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ウサイン・ボルトの走りを追体験できる、五感を使ったバーチャル身体技術が「デジタルコンテンツEXPO 2012」(10月25日〜27日、日本科学未来館)にて展示されている。従来の音や映像に加え、匂いや体の向き、風をきったり地面を踏みつけたりする感触まで再現する。
3Dモニタ、ヘッドフォン、臭いや風を送るためのファン、前後に傾いたり部分的に振動したりするイス、フットペダルなどを組み合わせた装置を構成した。それぞれが連動し、イスに固定された体験者の五感を刺激する。
ボルトの走行体験では、上下・前後に動くフットペダルと、振動するフットガードを使って地面を蹴る感覚を再現した。刺激の強さやタイミングがリアルかどうか、何度も自身の足で走ってみては検証と修正を繰り返したとのこと。
せっかくなので体験させてもらった。フットペダルが動くと、本当に地面を踏みこむような感覚が伝わる。目の前のモニタにはトラックを走るボルトの3D主観映像。耳には自分の足音やアナウンサーの実況が飛び込んでくる。顔にかかる風もリアルで、自分はただ座っているだけなのに、あたかもフィールドを駆け抜けているような錯覚におちいる。聴覚・視覚だけでなく、嗅覚・触覚・前庭感覚(重力を受ける感覚)に訴える情報が同時に提示されることで、“多感覚情報の相互作用”が起こるのが原因だそう。
展示ではボルトの走行体験のほか、“ミラノの散歩”コースも体験可能。製作は首都大学東京大学院システムデザイン科池井研究室、東京大学大学院情報学環広田研究室、日本電信電話コミュニケーション科学基礎研究所によるもの。
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