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「アホ毛」も「鉄壁のスカート」も3DCGで表現 東大の「こだわり物理エンジン」

「こだわり物理エンジン」は、「アホ毛」「鉄壁のスカート」など、2Dセルアニメのようなデフォルメを3DCGで表現できる。

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東京大学の五十嵐研究室で開発した「こだわり物理エンジン」について展示しています。

物理エンジンというのは、3DCGアニメーションを作る際に、髪の毛や衣服などの動きを生成するものです。物理的に正しい計算はできるのですが、物理的に正しい計算しかできないというのが問題でした。今回作ったのは、そういった物理の計算に対してアーティストがこだわりを実現できる、つまりデフォルメができたりするものです。

例えば、うさぎの耳を物理計算で揺らすことを考えた場合、右から見た時にはこのような形で見えて欲しいという要求があったとしても、普通の物理エンジンだとできなかったわけです。ですが、我々の技術を使うと、その角度から見た時はこの形になって欲しいというこだわりが実現されながらも、物理計算を行うことができます。

こちらの例は、「アホ毛」という表現なんですが、アホ毛というのはここの部分で、日本のアニメでよく見られるものです。例えば、このアホ毛の部分がずっと同じ向きにはねててほしいということを考えた場合、中々普通の物理エンジンではできなかったんですが、我々の物理エンジンでは、ずっと同じ方向を向きながら揺れるという計算ができます。

こちらの例は、スカートの中を覗き込んでもスカートが中のコンテンツを隠してくれるというものです。カメラが下に覗き込んだ時は、スカートが硬くなって体に張り付くことで、「鉄壁のスカート」と呼ばれる表現が実現できています。

日本には2次元アニメ文化というすごく魅力的な文化があり、近年3次元CG技術が発達してきているわけですが、そこの両方のメリットをとったような映像表現ができたらいいなということで、その橋渡しとなるような技術として「こだわり物理エンジン」を開発しました。

Unityというゲームプラットフォームの上で実装されていまして、ソースコードは全てWeb上で公開しておりますので、どなたでも使う事ができる状態になています。

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