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懐かしい昭和の給食を味わえる! 「きゅうしょくのおばさんカフェテリア」に行ってきた

あげパン、瓶牛乳、ソフト麺――ノスタルジー漂う感がたまらない「給食」。卒業後はもう食べられない? いや、そんなことはない。昭和の給食を楽しめるカフェの様子をリポートする。

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時折、猛烈に給食を食べたくならないか?


きゅうしょくのおばさんカフェテリア

 中学を卒業して10年以上が経つ。時折ふっと思い出すのは当時の友達や先生ではなく、私の場合、給食だった。もう一度給食を食べたい! 思えば給食というのは、学生のときだけしか食べられない、限定感あふれる料理だ。卒業したあとは味わう機会はなくなってしまう。地元にいた頃は、保護者を招いた給食試食会のようなイベントがあったが、果たして今もそんなイベントはあるのだろうか。

 そんなふうに給食を食べたい……と1年に数回くらい思い続けていたら、最近になって給食カフェなるものを発見した。その名も「きゅうしょくのおばさんカフェテリア」だ。これはと思い、東京都八王子市まで出かけることにする。京王八王子駅を降りて、徒歩1分ほどの場所に店はあった。

 黒板ふうの看板には「なつかしの給食」と書かれ、壁にはアルミ製のお盆や食器、上履き(!)までもがくっついている。昭和期の伝統的なランプ・平笠もさり気なくつるされている。早速のれんをくぐって、魅惑の給食カフェへと入ってみることにしよう。

全国のオトナたちにあった給食需要

 店内は私の小中学校時代よりも、はるかに昔の「教室」風景が広がっていた。昭和初期のころの教室をイメージして作っているという。黒板や机、椅子などはもちろん、ランドセルや通学用帽子、赤白帽、三角定規、ほうきなど、懐かしさあふれる小物類も見逃せない。ちなみに壁に掛かったランドセルは、オーナーの娘さんと息子さんが使っていたものだという。


昭和の教室のような店内

 3年前にできた「きゅうしょくのおばさんカフェテリア」だが、開店のきっかけは約20年前、オーナーがもんじゃの店を経営していたころにさかのぼる。店でもんじゃだけではなく、駄菓子も一緒に販売したところ、大人も子どもも家族で楽しめる店へと成長していった。幅広い世代のお客さんが来るようになったので、コンセプトを「懐かしさ」にシフトし、給食メニューも提供するようになった。

壁のランドセルはオーナーの娘さんと息子さんが使っていたもの

 あるとき給食メニューの情報をネット上に載せたところ、石川県からはるばるやって来た人がいた。そのころからネット通販あげパンの移動販売を始めたところ、給食メニューの知名度が上がっていった。本来はもんじゃの店だが、もんじゃより給食の方が人気になってきたこともあり、給食カフェに転向することを決めたのだという。

「昭和の味」が新鮮な給食セットに舌鼓

 人気の給食セットは1年1組〜8組(890円〜)、今年から登場した2年1組〜8組(1040円〜)の16種類。2年生セットは、1年生セットに白身魚フライタルタルソースとソフトドリンクが付いてくる。単品価格は280円と180円なのでセットになるとかなりおトクだ。さらに、2年生セットのみ2日前までに予約を入れれば10%オフという特典もついている。ソフト麺の単品もあるが、セットの方が断然人気がある。


給食メニュー

 私は1年6組のセットをいただくことにした。ソフト麺にカレーシチュー、竹輪の二色揚げ(ノーマルとカレー味)、フレンチサラダ、マッシュポテト、牛乳、ミルメーク、デザートに牛乳かん、あげぱんは9種類の中から人気No.1のスイートミルク味をチョイス。アルミ食器に入った給食を見ていると、昭和にタイムスリップしたかのような感覚になる。


ソフト麺、カレーシチュー、竹輪の二色揚げ、フレンチサラダ、マッシュポテト、牛乳、ミルメーク、牛乳かん、あげぱんのセット

 最初に飲み物の準備をする。6種類のフレーバーから一番ベーシックな「ミルメークコーヒー」を選んで牛乳に入れてぐるぐるとかき混ぜる。これが絶妙な甘さで美味しいのだ。パンと非常によく合う。ミルメークが出される日には、ぬるくなった牛乳もおいしく飲めた記憶を思い出す。

ミルメークにはコーヒーのほかいちご、メロン、抹茶きなこなども

 次にソフト麺をカレーシチューの中へ入れる。下の方から混ぜ合わせて、思いっきり絡めるのがポイントだ。ほどよく固まった麺は給食ならでは。うーん、懐かしい! 揚げ竹輪は居酒屋にあるおかずのようで美味。サラダはフレンチドレッシングが効いた手作りの味だ。驚いたのはマッシュポテトが甘いという事実! 90年代の給食しか食べたことのない私は、甘いマッシュポテトと遭遇したことはない。なんとも言えないスイートな味わいである。


給食ならではのソフト麺

 通販や移動販売でも大人気で、月に1つ新作が出るあげパンもいただこう。時間が経っているのに、表面にまぶしてある砂糖がベタつかず、サラリとした粉感がある。「翌日までもつこと」を念頭において作られているのだとか。外側のしっとり感、内側のもちもち感がやみつきになりそうだ。手作りの牛乳かんも甘さ控えめでおいしい。食べ終わるとセルフサービスで食器を戻した。最初から最後までザ・給食だった。ごちそうさまでした。


人気のあげパン

 客層は家族や主婦、学生など幅広い。平日のランチ時にはビジネスマンも来るという。この日は金曜午後5時ごろだったが、スーツを着た男性がやってきて、懐かしそうに食事を楽しんでいた。狙い目の時間帯は意外にもお昼の12時から午後1時で、1時以降がランチのピークタイムになるらしい。愛しくて懐かしい給食――気になる人は一度訪れてみてはいかが?

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