望の声 本人&現役グラドルも加わるネット論争に
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」