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「脳波で会話」が当たり前になる?――「脳波で動くネコミミ」仕掛け人が語る、脳波デバイスの未来シッポもぜひ実用化してほしい(2/4 ページ)

日本人がまたよく分からないものを作ったぞ――。YouTubeに投稿された「脳波で動くネコミミ」の動画に、世界中のメディアが注目した。一体どんな人が作ったのか?

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体験! 脳波ネコミミ

神谷 じゃあ、このへんで実際に体験してもらいましょうか。

―― 待ってました! ぜひ。

なかの じゃあちょっと失礼しますね。これを耳にかけて、それから耳たぶをはさみます。

(ネコミミ装着。さっそく耳がピッと立つ)

―― あれ、もう動いてますか?

なかの いま耳が立ってるのは集中してる状態ですね。あ、めっちゃ回った。

現在のnecomimiは、ネコミミ本体+Androidアプリのセットで構成されている。脳波はタブレットの方で確認できる

(耳がクルクルと回転)

なかの いま回転してるのは、集中とリラックスの両方が高まってる状態。

神谷 これはすごくいいんです。肩の力は抜けてるんだけど、集中はしてる。プロ野球選手とか、調子がいいと「ボールが止まって見える」って言うじゃないですか。いわゆる「集中ゾーン」に入ってる状態ですね。

―― へえ。

なかの じゃあ今度はちょっとリラックスしてみましょうか。

―― はい。

なかの 息をふーって長めに吐くと……。

―― ふーっ。

(ネコミミ、垂れる)

なかの すごい上手ですね! あ、また回った。

(またクルクルと回転)

神谷 すごいすごい。なかなかこんなに回ったりしないものなんですよ。

―― ホントですか?(笑)。

(垂れる)

なかの あ、笑ったのでちょっとリラックスしましたね。

カメラマン 垂れてる写真撮りたいので、しばらくそのまま笑っておいてください。

(ピッと立つ)

カメラマン あっ。

―― そう言われると集中しちゃう!

なかの 深呼吸してみてください。あと目を閉じるのが一番有効ですね。視覚的な刺激がなくなるので。

―― ふーっ。

(一瞬だけ垂れる)

カメラマン おっ。

(もどる)

カメラマン ちょっと!

―― プレッシャーをかけるからですよ!

(一同爆笑)

なかの けっこう恥ずかしいですよね、考えてることがダダ漏れになるのって。

―― ホントですね。例えばこの状態でエッチな画像とか見たらやっぱり……。

なかの エッチなこと考えたら回ったって人もいましたよ(笑)。

「垂れたままにしておいてください!」「はい!(ピン!)」

1人で1年くらいの間ずっと「ネコミミ〜!」って言ってた

―― 満喫しました(笑)。動きのパターンは全部でどれくらいですか?

なかの 今は「立つ」、「垂れる」、「回る」ですね。

神谷 あとニュートラルな状態もあるので、実質4パターンかな。

―― でもよりによってなぜ「脳波で動くネコミミ」を作ろうと思ったんですか?

加賀谷 確か5年くらい前だったかな、北米のゲームイベントで「E3」ってありますよね。そこでEmotivって会社が、プレイヤーの脳波をキャッチして、ゲームの難易度を変えるっていう未来像をプレゼンしてたんです。それを見た時に、これは来るなと思って。

―― じゃあ、きっかけはE3?

加賀谷 その前にもいくつかあったんですけどね。NHKスペシャルで立花隆が取材してた「サイボーグ技術が人類を変える」とか。あれを見て、これからはもうブレインコンピュータインタフェース(BCI)の時代なんだと。でもそう簡単には普及しなかったですね、やっぱり。

―― 基本的な質問で恐縮ですが、3人はどういった関係なんですか?

神谷 みんな普段は別々の会社で働いている友人です。私は日ごろ「新しいコミュニケーションを作る」という仕事に関わっているんですが、今回は外の友人とプロジェクトを進めてみたいと思って、2人に手伝ってもらっています。

加賀谷 僕の場合はテクノロジーコンサルタントという形でお手伝いしています。

―― その「新しいコミュニケーション」の題材に、ネコミミを選んだのはなぜ?

なかの コミュニケーションが今後進んでいく中で、脳波って必ず出てくるだろうな、というのは私も思っていたんです。ただ脳波って、頭にセンサーをつけないと取れない。なら頭につけてもヘンじゃないもの、どうせだったらカワイイものをつけたらいいんじゃないかと。

―― それでネコミミに。

なかの 人間に本来持ってない器官がついたら新しい体験になるんじゃないか、というのもありました。

―― 犬なんか、嬉しいときにしっぽをブンブン振っちゃったりしますけど、あんな気分でした。

なかの しっぽを作れってメールは異常に多かったですね(笑)。あとはいわゆるクールジャパン、アニメ文化のようなものが、世界に発信していくにあたって分かりやすいアイコンになるかなと。

―― 3人が集まってから、こうして実物を見せられるようになるまで、どれくらいかかりましたか?

神谷 なかのさんがマインドセットを買ってきて、ひとりで盛り上がってたのが1年前くらい?

なかの あれはもう1年半くらい前ですけど、それから1年くらいなんにも手を付けなかったじゃないですか(笑)。

神谷 企画を考えはじめたのが去年の10月くらい。本格的に製作にかかりはじめたのは、今年に入ってからだったよね。

なかの 構想1年、製作半年くらい。

―― 構想の期間が長かった。

なかの 構想というか、わたしが一人で1年くらいの間ずっと「ネコミミ〜!」って言ってた。

神谷 あれは構想というか、妄想だったね。

加賀谷 我々はとりあえず「好きにやってみれば」と思ってた。

神谷 脳波が来るとは言ってたけど、それがネコミミかよ! って(笑)。でもまあ、ネコミミならキャッチーだし、プロトタイプとしてはいいかな、でもたぶんウケないよね、って思ってたらこうなっちゃった。

なかの あのころはみんな失笑してましたよね。

―― じゃあ、今はしてやったりですね。

なかの ドヤ顔ですよ(笑)。


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