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カプセルトイ「ガチャ」開発の秘密を聞いてきた!(※ボツネタ含む)「ガチャ」はこうして作られる(1/3 ページ)

ユージンの時代から数えると、なんとカプセルトイを開発して25年というタカラトミーアーツ。その開発の手法をうかがいつつ、ボツネタや発売中止となってしまったネタまで公開してもらいました!

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「ガチャ」は、ユージン時代から25年目

 タカラトミーアーツは、「おかしな」シリーズや、「スマート飯」「プリティーリズム」をはじめとしたオリジナル製品、ディズニーや「ポケットモンスター」などのキャラクター製品など、数多くの非常にユニークな製品を開発しています。その中でも、カプセルトイ「ガチャ」シリーズは長い歴史のある製品ラインアップのひとつです。

画像 お話をうかがった、タカラトミーアーツ ガチャ・キャンディ事業本部 主任 羽場弘明(はば ひろあき)氏(右)と同部 主任 東貴亮(あずま たかあき)氏(左)。羽場氏が持っているのが、氏が企画開発したが発売中止となった幻の「マヤ文字ネームプレート」。東氏が持っているのが、氏が企画開発した「大人の事典大百科 ボディビルコレクション」

―― タカラトミーアーツの「ガチャ」といえば、バンダイの「ガシャポン」といっしょに、ショッピングモールや家電量販店などのカプセルトイコーナーに必ず設置されているという印象があるのですが、いったいいつぐらいから「ガチャ」という製品はあるのでしょうか?

羽場氏 「ガチャ」の歴史は、タカラトミーアーツの前身である、ユージンの時代にはじまっています。1988年に、初めて製品をリリースしていますから、25年の歴史があることになりますね。

画像 YUJIN時代、昭和の香りがする「ガチャ」筐体

大きく射撃も可能な「THE 銃」シリーズ

―― ユージンからタカラトミーアーツになって、「ガチャ」に関して何か変わったことはあったのでしょうか?

東氏 ユージンは、2009年に小物玩具事業のユーメイト、ぬいぐるみ事業のハートランド、食玩事業のすばる堂と統合するのと同時に、新社名「株式会社タカラトミーアーツ」となったのですが、その際、特に「ガチャ」の企画開発の方法は変わっていません。

 基本的に元ユージンの「ガチャ」を企画開発していた部署が「ガチャ」を作り続けていますから、担当者がやりたいと思った企画が通りやすく、ばんばんやらせてもらえるという社風もそのままですね。

 弊社は、キャラクターものもありますが、オリジナル製品も多いのです。キャラクターものは一定の売上げが見込めるものの、ライセンス料がかかります。オリジナルだとライセンス料がかからないので製品化するための敷居が低くなり、種類を多く出せるという強みがあるんです。

―― タカラトミーアーツのというか、ユージンのというか、「ガチャ」には「なんじゃこら?」という独特なオリジナル製品が多い気がするのはそのためなんですね。まずは、そんな中でもインパクトのあるものを見せていただきたいのですが、どんなものがありますか?

東氏 ユージン時代から、様々な「ガチャ」を出していて、インパクトがあるものがたくさんあります。ただ、大きさとギミックによるインパクトということでは、この「THE 銃(ザ ガン) Part15 ガトリングガン編」ですね。

画像 ぎゅうぎゅうに詰まったカプセルの中に入った、黒いプラスチックパーツを組み立てる東氏

画像 組み上がったのは、カプセル2つ分ぐらいの長さがあるのではないかという「THE 銃 Part15 ガトリングガン編」。これも特別な製品ではなく、通常ラインアップの200円「ガチャ」なのだという。単体でも十分大きいが……。

画像 複数の製品を合体することで、さらに大きくなる!

―― 確かにこれは、大きいですね。これも200円なんですか?

東氏 ええ。私も一度カプセルから出してしまうと、なかなか元に戻せなくなるほどカプセルぎりぎりの製品で、もちろんこれも200円です。ただ、さすがに同じシリーズすべてがこのサイズではなくて、いわばアタリの製品なんですね。

 でも、アタリを入れるために200円以下のハズレ製品を混ぜるということはしていなくて、すべて200円の価値がある製品で、その中にちょっとお得な製品が含まれているという位置づけです。

―― あれ? これはハンドルが回るんですか?

東氏 「THE 銃」シリーズはすべて弾が発射できるんですよ。やっぱり、玩具とはいえ弾を発射しないと銃ではないですからね。ギミックも年々進化を続けていて、2013年6月発売予定の「THE 銃 Part22 オートマチックリバイバル編」だと、ブローバックもします。

 他社さんだと、ディティールに凝ったり、リアリティのある造形をという方向で開発が進むことが多いと思います。でも、「ガチャ」の「THE 銃」シリーズは開発当初より、リアルな造形はもちろん、発射ギミックは外せないということで一貫しています。おかげさまで皆さんに支持していただいて、ロングセラーシリーズに育っています。

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