これは、国立情報学研究所が開発した、カメラの顔認識を阻害する世界初のメガネ型デバイスです。
意図せず写りこんだ写真が、時間や位置を含む情報とともにSNSなどにのせられ、撮影された人のプライバシーが侵害されることが問題となっていますが、このデバイスをつけることで、そういったプライバシーの侵害を撮影される側から防ぐことができます。
サングラスをかけてみます。しかしサングラスをかけただけでは、まだ顔を検出してしまいます。顔検出は、目と鼻の特徴的な部分を見ますので、目だけ隠しても顔検出を阻害するのは難しいです。こちらが私が開発したプライバシーバイザーです。近赤外線のLEDが11個付けられています。今電源をオンにします。すると、このように顔検出を阻害することができます。
この近赤外線のLEDは、人間の目には見えませんが、カメラの撮像デバイスを通してみると、光って見えます。何故こういった場所にあるのかというと、顔検出は、目の部分や鼻のある部分を暗いと見る、または鼻のある部分を明るいと見るという特徴があります。顔の暗い部分を中心に光源を配置する事で、顔検出の特徴量を破壊し、顔検出を失敗させることに成功したわけです。
顔を物理的に隠す従来対策に比べ、この技術はメガネを付けるだけなので、人対人のコミュニケーションを阻害せずにプライバシー侵害を防止できます。
ただ、人間の視覚と撮像デバイスの分光感度特性の違いを利用しているので、赤外線に反応しないカメラでは他の手法を使う必要があります。
そこで、今考えているのが外光を反射する素材を用いて電気を使わないバイザーです。例えばこのようなバイザーです。これは、外光を白く光らせる、または外光を吸収するというパターンで、顔検出の特徴を崩します。これによって、電気を使わずとも、このバイザーをかけることで顔検出を防ぐ事ができます。また、非常に安価に作ることができます。
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