【獣医師解説】犬にも“花粉症”がある? 犬飼いならば知っておきたいツライ症状や対策、予防方法について解説(2/2 ページ)

» 2024年03月07日 12時00分 公開
[ペトコト編集部ねとらぼ]
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犬の花粉症の治療

 花粉が原因であれば、症状を和らげる対症療法がとられることが多いです。症状がひどい場合、ステロイドや痒み止めなどでかゆみや炎症を抑えることもあります。

 また、比較的軽症の場合は、人の花粉症と同様に抗ヒスタミン剤(※)を投与することもあります。しかし、基本的に発症してしまったアレルギーを完治させることはできません。

※ヒスタミンの作用を抑制する薬品のこと。

犬の花粉症の対策・予防

 愛犬が花粉症と判断された場合でもされていない場合でも、以下の6つの対策をとることで、症状の悪化もしくは予防することができます。市販で犬用の花粉防止スプレーが販売されておりますが、そういったグッズを使いながら対策をとっていきましょう。

  • 花粉の多い時間帯でのお散歩を避ける
  • 花粉症の犬には洋服を着せ、家に入る時に花粉をはらう
  • 草むらに入らせない
  • 外からの帰宅時にはブラッシングをする
  • シャンプーの回数を増やす
  • 空気清浄機の設置

花粉が多い時間帯でのお散歩を避ける

 花粉症の対策は人と一緒で、「花粉に接触しない・持ち込まない」ということが大前提です。花粉が多く飛んでいる時間帯は避けたほうが無難でしょう。

 花粉の飛散量や多い時間帯は地域や気象によって異なります。今ではインターネット(花粉Chなど)で簡単に飛散量を調べることができますので、事前に調べ、花粉の飛散量が多い時間帯を避けて愛犬とのお散歩を楽しみましょう。

花粉症の犬には洋服を着せる

 人の場合は花粉症対策でマスクをすることが多いですが、犬の場合は洋服を着せて対策してください。

 洋服は、犬の毛に花粉がつくことを防ぎ、さらに帰宅時に洋服を脱がせるだけで、家に花粉を持ち込むことを防止できます。しかし、いくら花粉対策になるからといって愛犬が洋服を嫌がる場合は、無理に着せないようにしてください。

草むらに入らせない

 犬の花粉症の原因の1つであるブタクサは草むらに生えています。できる限り、草むらに入らせないようにすることが無難です。

外からの帰宅時にはブラッシングをする

 帰宅したら、愛犬についた花粉を早めに取り除いてあげましょう。ブラッシングすることで花粉を落とすことができますが、必ず乾いた状態ではなく少しぬらした状態でブラッシングをしてあげてください。乾いた状態でブラッシングを行うとそのまま花粉が部屋に飛散してしまう可能性があります。

 ブラッシングを嫌がる犬の場合は、ぬれたふきんで優しく拭くだけでも効果がありますので、その子に合った方法で花粉を取り除いてあげましょう。

シャンプーの回数を増やす

 シャンプーのしすぎは皮膚を乾燥させてしまうため、週に2回以上のシャンプーはしないでください(シャンプー素材にもよります)。花粉対策のためのシャンプーが原因で皮膚の炎症を起こすことがないよう、肌に優しい成分のシャンプーを使い、肌の保湿もしてあげることが理想です。

空気清浄機の設置

 一度家に入ってきた花粉は取り除かない限り、ずっと家に残ってしまいます。犬が日常的に生活しているリビングや寝室、もしくは花粉の入り口になりそうな玄関などには空気清浄機を置いてあげることで、ある程度の予防が期待できるでしょう。

花粉症の犬に果物や野菜は注意?

 花粉症の人は、花粉症の原因と同じ科の植物にアレルギー反応を起こす「交差反応」により、果物や野菜に対してアレルギー反応を起こしやすくなっています。

 犬も同様で、実際、スギ花粉症の犬はトマトを摂取した後に口腔アレルギー症候群を示したという報告もあります。

そのため、愛犬が花粉症の場合は、果物や野菜は与えないほうが賢明かもしれません。どうしてもという場合は、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。

犬の花粉症でいつもと違うと感じたら動物病院へ

 花粉症は、人にとっても、犬にとっても大変なアレルギー症状が出ますが、愛犬が症状に苦しんでいるのであれば、早めに動物病院に連れて行ってあげてください。

 花粉症ではない場合もありますが、いずれにせよ皮膚に炎症を起こしている可能性が高いです。早期発見・早期治療のために定期的な健康診断をおすすめします。

参考文献

【動画解説】犬の花粉症の原因と対策

 YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは佐藤先生が犬の花粉症の原因について解説した動画を公開しています。あわせてご覧ください。

獣医師解説!犬も花粉症になるの?【犬がくしゃみ】をする原因や対策

著者:ペトコト編集部

ペトコト編集部

獣医師やトリマーをはじめ、100人以上の専門家が執筆・監修し、病気・しつけなどの専門知識から、ドッグカフェ・宿などのレジャーまで、信頼できる最新情報を幅広くお伝えします。ペットフードについてはこちら


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