「PCがさくさく動く」って日本語、どれくらい伝わる?――文化庁の世論調査で判明
「きんきんに冷えた」「さくさく動く」といった新表現の定着率や、本来と違う慣用句の使い方など、国語に関する世論を文化庁が調査。
文化庁が、2012年度版「国語に関する世論調査」の結果を発表しました。国語の使われ方などを、幅広い年代に調査する毎年恒例のアンケートです。今回の調査は全国16才以上の男女を対象に2013年3月に行われました。「きんきん」「さくさく」といったオノマトペの新しい使われ方や、本来とは異なる慣用句の使い方の定着率など、面白い調査結果が出ています。
ネットではよく、PCやスマートフォンが軽快に動作する様子を「さくさく」と言ったりします。文化庁が「パソコンがさくさく動く」という言い方の認知率を調べたところ、全体の38.3%が「聞いたことがある」と答えました。年齢別にみると、30代が44.3%で認知率が最も高く、60才以上だとわずか3.1%しか知られていないことが分かりました。
ちなみに、「きんきんに冷えたビール」という言い方については、76%が「聞いたことがある」と解答。同表現が定着しつつあることがうかがえました。元々は「きんきん声」といった甲高い声などを表現する言葉です。
慣用句の使い方調査では、“とっておきの手段”といった意味合いの慣用句「伝家の宝刀」を、本来の言い方ではない「天下の宝刀」として覚えている人が31.7%いることが分かりました。2004年度の調査では、「天下の宝刀」だと考えている人は25.4%でした。
物事の要所を的確に捉えていることを表す「的を射る」という言葉については、「的を得る」という言い方を使う人が40.8%という結果になりました。2003年度の調査では「得る」派が54.3%と過半数を占めていました。ちなみに、「的を得る」がアリかナシかという点は、「正鵠を得る」といった同類の表現もあることからしばしばネットでも議論の種になっています。
このほかにも、さまざまな調査結果が公表されています。興味のある方は文化庁が公開しているPDFで詳しく見てみるといいでしょう。
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