懐かしくて泣ける? 新鮮? 「NIFTY-Serve」復活を見つめる目:ニフティ25周年
「あーメンテおちしてぇ〜」――ニフティが25周年記念サイトで公開しているNIFTY-Serve体験コーナーに熱い声が寄せられている。担当者は意外にもNIFTY-Serveを「全く見たこともない」そうだ。
ニフティが今年2月に25周年を迎えた。移り変わりの激しいネット界を歩んできた老舗は、今年を“第2創業”と位置づける。4月にオープンした25周年記念サイトも、あえて次を担う若手社員――パソコン通信を知らない世代――に任せている。
NIFTY-Serve「全く見たこともなかった」
記念サイトの目玉は、往年の「NIFTY-Serve」を体験できるコーナーだ。1996年ごろのNIFTY-Serveがもとになっており、当時のフォーラムにGOすることもできる。Twitterとも連携。フォーラムごとに専用ハッシュタグ付きでつぶやきを投稿でき、投稿された内容は各フォーラムの掲示板でチェックできる。
NIFTY-Serveの体験コーナーを制作したのは、同社サービスビジネス事業本部システム開発部クリエイティブチームの君島哲也さん(29歳)。NIFTY-Serveは「全く見たこともなかった」ため、当時の解説書「ニフティサーブアクセスガイド'96」を読むことから始めたという。
同社には今も、実際にNIFTY-Serveの運営にあたったスタッフが在籍している。「当時を知る人であれば体験コーナーをすぐに作れるかもしれないが、やったことがない人が当時の苦労を知るのも良いチャレンジだろうと考えた」と、同社コーポレートコミュニケーション室の神代大輔チーフプランナーは語る。
君島さんは1カ月かけて体験コーナーを完成させた。何度も社内レビューを繰り返し、メニューから表示スピードまで当時を真似て作ったという。「NIFTY-Serveは当時のユーザーにとって青春を過ごした場所で、大事な思い出として神聖化されている。雰囲気を壊さないようにしなくては」とプレッシャーもあった。
「あーメンテおちしてぇ〜」
体験コーナーは君島さんの予想を超える反響だった。記念サイトのページビューは公開から約3週間で30万に。「20年前の自分にタイムスリップした。泣いた」「あーメンテおちしてぇ〜」「ID覚えている人多すぎ。という自分も20年近くたつ今も覚えているけど」――Twitterには、当時をしのぶ熱いメッセージが次々に投稿されている。
「阪神淡路大震災の時、Niftyのフォーラムで安否がわかった友人がいる。ほんとうにありがたかった」というコメントも。「両親はNIFTY-Serveで出会いました」「逆に新しくておもしろい!! これがパソコン通信かあ」「まどろっこしいけど、なんかかっこいいぞ!」などと、若い世代からのコメントもあった。
「社内の反応も面白かった」と君島さんは言う。「パソコン通信について語りたそうにうずうずしてる人がいっぱいいた(笑)当時の運営担当者には『パソコン通信はオンラインコミュニケーションの原点だぞ!』と言われて感動しました」(君島さん)
体験コーナーは来年2月まで公開する予定。パソコン通信について語るオフ会なども企画している。
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