修学旅行の帰り道、指切りした2人の約束の行方は “田舎の高校”の青春を描いたマンガ『深夜高速にふたり』に約9.5万いいね集まる(1/2 ページ)

『はたらく細胞LADY』作画・乙川灯さんによる作品。

» 2023年12月08日 11時30分 公開
[ねとらぼ]

 マンガ『深夜高速にふたり』が「夜行バスの空気感がすごくいい」「絵も話もすごく好き」とX(旧Twitter)で話題になり、約9.5万いいねを獲得しています。

 『深夜高速にふたり』は、『はたらく細胞LADY』で作画を担当したマンガ家・乙川灯さん(@otokawa_03)が、2022年11月に開催されたコミティア142で発表した作品。

 修学旅行の帰り道、手配ミスで乗ることになった夜行バス。自分だけ寝付けずにいる車内は、まるで自分しか存在しない夢の世界のよう……。そんなことを思いながら窓の外の流れる景色を見ているとき、女子高生・高橋瑛子は前の席に座っている男子生徒・三村と目が合います。彼もまた眠れずにいたのでした。

 瑛子はいつも教室の隅にいるようなタイプで、三村はクラス内で目立つ生徒会役員。対照的な性格の2人は今まで話したことがなかったのですが、「俺だけが一人かと思ってたからちょっと安心した」「私も……」とこっそり会話することに。

 2人には、ちょっと変わった音楽や風景写真といった“田舎の高校”では周囲から浮いてしまう趣味が。“どこか遠くの知らない街”の夜景を見ながら「あの光の一つになれたらいいのに なんて」「じゃあ一緒に行く?」と約束の指切りをします。

 しかし、朝がやってきていつもの学校に到着すると、バスの中での会話はまるで夢の中の出来事だったかのように、2人の距離は遠くなってしまい―――。

 「上質な短編映画を鑑賞したような満足感」「物語の展開とか描写とかひとつひとつが刺さる」と好評の声を集める本作について、作者・乙川さんにお話を伺いました。

――― 本作の制作のきっかけになったヒント、アイデアなどはありますか?

 大学生のころ、サークルの合宿で夜行バスを利用したことがあったんですが、みんなが寝静まった後の車内の静けさに不思議な孤独を感じたことがありました。近くに人はいるのに、自分だけが暗闇の中にポツンといるような感覚です。

 窓の外に見える遠くの都市の明かりや、等間隔に流れていく道路の照明なども印象的で、このイメージを漫画で表現できたらいいなとずっと思っていました。そしてその際は、同じ孤独を二人で分かち合うお話にしたいと思いました。

――― 本作の制作で特に力を入れたところ、苦労したところはありますか?

 作画にかけられる時間がとにかく少なかったので、急いで仕上げるためにキャラクターの固有トーンをあまり作らず画面上の明暗でベタなどを入れていたのですが、結果的に車内の雰囲気や光の表現が物語にマッチしたような気がします。

――― この作品への思い入れや、ご自身の中で気に入っているポイントは?

 夜行バスのシーンに言及してくださる方がやっぱり多いのですが、個人的には地方に住む若者たちをテーマに物語を作れたことがうれしいです。主人公の瑛子が畑のネギを収穫してるコマが一番気に入ってます。

――― 読者へのメッセージをお願いします

 このマンガは完全に趣味で描いたものなのですが、それをたくさんの人に受け入れてもらえたのが本当にうれしいです。漫画を描いて発表することの楽しさを改めて感じることができました。これを励みにこれからも頑張りたいと思います。

――― 今回の作品制作の他には、どんな活動をしていますか?

 普段は商業誌で漫画を描いています。昨年(2022年)まで『月刊モーニングtwo』にて、『はたらく細胞LADY』という作品の作画担当をしておりました。現在はもろもろ準備中なので、Xアカウント(@otokawa_03)にて随時活動をチェックしていただけるとうれしいです。

制作協力:乙川灯さん(@otokawa_03

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた