【ドッグトレーナー解説】犬が“後ろ足で蹴る”行動、問題ないことが多いけれど例外も……? 病気の可能性や注意点

犬が後ろ足で蹴る意味や注意点について、ドッグトレーナーが解説します。

» 2024年03月08日 12時00分 公開
[ペトコト編集部ねとらぼ]

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 今回はそんなペトコトメディアから「犬が後ろ足で蹴る意味や注意点」についてご紹介します。

著者:ペトコト編集部

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 排泄後や、散歩中などに犬が後ろ足で蹴る行動を見たことはありますか? 地面を激しく蹴りあげる他にも、寝ている時に足をバタバタさせるなど、足を動かすシーンはさまざまです。基本的に犬が後ろ足で蹴るのは決して問題のある行動ではありません。今回は犬が後ろ足で蹴る意味について解説します。

犬が後ろ足で蹴る行動の意味

マーキング(縄張りの主張)

 犬が排泄したあとに、自分の排泄物に向けて後ろ足で蹴る様子は、排泄物を隠したり、匂いを消したりしようとしているように見えますが、実は逆の意味であり、この行動は犬にとってマーキングの一種です。

 排泄物に向かっていきおいよく土を蹴り上げることによって匂いを広げようとしているのです。

 また、犬は肉球から分泌物を出すため、後ろ足で蹴り上げることで自分の匂いを地面こすりつけながら広げることができます。この行動は特に去勢前のオスに多く、犬にとって縄張りの主張を意味するのです。

ドッグトレーナー直伝!【犬がマーキング】をする理由や室内・散歩時のしつけ方

愛情表現や遊びの一種

 犬が寝ているときや、室内でくつろいでいるときに後ろ足で蹴ってくることは愛情表現を意味する場合が多いです。

 飼い主に対して蹴ってくるような行動も「遊びたい」「構ってほしい」という気持ちを伝えようとしているのです。

怯えや威嚇

 他の犬や見慣れない人に対して犬が吠えながら後ろ足で蹴る行動をとるときは「怯え」や「威嚇」を意味することがあります。

 この場合は、マーキングの時の姿とは少し違い、表情や姿勢も引いているようなところがあります。

 犬がこういった行動をとったときは、まず気分を落ち着かせて興奮を抑えてあげる必要があります。飼い主が優しくなだめることで、安心させてあげましょう。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

 犬が後ろ足で蹴る行動に違和感がある場合、考えられる原因の一つとして膝蓋骨脱臼の可能性が考えられます。

 膝蓋骨脱臼は膝の骨がずれる疾患で「ポメラニアン」「ボストンテリア」「プードル」「ヨークシャーテリア」などの小型犬に多く見られます。

 先天性・外傷性の両方がありますが、一般的には先天的なものが多いとされています。

【獣医師解説】歩き方がおかしい?犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)の原因と治療法(グレード別)

参照:犬の膝蓋骨内方脱臼の病態生理と診断(福井 翔)

その他の病気

 その他、後ろ足が痙攣しているように動く場合はてんかんや中毒、腎機能不全などが疑われます。

 犬が後ろ足で蹴り上げる動作に違和感があるときは、早めにかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。

犬が後ろ足で蹴るときの注意点

周囲に配慮を

 お散歩中に草や土を飛ばしすぎて周囲に迷惑をかけるような時は飼い主がストップをかけてあげる必要があります。

 排泄後の行動であれば早めに排泄物を片付けたり、場所を移動してあげたりしましょう。

ケガを負う可能性

 何度も同じ場所を蹴っていると犬の肉球や爪が傷つく可能性があります。硬い地面や真夏の暑いアスファルトなどにもご注意を。

 特に肉球や爪が柔らかい子犬や乾燥しやすい老犬はケガをしやすいため、頻繁に見かけるようであれば、違うことに興味を持つよう遊んであげる・声をかけるなどで対策しましょう。

犬が後ろ足で地面を蹴る場合は理由を考えよう

  • 本能行動の一種である場合が多いです
  • 後ろ足で蹴るタイミングによって意味はさまざま
  • マナーや安全に配慮しましょう
  • 病気の可能性が考えられるときは病院へ

 犬が後ろ足で地面を蹴ることは犬にとって本能による行動であるため、止める必要はありません。

 犬の本能を尊重しつつ、マナーや安全に配慮してあげることが大切です。

著者:ペトコト編集部

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