怖がりで、かみつくワンコを子どもたちと一緒に育てたら…… 愛情を注ぎ“兄弟のひとり”となった愛犬の笑顔にグッとくる(1/3 ページ)
「ペットロスとの寄り添い方」第27回はポメプー「ルル」ちゃんです。
多くの飼い主が一緒に暮らす動物を“大切な家族の一員”として捉え、人生をともに歩んでいます。動物と暮らした時間は長くとも短くとも、深い愛情を持って接した分、飼い主にとって人生のかけがえのない一部となり、別れは深い悲しみとなって心身に押し寄せます。
ペットロスとは
愛する動物との死別による喪失感や混乱、後悔など、抱えきれないほどの悲しみによって心身が不安定になる状態を指す「ペットロス」「ペットロス症候群」。2023年、犬・猫を失った経験を持ち、現在はペットと一緒に暮らしていない1000人を対象に実施された「ペットロスに関する調査(アイペット損害保険)」では、ペットを失った人の約6割がペットロスを経験していると発表されています。
飼い主にとって非常につらい経験となり、カウンセリングを要するケースもあることから、「ペットロス」「ペットロス症候群」は今、メンタルヘルス上の大きな課題として多くの人が向き合っています。動物とのこれまでの日々を忘れたり、死を乗り越えたりすることはできないかもしれませんが、時間の経過とともに受け入れ、いつかふと思い出したときにあたたかい涙がこぼれるような“寄り添い方”はあるはずです。
そこでねとらぼ生物部では「ペットロスとの寄り添い方」をテーマに、読者にアンケートを実施。寄せられたさまざまなエピソードから、愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事をご紹介していきます。現在動物と暮らしている人や、悲しみの渦中にいる人に寄り添うヒントとなれば幸いです。
第27回 飼い主・カアチャンマンさん/ポメプー「ルル」ちゃん
―― ルルちゃんのプロフィールと出会い、思い出や印象的なエピソードを教えてください
カアチャンマンさん:ルルとはペットショップで出会いました。怖がりで、かみつくワンコでしたが、諦めず家族で愛情を注ぎました。3人の子どもと一緒に育てました。旅行やキャンプにたくさん行きました。楽しい楽しい17年でした。
ルルも、自分も兄弟のひとりと思っていたみたい? お兄ちゃんとお姉ちゃんたちと散歩して、帰ってきたときの笑顔が忘れられません。
―― ルルちゃんと別れてからの心境や、救われた出来事などがあれば教えてください
カアチャンマンさん:17歳で虹の橋を渡りました。なぜ私はママなのに、お別れのときにそばにいられなかったのか。私としたことが! と思いました。でも、5人家族がみな在宅の早朝に、パパと娘と一緒に寝ながら、静かにねんねしながら天国にいきました。
しばらくは他のワンコを見るのもつらく、ペットフード売り場なども足を踏み入れることができませんでした。似ているワンコを見ると涙が溢れ、ルルの写真や動画を見ては泣いてばかりでした。お散歩した場所や、よく旅行に行った信州には、行く気持ちになれませんでした。
お別れから1年くらいたったころ、近所の方にルルのことを聞かれ、旅立ったことを伝えたときに、「ルルはいつも本当に幸せそうで、最期のころまで大切にされてたね」と言ってくださったことに救われました。またルルのおかげで、3人の子どもたちはみな心優しく成長しました。本当にルルの存在に感謝の気持ちがわきました。
―― 現在の心境を教えてください
カアチャンマンさん:少しずつ、ルルのことを涙なく話すことができるようになりました。ルルと一緒に行った思い出いっぱいの信州に、来年こそは行ってみようと思います。
―― ルルちゃんに伝えたいメッセージ
カアチャンマンさん:ママはルル大好きよ。家族みんなもね、君に会いたくてしばらく大変だったけど、頑張ってるよ。ルルちゃん、うちに来てくれてありがとうね。
(了)
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