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るろうに剣心:逆刃刀、不殺の刀なり[1/2]鎌倉にある「逆刃刀」を見てきた

緋村剣心の信念「不殺」を体現した「逆刃刀」が鎌倉に実在すると聞きつけて、取材に行ってきた!

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 かつては密命を受けた暗殺者「人斬り」として名を売ったが、いつしか人を切ることに疲れ果て、姿を消した『るろうに剣心』の主人公、緋村剣心。その「二度と人を殺さない」という信念である「不殺=ころさず」を体現した風変わりな刀「逆刃刀=さかばとう」は、峰と刃が逆に、つまり日本刀の特徴である「反り」の内側に刃が、外側に峰があるという他に類を見ない刀だ。それが鎌倉に実在すると聞きつけて、取材に行ってきた!

 この鎌倉、日本の歴史に詳しい人なら知っているかもしれないが、その昔に軍事を主な仕事とした武士階級によって築かれた都市であり、1192年には源頼朝が幕府を置いて日本の都となった場所。鎌倉大仏や鶴岡八幡宮など、世界遺産級の歴史的建造物が多数ある街だ。

 そんな歴史的な街に、日本でも海外でも大人気の漫画『るろうに剣心』の緋村剣心が使った刀「逆刃刀」が販売されているという。その店の名は「山海堂」だ。ここで「!」と気付いたあなたは、かなりのコスプレ通。実はこの「山海堂」は、もともと大仏門前の土産物屋だったのが、いつしか居合刀や模擬刀、日本だけでなく世界の武器の原寸大モデルなどで店内があふれ返るという「戦士コスプレの総本山」となった店なのだ。

 山海堂の店内に入るとすぐさま大量の武器たちが出迎えてくれる。日本刀だけでなく、西洋剣やアニメのキャラが使用した剣が店いっぱいに並んでおり、見ているだけで心が踊りだし、ワクワクさせられる。その数ある品ぞろえのひとつとして、あの「逆刃刀」が置いてあった。販売している「逆刃刀」には2種類あり、ひとつは良質な素材をベースに職人が作り上げた35000円の品で、もうひとつは廉価版として、鞘などの「拵え=こしらえ」を量産部品でまかなったコストダウンバージョンの16000円だ。

 この「逆刃刀」は、持ってみるとよく分かるのだが、とても重く感じられる。というのも、峰と刃が逆になっている「逆刃刀」では「反り」の外側が厚いわけだが、刃渡りもそちらの方が長いわけで、それだけ多くの材料が使われているのだ。さらに、日本刀では厚みの増す峰の側に溝を掘るなどして刀身の軽量化を図ることもあるのだが、この刀にはそれがない。結果として普通の日本刀とは重量バランスが違うため、持つと手元に刀身の重みがずっしりと伝わり、自ずと身体の芯に力が入り、気も引き締まる。なんだか「剣心よ、よくぞこのような剣で敵と戦い、倒してきたな」としみじみ感じてしまった。


鎌倉大仏門前の土産物屋だけに、鎌倉彫や仏像が並んでいるのは不思議でもないが、洋の東西を問わない武具の数々が入り混じると、さすがにカオス……
こんな店(失礼!)にあの「逆刃刀」があるのか……と思っていたら、ありました! 鞘に納めてあると見分けつかないんだけどね
おもむろに抜き放ってみれば、たしかに逆刃。反りの内側に見事な刃文が浮かんでいる。美しい……

刃渡り2尺4寸=約72センチ。編集部ノブナガの体格にはやや短いが、158センチとされる小柄な剣心には程よい長さか。それにしても、重い
店の構えは決してハードボイルドではなく、いわゆる土産物屋。この外観にだまされてはいけない
店名の「山海堂」は山と海を意味するが、真意は日本の諺にある「海のものとも山のものともつかないもの」を売ることにあるという

続き:るろうに剣心:逆刃刀、不殺の刀なり[2/2]

原文:“Rurouni Kenshin” Sakabato Sword Replica [1/2]

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