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“大卒”のマグロが食べられる料理店に行ってみたどういうこと?

魚の世界も学歴社会か……。

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 再開発が進み、新しい商業施設のオープンが相次ぐ大阪で、今年最大の規模と注目されているのがグランフロント大阪。ショップとレストランだけでも266店舗というなかに、異質な店名を持つレストランがある。

 その名は、「近大の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」――!? 近畿大学さん、なにしてますの?

画像 レストランの名前なのに「研究所」

 こちらの店舗で提供されるタイ、シマアジ、ブリ、カンパチなどの魚は、すべて近畿大学水産研究所が和歌山県の白浜や串本、大島などの生簀(いけす)で育てたもの。なかでも「近大マグロ」は近畿大学が2002年、世界で始めて黒マグロの完全養殖に成功しており、人工での孵化から成魚まで育て、さらに卵を採取し、現在もさらなる研究を進めている。近大マグロは一部市場に出ているものの、実際に食べられる施設は関西でも和歌山県すさみ町の観光センターに限られていた。そこで、もっと多くの人に食べてもらおうと「研究所」をオープンしたのだ。

画像 研究所感はまったくない店内

「近畿大学の建学の精神が『実学教育』というもので、養殖した魚が研究ベースだけでなく、実際の消費者の方の口に入ることが実学であると考えまして、3年前に発案しました」(近畿大学広報部担当者)

 出店エリアが「ナレッジキャピタル」という、グランフロント大阪のなかでも関西の知を結集させた学んで遊べることをテーマにしたゾーンということもあり、少しお勉強の要素をいれたという。

 各料理には、その料理に使われた魚の「卒業証書」がつけられていて、その魚がいつ生まれて、何を食べ、いつ釣り上げられたかまでをテーブルに設置されたタブレットで確認できる。

画像 本マグロ三昧(ディナー 2800円)の大トロ、中トロ、赤味

画像 美しすぎる大トロは、2009年6月25日生まれ

画像 近畿大学では世界でもトップクラスの養殖場が複数あり、同じマグロでも出身地は違う

画像 ワムシとアルテミアを食べて大きくなったらしい

画像 卒業証書。卒業おめでとう、そしてありがとう。おいしくいただきますの気持ちが不思議と沸いてくる

画像 ほかの近大卒の魚のデータにもアクセスできる

画像画像 研究所の情報など、学術的な内容も豊富

画像 料理に使われるお皿の一部は、文芸学部芸術学科の学生の作品が使われている

画像 魚をおろす様子は店内通路に面したところで行われ、見学しやすいようになっている

 店舗は今後、近畿大学に農学部食品栄養学科もあるため、栄養士の資格の勉強をする学生を対象にランチメニューの考案であったり、経営学部の学生のために消費者行動学を学べる実学の場として、そして研究成果を発信する場として活用していくという。

「大学から30分の距離に、実学の場を持てることは、店を出した以上の価値があると思います」(広報担当者)

近大の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所

住所:大阪市北区大深町3−1 グランフロント大阪 ナレッジキャピタル6F

営業時間:午前11時〜午後3時、午後5時〜午後11時

定休日:施設に準ずる


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