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実はアイドルグループの一員だった! 話題沸騰中の「セーラー服おじさん」に会ってきたセーラー服の“原点”とは

ここ最近、新宿や池袋を中心に、目撃情報が相次ぐ「セーラー服を着た白髪のおじさん」。どんな人物なのか確かめるべく、ご本人を直撃してきた。

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 主にネット界隈で「セーラー服おじさん」と呼ばれて、注目を集めている人物をご存知だろうか。少し薄くなった白髪に長く伸ばした白い髭という外見の男性が、セーラー服を着て歩いているという。Twitterでは連日のように目撃情報がツイートされ、NAVERまとめTogetterなどにまとめもできている。そんな大注目のセーラー服おじさんこと、小林秀章さん(@GrowHair)にお会いして話を聞いてきた。


セーラー服おじさんこと、小林秀章さん

土日の私服がセーラー服!

 待ち合わせ場所の下北沢駅(東京都世田谷区)に、おなじみのセーラー服を着て登場してくれた小林さん。土日に出かけるときのファッションはほぼセーラー服だ。そんな小林さんの周りには、常に多くの人だかりができる。誰かが「セーラー服おじさんだ!」と騒ぐと、写真責めに遭ってなかなか前に進めないくらいだ。いやはや、人気者すぎる……。


注目の的!

 場所を移すために、下北沢駅を線路沿いに歩いている間にも、小林さんは度々立ち止まり、通行人からの写真依頼に笑顔でポーズ付きで応じる。ノリノリでポーズを変え続ける小林さんに、そもそもどうしてセーラー服を着ているのかと尋ねてみた。今回の本題だ。これに対して「難しい質問ですね。あまり深く考えたことがないもので」と乙女のように悩んでいる。

 しばらくすると、パッと顔を上げて「うーん。やっぱりセーラー服が似合うからでしょうか?  実際、真顔で『お似合いですよ』とほめてくれる方が何人もいました」とうれしそうに語る。さらに、セーラー服は誰が着てもかわいくなれる要素を持っているらしい。制服萌えという言葉もあるので、分かるような、分からないような。

スカートを履かされた、小学生時代の経験が原点

 では、人前でセーラー服を着るに至った直接的なきっかけは何だったのか。その「原点」は小林さんの小学生時代へと遡る。1〜2年生の頃、クラスメートの女の子たちのスカートめくりが“趣味”だった小林さんは、何度も担任から「次に(スカートめくりを)やったら、皆の前でスカートをはかせちゃいますよ!」と注意されるが、まったくやめようとしないイタズラ大好き少年だった。

 どうしてもスカートめくりをやめないので、ついに皆の前でスカートをはかされてしまう。「今思えばおかしな叱り方ですが、当時の僕はスカートをはけて嬉しかったんですよね。それが今のセーラー服へとつながっているのかもしれません」

 当時から女性用の服を着てみたいという願望は心にあった。男子校に通っていた中高生時代にはその願望は消えていたが、大学生になってから自室でこそこそと女装を楽しむようになる。しかしその頃は、女装した男性の姿は客観的に見て決して美しいものではないため、人に言うものでも見せるものでもなく、ひとりで楽しむものだと認識していたのだとか。

セーラー服でとがめられたことは一度もない

 そんな小林さんだったが、2010年5月に開催されたイベント「デザインフェスタ」で、セーラー服姿で人前に出ることとなった。本業は会社員(!)の小林さんは週末、人形の写真家としても活動している。自分で撮影した写真を展示したブースに、著名な女装家キャンディ・ミルキィ氏が訪問してくれることになり、それなりの格好でお迎えしなくてはと考えた末、着ることに決めたのがセーラー服だった。

 そのセーラー服姿が思いのほかウケて「デザインフェスタ名物」の1つとなり、毎年欠かさずセーラー服を着て自身のブースに立つようになった小林さん。しかし、あくまでもフェスタの会場内限定で、セーラー服を着て外に出たことはなかった。

 いわゆる「公共の場」に出たのは、およそ2年前の2011年6月。鶴見(神奈川県横浜市)のとあるラーメン店が「30歳以上でセーラー服着用で来店すればラーメン1杯タダ」という斬新な企画を行っているから、せっかくだし行ってみたらどうかと、知人から提案されたことがきっかけだった。結果的に店で一番乗りとなり、当時の写真は現在も店内に飾ってある。

 そのときに街を移動していて「大人のスルー力」を感じたと小林さんは話す。基本的には見て見ぬふりをする人が多く、特に悪いことをしているわけでもないので、騒がれることもない。変態だと通報されることも一度もなかった。「堂々としていれば、大抵のところには行けるものです」と小林さん。カフェやレストラン、ホテル、裁判の傍聴、空港(外国の空港も含む)にいたるまで、何の問題もなく通されるというから驚きだ。


下北沢の商店街を歩く「セーラー服おじさん」

アイドルメンバーからライバル視されるほど人気

 最後に、小林さんが加入(!)している、中学生アイドルグループ「かおす de じゃぽん」(仮称)についてもお話しておこう。小林さんはメンバー兼プロデューサー、カメラマンとしても活躍。グループのメンバーに、小林さんの印象や普段から思っていることを聞いてみた。


アイドルグループ「かおす de じゃぽん」

 毎週長野県からレッスンに通う豊田冴香さんは「(人気が)負けている気がするので、自分もがんばりたい。何でも挑戦したいです!」と対抗心をあらわにする。将来的にはバラエティ番組出演を目指している小倉星さんは「最初は(小林さんの姿に)びっくりしましたが、だんだん慣れてきました」と今ではすっかり打ち解けていることを話してくれた。メンバー最年少のミッシェルめぐみさんは「うーん。何だかヒゲが長いですよね」と一言。年齢が二回り以上(?)離れているメンバーとも仲良くやっているようだ。

 「今後、私のことが話題には上らなくなっても、平然とセーラー服を着続けるつもりです。世の中に意外性やインパクトを与えて、日本を明るく盛り上げたいです。かおす de じゃぽんの活動ともども、頑張ります」と笑顔で締めてくれた小林さん。今後の活躍に期待大だ。

最後に「かおす de じゃぽん」お仕事の様子をどうぞ(撮影:岩切等さん)

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