海近くの川でニホンイシガメの遺棄に遭遇、助けることが難しく一度はその場を離れたが…… 意を決した保護に反響(1/3 ページ)

これからは幸せになれますように。

» 2024年07月27日 18時00分 公開
[土屋真理菜ねとらぼ]

 海近くの川に捨てられていた、ニホンイシガメと見られる個体。捨てた元飼い主にも遭遇して……。そのときの光景を捉えた写真や保護までの経緯を明かした投稿がX(Twitter)に投稿され、「本当に悲しい」「優しい勇気のある方の元へ行けて良かった」と反響が寄せられています。投稿は合わせて1495万8000件表示を突破、8700件以上のいいねを獲得(記事執筆時点)。

通いなれた川沿いに、ニホンイシガメ……?

 投稿者のじゃがいもいんこ(@Oimo_is_inco)さんが朝、仕事に行く途中でいつも通る川沿いを歩いていたところ、遠目で亀が下流から泳いでくるのを発見。近づくとニホンイシガメだと判明しました。「こんな場所に生息してる!?」「雨は降っていなかったが、上流から流されてきたのか!?」「海が近い川なので塩分にやられてしまう」と思い、助けてあげたいと思ったものの通勤途中のためタモはありません。水は胸までの深さがあり、護岸整備されているため飛び込んでも登ってこれずに他の人に迷惑をかけてしまう……。そう思った投稿者さんはオロオロしていたそうです。

保護されたニホンイシガメ 下流から泳いでくるカメを発見
保護されたニホンイシガメ こんなところにニホンイシガメ……?

元飼い主と遭遇

 すると、近くでカメを見ていた男性に「気になる? もう少し早くきてくれたらあげたのに(笑)」と話しかけられ、投稿者さんが「あなたが捨てたんですか?」と聞くと、衝撃の回答が。男性は「逃がしてやったんだ。もう世話大変だし、いらないからさ。20年も飼っててよー、いつまでたっても死なないからもう餌やらないで庭の池に放置してたんだよ(中略)。家で死なれるとやっぱ縁起悪いし見たくないし川ならもしかしたら生きられるかもしれないし、死んだら死骸見なくてすむからよ」と発言したのです。

 これに投稿者さんが「最後まで責任もって飼育するのが務めなんですよ。逃がしたじゃなくてこれは遺棄なんですよ! しかもここ海ですよ?(※海水も入ってきている川という意味)」「こんなことするのは動物愛護法違反です。今すぐ救い出すなり対処してください」などと話すも、男性は居直り、「お断りだね! お前が飛び込んで捕まえればいいだろ。俺は忙しいんだ!」と自転車に乗ってどこかに行ってしまったのだとか。

「この機を逃してはいけない」と保護を決意

 職場に行かなければならない投稿者さんは、いったんはその場をあとにしましたが、いてもたってもいられず昼休憩の際に再度川辺に行ってみたところ潮が引いてきており、水位が発見時よりも下がっていました。カメを探して800メートルほど上流に行くと、エサを探すように中州のような場所でウロウロしている姿を発見。この機を逃してはいけない、と思った投稿者さんは意を決して川に入り、捕獲に成功したのです(川に入るのは大変危険です。まねしないでください)。元飼い主と投稿者さんのより詳しいやりとりは、投稿からも確認することができます。

 その後、無事カメを保護した投稿者さんは連れて帰りエサを食べさせたところ、ガツガツ食べてくれたとのこと。また茶ゴケだらけだった甲羅はきれいにし、元気に過ごしているといいます。今までつらい思いをしてきたカメさんが無事に保護してもらえて本当に良かったです。これからは安心しておだやかに暮らしてほしい、と願ってやみません。なお、保護したカメは女の子だったそうです。

投稿者さんに話を聞きました

 編集部は、今回の出来事について投稿者のじゃがいもいんこさんに話を聞きました。

――ニホンイシガメの保護時の状態はいかがだったのでしょうか

じゃがいもいんこさん:まず第1に軽い!! それと粘りのあるコケが酷い! と思いました。これくらいのサイズの亀なら700グラム前後の重さがあってもおかしくないので。家に持ちかえるまではずっと引っ込んだままでしたが、家に連れ帰って水に入れたらすぐに顔を出したので、試しに餌を与えたらバクバク食べだしました。

 また、日光浴をしたときに甲羅がボロボロなことが分かったのと、甲羅の縁に穴が開けられていることが分かりました。有識者に聞いたところ、おそらく紐で繋がれて飼われていたのだろう。とのことでした。

保護されたニホンイシガメ 甲羅がボロボロです
保護されたニホンイシガメ 劣悪な飼育環境だったのが分かります
保護されたニホンイシガメ 右下の甲羅の縁に穴が……

――動物遺棄する人に対して、また読者へのメッセージがあれば教えてください

じゃがいもいんこさん:だいぶ浸透してきていると思いますが、一部の方、ご年配の方はやはり「別にどうでもいい」みたいな感じの人が多い印象です。なのでもし、読者の方の関わりある人で 「もういらないから、世話できないから逃がす」と言った場合には、何とか説得して里親に出す形を選んでほしいと思います。飼育下にあった生き物は元が野生でも、人になれてしまえば野生での生存率が落ちるので、最後まで終生飼育をしてあげてください。

(了)

 じゃがいもいんこさんのX(Twitter/@Oimo_is_inco)には、保護したカメのその後や、先住インコ&ヒョウモンリクガメなどの日常が公開されています。

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