【クリストファー・コロンブス】無関係のMV炎上でなぜかSOUL'd OUTがトレンド入り 歌詞を解説したYouTubeコメントも話題に(1/3 ページ)

» 2024年06月14日 10時50分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 人気ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)」が6月13日、クリストファー・コロンブスの名を冠した楽曲のミュージックビデオを巡り炎上(関連記事)。それに関連して、歌詞に“クリストファー・コロンブス”が登場する楽曲「COZMIC TRAVEL」に注目が集まり、同曲を手掛けたヒップホップグループ「SOUL'd OUT」がX(Twitter)のトレンド上位にランクインする現象が発生しました。

今回話題になったSOUL'd OUTの「COZMIC TRAVEL」

 SOUL'd OUTは曲調やミュージックビデオのエキセントリックさで知られるグループで、2024年7月に解散10周年を迎えます。「COZMIC TRAVEL」は2007年11月にリリースされ、ミュージックビデオでは「クリストファー・コロンブス!」の歌詞と共に突如現れる宇宙服姿のコロンブスがインパクト抜群。当時は月周回衛星「かぐや」の公式サポートソングとしても話題になりました。

 今回の炎上で、「ミュージックビデオにおけるコロンブスといえば……」と、同曲を連想した人は多かったようで、Xでは「SOUL'd OUT」のグループ名が記事執筆時点でトレンド6位にまで上昇。さらに、歌詞にコロンブスが登場する理由の解説(後述)も拡散中です。

6月13日21時ごろのX上のトレンド
画像出典:Amazon.co.jp

「コロンブス」をモチーフに炎上

 コロンブスは長らく大航海時代を代表する探検家として知られていましたが、近年では先住民に対する侵略行為や、その後数世紀にわたる奴隷制度の悲劇を生み出すきっかけにもなった人物として、評価の見直しが進んでいました。

 そんな中、「Mrs. GREEN APPLE」の楽曲「コロンブス」のミュージックビデオでは、コロンブスに扮したバンドメンバーが、動物の“サル”の姿の先住民を“啓蒙”“使役”する描写などが物議を醸すことに。

 コロンブスの負の側面に無頓着、あるいは肯定していると見られかねない演出に批判が殺到し、レコード会社の「ユニバーサル ミュージック」、所属レーベルの「EMI Records」、所属事務所の「所属事務所Project-MGA」が連名で謝罪する事態にまで発展。さらに、バンドのボーカル・ギターを務める大森元貴さんも「ある事象を、歴史を彷彿とさせてしまうMVであったというご指摘を真摯に受け止め猛省しております」と謝罪文を公開しています。

 

「COZMIC TRAVEL」とクリストファー・コロンブス

 このように、現在は安易な参照がしづらくなっているコロンブス像ですが、「COZMIC TRAVEL」ではどのような文脈で登場していたのでしょうか。今回、楽曲が再注目されるのにあたり、その背景にまつわるトリビアも話題になっています。

 まず、「COZMIC TRAVEL」でコロンブスの名前が登場する直前の歌詞を見てみると、次のような内容になっています。

I love Elizabeth But 振る舞え like Jo = Josephin So, you say like this "Oh, Christopher Colombus!"

 

 直訳すると、「私はエリザベスを愛している しかしジョー=ジョセフィーンのように振る舞え だからこう言え “クリストファー・コロンブス!”」といった感じでしょうか。

 突然女性の名前が並び、「クリストファー・コロンブス!」と叫ぶ、独創的すぎる歌詞。一聴しただけでは意味が分かりませんが、これが実は「『若草物語』を下地にしていると考えれば筋が通った歌詞になる」とのYouTubeコメントがXなどで拡散され、話題となっています。

Xで注目を集めた、3年前に書き込まれたYouTube上のコメント(SOUL'd OUT オフィシャルYouTubeチャンネルの「COZMIC TRAVEL」MVコメント欄より

 『若草物語』はアメリカの作家ルイーザ・メイ・オルコットによる自伝的な小説で、南北戦争時代を舞台とした作品。その主要登場人物である4姉妹の内2人として、ベス(エリザベス)とジョー(ジョセフィーン)が登場します。

 ベスは内気なのに対し、ジョーは活発な性格。まさしく歌詞の内容に符号しており、さらに、日本ではあまり知られていませんが、ジョーは原著では驚いた拍子に「ジーザス・クライスト!」のような感嘆詞として、「クリストファー・コロンブス!」と発言する場面まであるのです。

 『若草物語』の舞台となった19世紀後半では、淑女がスラングを口にするのは“はしたない”とされていたようで、作中ではジョーがそのようにコロンブスの名を口にしないようたしなめられる描写もあります。ミュージックビデオでは宇宙服を着込んだコロンブスが唐突に登場するのが衝撃的ですが、こうした演出は、周囲から浮いても自分の表現を貫いたジョーへのリスペクト……だったのかもしれません。

 まさかの『若草物語』との関係性に、Xでは「マジで知らなかった……」「若草物語からきてるなんて今日知ったよ 何年も聴いてたのにな」「レベルが高すぎるし意味がわからない、言語プロセッサ」と驚く声が多数。一方で、訓練されたS.O Cru(ファン)の間では比較的知られた説だったようで、「色々含蓄の深い曲なんだよな」「若草物語が元ネタの感嘆詞だよ!って説明されるまでがワンセット」といった投稿も見られました。


 なお、SOUL'd OUTは2022年にもなぜかTwitter上で爆発的に話題に。その際はスターバックスの新商品売り切れを嘆いた人たちが「Sold out」ではなく「SOUL'd OUT」とツイートしたことが発端と思われる謎のトレンド入りを果たしていました。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2406/25/news023.jpg 小1息子「からあげって書いてある」→視線の先には…… 爆笑の珍回答が540万再生「かわいいから正解にしちゃおう」「オチwww」
  2. /nl/articles/2406/25/news174.jpg かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  3. /nl/articles/2406/24/news076.jpg 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  4. /nl/articles/2406/25/news021.jpg 0歳赤ちゃんと2歳兄、“世界一かわいい兄弟げんか”がはじまったワケは…… 必死な兄の姿に「笑っちゃった」「たまらんです」
  5. /nl/articles/2406/24/news128.jpg 現存するの……!? 実家で見つけたティッシュ → 書かれていた“まさかの文字”に驚がく レアすぎる品に「すごっ」「もう27年か」
  6. /nl/articles/2406/25/news047.jpg 「美しすぎる文章」 90歳の祖母から届く小説のような手紙に反響 「素敵なおばあさま」「こんな文が書きたい」
  7. /nl/articles/2406/25/news121.jpg 44歳・遠野なぎこ「エヘッ お手て繋いでテクテク」 友人と連日外食→距離感問うSNSコメントにピシャリ「即ブロックしますからね」
  8. /nl/articles/2406/24/news137.jpg 「そうはならんやろ」 洗濯機で洗ってしまった“まさかのお菓子” → 衝撃の光景に6万いいね 「やばすぎw」「驚きの白さ」
  9. /nl/articles/2406/25/news032.jpg 大切なランプを壊してしまった妻 片付ける夫に「どうしてイライラしないの?」と聞くと…… 25万いいねを集めた回答がすてき【海外】
  10. /nl/articles/2406/25/news030.jpg 学校に行かせてもらえない娘の“絶望的状況”に「まさにトラップ」「家で自習ですね」 行く手を遮る正体に同情の声続々
先週の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  3. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」
  4. 「やばすぎ」 ブックオフに10万円で売られていた“衝撃の商品”に仰天 「これもう文化財」「お宝すぎる」
  5. 都知事選掲示板に“ほぼ全裸”ポスターが掲出で騒動に→アイドルが懸念示す 「300万円を考えると安いものなんでしょう」「真面目に頑張りたい人が可哀想」
  6. いつも遊びに来る野良猫がケガ→治療するもひどく威嚇され…… 「嫌われた」と思った翌日の光景に「涙が出ました」
  7. あずきバーに砲弾を撃ち込む様子が“そんなわけなさ過ぎる結果”で爆笑 ツッコミが不可避の投稿はどのように生まれたのか聞いてみた
  8. 「別人かよ」「泣けた」 “オタク”と言われ続けた男性が…… “激変イメチェン”に「こんなに変われるなんて」と称賛の声
  9. 定年退職の日、妻に感謝のライン→返ってきた“言葉”が193万表示 「不覚にもウルッとした」「自分も精進します」と反響多数
  10. 0歳赤ちゃん、寝ていたはずがベビーモニターに異常発生!→ママが駆け付けるとまさかの…… 爆笑の光景に「かわいすぎるっっ」「朝から癒やしをありがとう」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
  2. 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  3. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 同情せざるを得ない衝撃の光景に「私でも笑ってしまう」「こんなん見たら仕事できない」
  4. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  7. 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
  8. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  9. JR東のネット銀行「JRE BANK」、申し込み殺到でメール遅延、初日分の申込受付を終了
  10. サーティワンが“よくばりフェス”の「カップの品切れ」謝罪…… 連日大人気で「予想を大幅に上回る販売」