「ハリー・ポッター」の第1巻が発売されて約15年が経った。原作、映画ともに完結こそしたものの、日本ではおもにネットを中心にマルフォイが人気を博すなど、いまだ話題にのぼり続けている。そして明後日6月22日より3カ月間、「ハリー・ポッター展」が日本に上陸するとのことで、一足先に体験してきた。
組分け帽子をかぶる
「ホグワーツ魔法魔術学校に入学したかのような気分が味わえる」とのうたい文句の通り、まずは「組分け帽子」をかぶるところから。筆者の前にかぶった人は、グリフィンドールと判定されていた。誰がかぶってもグリフィンドールになるようになっているのか?
筆者の番が回ってきた。「フーム、面白い。さて、どこに入れたものか……」というようなことを言ってそうな英語のアナウンスが流れたのち、筆者が組分け帽子に言われたのは――
「ハッフルパァァァーーーフ!」
エーーーーッ! スリザリンではなかったが……嗚呼……。なんとなく腑に落ちない気持ちになりながら歩みを進める。
真っ暗な通路の先には、ホグワーツ特急が! 列車の横には、生徒たちのトランクやフクロウの籠が無造作に詰まれている。
ホグワーツ魔法魔術学校に着くと、「太った婦人」たちが絵画の中で動いていた。
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寮に入ると、まずお目見えしたのはハリーの部屋。ハリーのメガネに、忍びの地図、ホグワーツ入学許可通知などの持ち物に、実際に映画の撮影で着ていた私服や制服が並ぶ。
ちなみに、制服の手前に置かれているのは第4作「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」の「トライ・ウィザード・トーナメント」で使われた金の卵。どの場面で使われた小道具かすぐには思い出せないようなマニアックなものも、しっかり展示されているのだ。服や持ち物は、ハリー以外にも、ロンやハーマイオニー、ネビル、ルーナなどのものも充実している。
ホグワーツの授業やクィディッチを体感
寮の次は、各教科・教授の関連グッズだ。まずはトレローニー先生の「占い学」。
トレローニー先生はよく作中で「お茶の葉占い」をしていたが、愛用の占いカップも使用感があり、芸が細かい。ほかにも、ロックハート先生、ルーピン先生、アンブリッジ先生の「闇の魔術に対する防衛術」のコーナーがあった。
授業が終わると、クィディッチの時間だ。ここでは実際にクィディッチの体験ができる。
残念ながら触れるのはクアッフルのみだが、スニッチやブラッジャー、箒のニンバス2000などはすぐ横の展示で見ることができる。
禁じられた森の外れ〜ハグリッドの小屋。徐々にディープな空間に
クィディッチが終わると、禁じられた森の外れへやってきた。作中、ハリーが幾度となくお世話になったヒッポグリフのバックビークが迎える先には、ハグリッドの小屋。小屋の中では鍋が煮えたぎり、孵化しそうなドラゴンの卵が震え、「怪物的な怪物の本」が牙をむいていた。と同時に、すべてを包み込んでくれそうなハグリッドの特大衣装に、大きなソファも。この恐怖と安心の混在こそが、ハグリッドの小屋の醍醐味である。
ハグリッドの小屋を出ると、妙な植物園が。
闇の魔術が広がる
先に進むと、より一層暗く、霧が深くなってきた。邪悪な空間に足を踏み入れて最初に出会ったのは……、マルフォイ親子の服だった!
「死の天使の像」や、ベラトリックス・レストレンジの囚人服が怪しくたたずみ、上には、ディメンター(吸魂鬼)が!
そしてその先にはもちろん、死喰い人を従えた“例のあの人”の姿。分霊箱に賢者の石、トム・リドルの日記、死の秘宝。ものものしい小道具の数々に、物語のクライマックスを感じつつ、続いておなじみの透明マントや日刊預言者新聞を堪能。展示の最後を飾っていたのは、ダンブルドア校長やマクゴナガル先生のローブだった。
緊張感たっぷりのまま終わったが、威厳に満ちあふれたダンブルドアのローブの並びに、ちゃっかり屋敷しもべ妖精のドビーが混じっていたことも記しておきたい。張りつめた展示の中で、ささやかななごみを提供しているドビーなのであった。
ハリーポッター展は9月16日まで六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催。入場料は当日券が一般2500円、大学生2000円、中高生1500円、4歳〜小学生1000円。
朝井麻由美(@moyomoyomoyo)は、体当たり取材・イベント取材を得意とするフリーライター。一風変わったスポットに潜入&体験した記事は100本を超える。主に「週刊SPA!」や「DIME」などの男性誌で執筆するほか、「日刊サイゾー」ではB級スポットを巡る「散歩師・朝井がゆく!」を好評連載中。ゲームと雑貨とパズルが好き。コスプレするのもわりと好き。ウニとイチゴがあればだいたいご機嫌。
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