「涙が止まらない」 不気味な異形と思いきや……“超技巧ジオラマ”に込められた切なすぎる物語に反響 「爆泣きしました」(1/3 ページ)

幽玄の美がすばらしい。

» 2024年09月08日 19時15分 公開
[五月アメボシねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 不気味な異形の存在と思いきや、その背景には悲しき物語が……。ストーリー性たっぷりのジオラマ作り動画がYouTubeに投稿されました。動画は「爆泣きしました」「感動」と反響を呼び、記事執筆時点で34万回以上再生され、約3万3000件の高評価を集めています。

月明かりのジオラマ

見事な技術で作られるリアルな自然

 動画を投稿したのは、水生生物とタラソフォビア(海洋恐怖症)をテーマにしたジオラマ作りの動画を公開しているYouTubeチャンネル「Thalasso hobbyer たらそほびや」。

 今回の動画では、オリジナルのバックストーリーが語られつつ、ジオラマ作りの過程が紹介されます。

 この物語の主人公にして語り部となるのは、最初に作った小さな石造りの祠(ほこら)。祠は小さな神社だと説明し、「いちおう私も神、ということになるのか」と言います。

小さな祠 石組みの上に置かれた小さな祠

 ジオラマの舞台となるのは森の奥深くにある泉。まず、発泡スチロールで泉の周囲の地形を作り、それを土台にして岩のような造形物を貼り付けて着色します。

岩肌作り 岩肌を作っていく

 土の地面にあたる部分にはベースの塗装の後、枯れ枝、複数の色の砂のようなものをちりばめ自然に仕上げ、木々を作って配置していくと森のようになってきました。出来栄えがあまりにリアルすぎる……。

地面作り リアルな地面を作っていく

異形の存在に隠された悲しい過去

 次に“この泉に住むもう1人の住人”として、人面を持つ異形の存在を作成。「生前、彼女は美しい人だったようだ」と語りつつ、能面の顔をした邪竜のような存在が作られていきます。

人面を持つ異形の存在 人面を持つ異形の存在を作る

 語られる物語によると、その女性の息子は兵士として戦場へ行ったまま帰らぬ人に。女性は息子を待ちつづけ、失意のうちにその生涯を終えたそうです。

 息子を奪った戦争への憎しみが残留思念となってこんな姿になったとも述べる祠。意思疎通はできないといいます。

涙の跡 目の下には涙の跡も……

祠の語り部の正体は……

 ジオラマ作りは佳境に入ります。真ん中に泉を作って祠の土台の石組みと異形となった女性を配置。同時に、この場所に「夜中になると、泉に母親の幽霊が現れる。泣いているようだ」というウワサがあることが語られます。

 祠は女性を気の毒に思った誰かにより泉に建てられたそうです。

泉を作る 泉を作る
祠の土台と異形の女性を配置 祠の土台と異形の女性を配置

 蓮の花と葉を水面に配置し、祠にはお供えと思われるホオズキを2つ置きます。お盆では、ホオズキが死者の霊を導くちょうちんに見立てるので、語られている物語に関係しそうです。

 いよいよジオラマは完成。バックストーリーを聞いてからは、祠をのぞき込む表情が子どもをいとおしむ母の姿にしか見えません。

完成 祠をのぞき込む姿に感じる母の愛

 ここで、語り部だった祠の主は「今夜は月がきれいだな、母さん」と語りかけ口調になります。そうか、息子はあなただったのか……。

 「現世に強い未練を残す者に、天国への扉は開かれない。私のせいだ」「母さん、もうここへは来ないでくれ。私のことは忘れてくれ。これ以上悲しまないでほしい。泣かないでほしい」と、亡霊となった母親へ切々と訴えかけます。

 最後には、「もし生まれ変わることができたら、もう一度あなたの子どもに……」と思いを吐露して物語は終わります。こんなん泣いてまう。

 なお、今回の動画ではジオラマ作りの技術面については触れておらず、詳しい制作過程については別途公開されている解説動画で確認できます。

制作風景〜No.28『月明かりのジオラマ』

感動の声が海外からも寄せられる

 悲しい物語が込められた見事な出来栄えのジオラマに、コメント欄では「怖いかな? と思ってみたら爆泣きしました」「涙が止まらない」「一目で伝わる厚い物語性に感動しました」「サムネイルを見た時は、これまでで1番不気味なクリーチャーに見えましたが、今は優しい母親の姿が見えます」「切ないって言う簡単な言葉でしかこの感情を表現できないのが悔しい!」などの反応が寄せられています。

 海外からも多数の反応が寄せられており、やはり涙をこらえきれなかった人がたくさんいるようです。

 なお、たらそほびやさんは、さまざまな作品が解説とともに掲載されている著書『Thalasso hobbyer たらそほびや』を販売中。Amazon.co.jp楽天ブックスなどで購入可能です。

動画提供:YouTubeチャンネル「Thalasso hobbyer たらそほびや

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. /nl/articles/2412/03/news082.jpg 「ほ、本人……?」 日本に“寒い国”から飛行機到着→降りてきた“超人気者”に「そんなことあるw?」「衝撃の移動手段」の声
  4. /nl/articles/2412/03/news111.jpg 才賀紀左衛門、娘とのディズニーシー訪問に“見知らぬ女性の影” 同伴シーンに「家族を大切にしてくれない人とは仲良くできない」
  5. /nl/articles/2412/02/news009.jpg 【今日の難読漢字】「誰何」←何と読む?
  6. /nl/articles/2412/05/news006.jpg 「今やらないと春に大後悔します」 凶悪な雑草“チガヤ”の大繁殖を阻止する、知らないと困る対策法に注目が集まる
  7. /nl/articles/2412/03/news148.jpg 武豊騎手が2024年に「武豊駅に来た」→実は35年前「歴史に残る」“意外な繋がり”が…… 街を訪問し懐古
  8. /nl/articles/2412/03/news092.jpg 大谷翔平、“有名日本人シェフ”とのショット 上目遣いの愛犬デコピンも…… 「びっくりした!!」「嬉しすぎる」
  9. /nl/articles/2412/03/news055.jpg ハローマックのガチャに挑戦! →“とんでもない偏り”に同情の声 「かわいそう」「人の心とかないんか」
  10. /nl/articles/2412/03/news034.jpg 古着屋で“インパクト大”なブランケットをリメイクすると…… 劇的な仕上がりに386万再生「これはいいね、欲しい!」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」