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なぜ「さわやか」の「げんこつハンバーグ」は静岡でしか食べられないのか実は全国チェーンだと思ってました……

静岡のご当地グルメと言えば、静岡おでんや富士宮やきそばなどが有名。しかし、本当に静岡でしか食べられないグルメと言ったら、やっぱり「さわやかのげんこつハンバーグ」だろう。

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 静岡にあって他の県にないもののと言えば、やっぱり「さわやか」の「げんこつハンバーグ」だと思う。B級グルメブームのおかげで「静岡おでん」や「富士宮やきそば」などは県外でもわりと見かけるようになったが、あの肉汁たっぷりの炭焼きハンバーグは、いまだに静岡まで足を運ばないと食べられない。

画像 これがげんこつハンバーグ。静岡県民なら一度は食べたことがあるのでは

 「炭焼きレストラン さわやか」は、静岡県内に28店舗を構えるステーキ・ハンバーグのお店。看板メニューは何と言っても、牛肉100パーセントの「げんこつハンバーグ」で、このためにわざわざ県外から足を運ぶという人も少なくないという。

 ユニークなのはその食べ方だ。最初に鉄板に乗って出てくるのは、まん丸な「げんこつ型」。この状態では中まで火が通っていないが、食べる直前、店員さんがこれを目の前で半分にカットし、熱々の鉄板に押しつけて焼き上げてくれる。鉄板の上でジュージューと焼ける肉汁の音が、たまらなく食欲をそそる。

画像 最初はまん丸な「げんこつ型」で出てくる

画像 ここへおもむろにザクッ、とナイフ投入!

画像 このままでは、中はまだ真っ赤っかの生焼け状態

画像 これをジュウーッ! と鉄板に焼き付ける!

画像 さらにジュウーッ! 立ち上る煙がたまらない

画像 最後に形をふわっと整えて……

画像 ソースをかけて、できあがり

 オススメの焼き加減は、中がまだちょっと赤い状態で食べるミディアム。肉はやわらかいままで、なおかつ油がちょうど溶け出す「45度」まで熱するのがポイントだそうだ。

 外側は炭火でしっかりと焼かれていて、口に入れると歯にギュギュッと弾力が伝わってくる。一方、中はユッケのような食感で、噛むほどに肉の甘みと旨みが広がる。オニオンソースの甘酸っぱさが、肉汁のうまみをさらに引き立てる。この味と食べ方は創業当時から変わっていないという。

画像 中はまだちょっと赤いが、熱はしっかり通っていて、赤身のうまみが存分に味わえる。「ステーキを食べやすくしたのがハンバーグ」というのがさわやかのポリシーだ

画像 店内にも「中身が赤い程度=肉汁たっぷり」と書かれたパネルが。苦手な人は注文時によく焼いてほしい旨を伝えておこう

 「県外に出店する予定はないんですか?」と聞いてみたが、残念ながら今のところその予定はないそうだ。

 大きな理由は、味と品質へのこだわりにある。さわやかで使われるハンバーグは、袋井市にある本社工場から、毎日お店の発注に応じて出荷される。その日届いたお肉はその日のうちに使い切るのが原則で、賞味期限も非常に短い。静岡でしか食べられないのは、工場から直送できる距離に限界があるためだ。

 筆者も実は静岡出身だが、上京したてのころ、東京にはさわやかがないと知って絶句した。静岡県民の中には全国チェーンだと思っている人も多く、帰省したらまずはげんこつハンバーグを食べにいく、という人も少なくないという。

「ホントかどうか分かりませんが、孫が久しぶりに帰省するというので、家でごちそうを準備していたら、『それよりさわやかへ行きたい』と言われてショックを受けた――なんて話も聞いたことがあります(笑)。特に浜松は10店舗くらいあるので、どこにでもあるお店だと思っている人が多いみたいですね」(広報)

 静岡でしか食べられない、絶品「げんこつハンバーグ」。もしも静岡を訪れる機会があったら、ぜひ探して食べてみてほしい。「静岡おでん」や「富士宮やきそば」だけが静岡グルメじゃないよ!

画像 緑と赤の看板が目印。静岡県内では本当によく見かける

画像 木の暖かみを活かした店内デザインもステキ。夕食どきなどはいつも待たないと入れないほどの混雑ぶりだ

画像 完食! ごちそうさまでした


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