“地球で221年ぶり”、13年ゼミと17年ゼミの同時発生で1兆匹のセミが…… 渡米記録に「大人の自由研究レベル100」「生で見たら発狂しそう」(1/2 ページ)

すごい(虫が苦手な人は閲覧注意です)。

» 2024年06月14日 19時30分 公開
[三日月影狼ねとらぼ]

 アメリカで大量発生している“素数ゼミ”を追う様子がYouTubeチャンネル「うごめ紀」に投稿されました。動画は85万回以上再生され、2.3万件を超える高評価を獲得しています。

アメリカで「素数ゼミ」の大爆音を聞いてきた

一大イベント「13年ゼミと17年ゼミの同時発生」の年がやってきた

 投稿主のうごめ紀さんは、昆虫や冬虫夏草(虫に寄生するキノコ)を中心にさまざまな生物を探し、写真や動画を撮影している生物系YouTuber(関連記事)。今回は「素数ゼミ」と呼ばれるセミにまつわる1803年(江戸時代)以来の大イベントのため、アメリカ合衆国のイリノイ州・シカゴにやってきました。

13年ゼミと17年ゼミ こちらが13年ゼミと17年ゼミ

“素数ゼミ”を知っていますか?

 素数ゼミはその名前の通り幼虫として地面の中にいる期間が素数であるセミの総称で、13年地面にいる4種のセミを「13年ゼミ」、17年地面にいる3種のセミを「17年ゼミ」と呼んでいるのだそうです(参考資料:珍獣図鑑(11):17年に一度の大発生! 周期ゼミの遺伝子に仕掛けられた“時計”を探せ)。

 2024年は、アメリカの広い範囲でこの「13年ゼミ」と「17年ゼミ」が221年ぶりに同時発生する年なのだといいます。1兆匹ものセミが発生するといわれているのだとか。

13年と17年ゼミ3種ずつ 「13年ゼミ」「17年ゼミ」というセミがいる訳ではありません

 うごめ紀さんは「それだけのセミが集まるとどれだけの爆音になるのか知りたい」「素数ゼミに寄生する菌を見たい」「素数ゼミが一斉に羽化するところを見たい」「素数ゼミを食べたい」という熱い思いから、勢いで渡米したのだそうです。すごい行動力だ……!!

素数ゼミを探せ!

 アメリカ全土でセミが大量発生していると思っていたうごめ紀さんですが、セミはいるところにはいるけれど、いないところには全くいない様子。セミを求めて公園を巡っていると、民家の庭にとんでもない量の13年ゼミを発見します。とんでもない量がいる割に静かですが、どうやら素数ゼミは晴れると一斉に鳴き出すようです。

これが見たかったんだよ とんでもない量の13年ゼミが
羽化不全 羽を上手く広げられなかった「羽化不全」のセミも大量に

 セミといえば独特かつ大きな鳴き声が有名ですが、実は鳴くのはオスだけで、オスはメスへの求愛行動のために鳴いているのだそうです。13年ゼミは地面の中で13年間エネルギーを蓄え、地上で過ごす数週間でそれを使い切り次の世代をつないでいくのだと思うと、生命の神秘を感じますね。

マジでアメリカまで 大漁です

素数ゼミをゾンビにしてしまう菌を発見

 うごめ紀さんによると、素数ゼミの中にはまれに性病にかかる個体がいるのだとか。腹部を見るとすぐにわかるということで、ひたすらセミの腹部をチェックし続けるうごめ紀さん。探し続けること2時間、1000匹ほどチェックしたところでようやく素数ゼミの性病とも呼ばれる「マッソスポラ菌」に感染したセミを発見します。

マッソスポラ菌 マッソスポラ菌に感染したセミを発見しました!

 セミの腹部を見ると、生殖器がなくなって代わりに菌が詰まっていました。マッソスポラ菌はセミに感染すると覚醒作用のあるカチノン系化合物を出させ、「菌をばらまくゾンビ」に仕立て上げるのだといいます。感染したセミは腹部がなくなっても死ぬことはなく、羽を震わせる求愛行動を頻繁に行って性別も関係なく交尾し、菌をばらまき続けるのだとか……!

221年に1度しかできない奇跡の料理

 うごめ紀さんによると、セミは昆虫食の中でもかなり人気のある食材とのこと。今年は221年に1回しかない13年ゼミと17年ゼミを同時に食べられる貴重すぎる機会ということで、セミを捕獲して食べることに。

 本当は羽化したてのソフトシェルが一番おいしいけれど、羽がぐちゃぐちゃで飛ぶこともできず、死を待つだけの個体を食べてみることにしたうごめ紀さん。試しに生で食べてみると、苦くてあまり美味しくはなかったようです。

背中が割れ 羽化したてのソフトシェルの状態が一番おいしいのだとか

 その後紆余曲折ありつつもセミを油と調味料で炒め、完成した「221年の奇跡炒め」に舌鼓を打つうごめ紀さん。

人生で1回しか味わえない料理 人生で1度しか味わえない料理です

 ガーリックコショウとガーリックパルメザン味の奇跡炒めは苦みが消え、ピーナッツのようないい香りがしてサクサク、おつまみのようでとっても美味しかったとのこと。文字通り素数ゼミを味わい、丸ごと食べつくしたうごめ紀さんなのでした。

歴史を感じる ビールに合いそう……!

「ワクワクする」「この現象に遭遇できない科学者もいるんだな」の声

 こちらの動画には「大人の自由研究レベル100みたいでワクワクする」「一生に一度もこの現象に遭遇できない科学者たちが沢山いるって考えるとすごいな」といった、たくさんのコメントが寄せられています。

 うごめ紀さんは世界中を飛び回り、撮影した昆虫や冬虫夏草などの動画や写真を同チャンネルX(旧Twitter)で公開しています。

タイの洞窟で昆虫を探してみた
ニュージーランドで「生きた化石」を捕獲!
山林を相続したら……?

画像提供:YouTubeチャンネル「うごめ紀

三日月 影狼

オススメ記事

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/25/news076.jpg 30年以上前の製品がかっこいい ソニーの小型ラジオのデザインが「すごい好き」「いまでも通用しそう」
  2. /nl/articles/2502/28/news013.jpg 高3女子「進学を機にイメチェンしたい」→美容師に依頼すると…… 仕上がりが「すげえええ」「鳥肌立ちました」と1000万再生
  3. /nl/articles/2503/01/news039.jpg 45万で家を買ったら中がまさかの…… “テーマーパーク”と化した物件に謎の金庫→こじ開けた結果に「こういうのワクワクします」
  4. /nl/articles/2503/02/news043.jpg 食べ終えた干し柿の種は捨てないで! 取り出して5年間育てると…… 信じられない現在に「スゴい!!」「感動しますね」
  5. /nl/articles/2503/01/news055.jpg 仕事を辞めて最初の依頼 手描きでドットを塗りつぶす作業に「完成絵見てビビりました」「これはカワイイ! 」 → 仕上がりに感動
  6. /nl/articles/2503/02/news022.jpg 白髪に“真っ青に染まるトリートメント”を塗って流してみたら…… 予想外の結果に「驚きました」「良い!」
  7. /nl/articles/2503/01/news004.jpg 「尊敬するばかりです」 1人暮らしの80代おばあちゃんが作る“常備菜”がすごい! 食卓がパッと華やかになり「挑戦してみたい」
  8. /nl/articles/2503/01/news038.jpg 「B級品、ダメだ」と言われたハリネズミ→愛情たっぷり姉弟がお迎えしたら…… 「泣けてくる」「むしろ極上品」驚きの姿が話題
  9. /nl/articles/2503/01/news044.jpg 【かぎ針編み】100均毛糸で作ったパーツを重ねていくと…… 贈り物にぴったりなアイテムが完成 「素敵」「頑張って作るぞ〜」
  10. /nl/articles/2503/02/news038.jpg これは思わず二度見 秋田で「シャケ弁」を購入 → “衝撃的な見た目”が2900万表示 「こういうのがいいんだよ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  2. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  3. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に
  4. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  5. 余った毛糸は捨てないで! 四角く編んでいくと……目からウロコのアイデアに「知れてよかった」「素晴らしい」
  6. コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
  7. ごはん炊き忘れた父「いいこと閃いた!」→完成した弁当に爆笑「アンタすげぇよ!」 息子「意味ねぇことすんなよ」
  8. 瀬戸内海で漁をしていたら突然異変が…… 揚がってきた“取ってはいけない生物”に衝撃 「初めて見ました」と70万再生
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 温かそうだけど…… 呉服屋さんが教える「マフラーの巻き方」になぜか既視感 「あの巻き方ってこうやってたの!?」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に