世間の普通がハリウッドでは“ぽっちゃり”に 「アグリー・ベティ」主演が「クレイジー」と訴えた違和感に共感続々(1/2 ページ)
いまあらためて見てみると。
2006年から2010年まで放送されたドラマシリーズ「アグリー・ベティ」。ファッション業界に“アグリー(醜い)”な容姿のまま飛び込み、輝こうとする女性ベティ・スアレス役の成長と、ベティに感化され価値観を変えていく周囲を描いて大ヒットした物語でした。
しかしベティ演じブレイクした米俳優アメリカ・フェレーラは最新インタビューで、あらためて今抱いている違和感を告白。ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞、プライムタイム・エミー賞で主演女優賞に輝いた同作をはじめ、過去の作品を振り返り、自身がぼっちゃり体形として扱われていたことへ言及しています。
“ぼっちゃりキャラ”でブレイクしたキャリア初期
17歳のときに出演した出世作「旅するジーンズと16歳の夏」(2005年)でぽっちゃりした体形の女の子カーメンを演じ強い印象を与えたアメリカ。さらに2002年の映画「Real Women Have Curves(原題)」でも同じくぽっちゃりがキーになる役柄で、体形を母親から指摘され続ける進路に悩む18歳の女性アナを好演。同作は2019年「文化的、歴史的、審美的に重要」としてアメリカ国立フィルム登録簿への登録が決定する高い評価を受けています。
そしてコロンビアのテレノベラ「ベティ〜愛と裏切りの秘書室」をリメイクした「アグリー・ベティ」は批評家や視聴者からの圧倒的な支持を受け大ヒット。賢く優しい主人公ベティは、出版社へ就職したものの激しい容姿差別に合い、あからさまな嫌がらせやさげすみに身をさらされながらも身一つで未来を切り抜いていこうとします。
ベティはぼさぼさの髪に眼鏡と歯科矯正装置が目立ち、背が低く、独特のファッションに身を包み、そしてやはり“ぽっちゃり”体形な女の子として周囲から認識されていました。この手のシンデレラストーリーの主人公として当時画期的であり、また評価につながっていたのは、作中最後までベティが自身を変えないこと。ダイエットして痩せるわけでも、髪形やメイクを変えて大変身するわけでもなく、最後まで自分の好きな格好をしたままで、周囲だけが彼女の評価を変えていきました。
世間の平均サイズも、ハリウッドではぽっちゃりに
11月30日に公開された米版ELLE誌とのインタビューでアメリカは、「とても正気だとは思えないのは、過去を振り返ってみると、私はすごく平均的な体形だったということ」と過去作品に自身が“ぽっちゃり”体形として出演し注目されていたことにあらためて言及。「だから、人々が私を見て、“カーヴィーだ”と考えたのはクレイジー。私は気にしないけど、私たちがそれを画期的だと思ったというのは正気の沙汰じゃない」と現在では考えられない感覚によるものだったといいます。
そして「ばかばかしいけど、私はハリウッド版の不完全だった」とハリウッドにいる女性としては平均的でなかっただけで、世間一般では平均的なサイズだったとアメリカ。「私だけじゃない。ただ肉体を持っているからって勇敢だって呼ばれた女性たちはたくさんいる」とシニカルなコメントを付け加え、自身が“ぽっちゃり”体形として扱われたことはおかしなことだったと強調しました。
さらにホンジュラス移民の両親を持つアメリカはこのインタビューで、「私のキャリア、女性のキャリア、有色人種たちのキャリアについて私が願い続けていることは、私たちがこのような箱やレーンの中に存在する必要がないこと、文化が私たちに表現してほしいとするものだけを表現するように追いやられなくてもよいこと」と述べています。
ファン「あなたが切り開いてきた道にインスパイアされています」
このインタビューについて「そう! 本物の女性は曲線がある(Real Women Have Curves)んだよね!」「子ども時代にあなたがすでにスクリーンにいたことはラッキーだった」「あなたやあなたの作品、あなたが切り開いてきた道にインスパイアされています。いつもありがとう」と彼女から多くの影響を受けてきたというコメントが続々。
いまだ根強い人気を誇る「アグリー・ベティ」のファンからも好意的に受け取られ「ベティが聞いたら叫ぶだろうね」「『モード』のライバル誌で表紙を飾ったの? ダニエル(※作中に登場するベティの上司)に言おうっと!」といったコメントも多く寄せられています。
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