カッパのミイラにジャッカロープ! オカルト・UMA好きにはたまらない珍スポット「山口敏太郎の妖怪博物館」に行ってきた(1/2 ページ)
カッパのミイラにもふもふでかわいいUMA、怖〜い呪いのお面まで、妖怪博物館は怪しい展示満載でした。
「妖怪」というと多くの人が思い浮かべるのは漫画「ゲゲゲの鬼太郎」だろう。ほかにも小説「陰陽師」や漫画「地獄先生ぬ〜べ〜」など、妖怪を扱った作品は多く存在し、親しまれている。
そんな妖怪たちについて、楽しく真面目に学べる場所がある。しかも「カッパのミイラ」も見られる!?――そんな情報を仕入れたため、さっそく取材に行って来た。
場所はお台場のデックス東京ビーチの4F「台場一丁目商店街」の中にある「山口敏太郎の妖怪博物館」(入場料:600円)。11月20日にオープンしたばかりで、オカルト研究家の山口敏太郎氏が集めた妖怪関連のコレクションが展示されているという。オカルトやUMA好きにはたまらない珍スポットである。
筆者を案内してくれたのは、同博物館を運営する山口敏太郎タートルカンパニー所属のアイドルタレントで、イメージガールの野中ひゆさん。彼女のようなスタッフの説明付きで展示を見られるのも、この博物館の魅力の1つだ。
入り口をくぐると、ずらりと並ぶ民芸品の置物やお面。一見、妖怪とは関係なさそうに思えるが……。
「民芸品の多くは妖怪をモチーフにしたものが多いんですよ。もともと妖怪は悪の力が強いのですが、その力を良い方に利用して魔除け効果にするんです」。野中さんはそう説明しながら、バリのお土産やアジア料理レストランの飾りとしてよく見かけるお面を紹介してくれた。阿修羅像や沖縄のシーサーも同じ原理とのこと。妖怪は民俗学に深く関わっているそうだ。なるほど、誰もが目にしたことのある民芸品とつながっているとは、妖怪を身近に感じられそうだ。
妖怪の中でも一番メジャーと言っても過言ではない「カッパ」のミイラの展示もある(残念ながら撮影はNGだった)。ガラスケースの中に、真っ黒に変色した、漫画や絵本で見たことのあるカッパに似たものが横たわっていた。大きさは30センチほどで、筆者が想像していたよりもかなり小さかった。見に来たお客さんの中には「子どもの頃に川で泳いでいて(カッパに)足を引っ張られたことがある」という人もいたそう。ただ野中さんによると「このカッパ、私的には本物かどうか少し怪しいなと思っています」とのことだが……。
ほかにも人形師が作った妖怪や不気味な胎児の美術品、妖怪に関する古書や天然痘予防の古書(当時、天然痘は疱瘡婆(ほうそうばばあ)という妖怪が原因と考えられていたため)、説明パネルも展示されており、妖怪と歴史についてアカデミックな方向から学べる。1時間以上見入ってしまう人もいるという。
もふもふジャッカロープ
妖怪も魅力的だが、オカルト好きには外せないのがUMA(未確認生物)。UMAは「目撃情報や捕獲情報があっても、研究者によって生物学的研究が行われていない謎の生物」という。そんなUMAの中でも「かわいい!」と人気のジャッカロープの剥製なるものが展示されている。
ジャッカロープはうさぎの頭から鹿のような角が生えている。UMAというと怖いとか不気味というイメージがあるが、ジャッカロープはもふもふでかわいい印象。さらに、幸福になるという言い伝えがある。「うちのスタッフも、何か勝負事があるときはこのジャッカロープを携帯の待ち受け画面にしたりするんです」と野中さん。彼女自身、ジャッカロープのおかげでテレビ番組出演の仕事が決まったことがあると話す。
二股の頭を持ったかわいらしいうさぎのうち、1頭の頭からは立派な角が生えている。展示品に触れることは禁止だが、ふさふさとしている毛は触り心地が良さそうだ。「でも、このジャッカロープ、ちょうどまばたきができない位置に角が生えているんですよね……あとから人の手によって角がくっつけられたたような感じで……」と、複雑そうな表情の野中さん。確かに角が生えている位置が自然とは言えず、つけられたような感じがある。ともあれ、縁起物として楽しむとよいのではないだろうか。
幸福を呼ぶジャッカロープとは正反対で、凶暴なUMAがチュパカブラ。剥製ではなくミイラが展示されていた。大きく開いた口の中にはオオカミのような鋭い歯が生えており、今にも襲いかかってきそうな勢いである。こんな生き物にかまれたらひとたまりもない。
チュパカブラはアメリカや南米で発見されることが多く、家畜や人間が何者かに襲われた変死体が見つかった場合「チュパカブラにやられた」と恐れられるという。しかし、展示されていたミイラはイヌ科のコヨーテを加工したものではないか、というのが山口敏太郎氏の見解だそうだ。
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