「トクホウ」という文字や音声を打ちだす、日本コカ・コーラの炭酸飲料「カナダドライ ジンジャーエールFIBER8000」(4月22日発売)のテレビCM。商品が特定保健用食品(トクホ)である誤解を消費者に与えかねないとして、消費者庁はコカ・コーラに行政指導を行った。
ジンジャーエールFIBER8000は、トクホなどに使われる食物繊維・難消化性デキストリンを8000ミリグラム配合した、ジンジャーエール味のゼロカロリー炭酸飲料だ。宣伝では新発売のことをカタカナで「トクホウ(特報)」と大きく表記。CMでは音声も添えてこの言葉を繰り返す。パッケージの色も黒と金を基調としており、他社のトクホの炭酸飲料(特にキリンの「メッツ コーラ」)と似通ったところが。商品はトクホではないが、紛らわしい点がいくつかあった。
ちなみにトクホとは、消費者庁長官から許可をもらうことで、含んだ成分やその保健の効果を記した「許可表示内容」を表示できる食品のこと。成分は体に影響を与え、お腹の調子を整えるのに役立つなど、特定の保健の効果をもたらすことが科学的に証明されている。(東京都福祉保健局公式サイトより)
消費者庁食品表示課によると、課は4月下旬にコカ・コーラへ、短いCMの中で「トクホウ」という文字や音声を繰り返す表現は、「※特定保健用食品(トクホ)ではありません」との注意書きがあっても、消費者に商品が「トクホ」だと誤解を与える可能性があるのではないかと問題提起。CM内容について検討し、GW明けまでに回答するように注意をうながした。
コカ・コーラは返答にて、CMにはトクホと紛らわす意図はなかったことと、表現の理由について説明。さらに予定通り5月7日に放送を終了すると伝えた。
広告の「トクホウ」について、コカ・コーラは次のように話していた。
「表現は『特報!』とあくまで新発売のインパクトを与えるためのもので、カタカナで大きく表記したのはデザイン上の都合です。商品のパッケージの色も、ゼロカロリーの自社製品『コカ・コーラ ゼロ』の黒と、『カナダドライ ジンジャエール』の金を合わせたもの。『トクホ』との混同を狙ったものではありません。広告を受けて、商品がトクホだと誤解した人がいた事実は、真摯に受けとめるつもりです」
CMの放送は実際に5月7日に終了した。今回の行政指導で、商品の回収や取り下げは行わないそうだ。
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