漫画家の高野真之さんが、雑誌「イブニング」で打ち切りが決まった漫画「BLOOD ALONE」の続きを同人誌と電子書籍で独自展開することを自身の公式サイトで発表しました。
BLOOD ALONEはもともと同人誌で連作として発表され、2004年からメディアワークス(現KADOKAWA)の「月刊コミック電撃大王」で連載をスタート。その後2010年に講談社の「イブニング」に移籍しましたが、2014年に入って残念ながら連載終了の判断が編集部から下されたそうです。
しかし高野さんとしては「10年も続けた大切な作品であり、ストーリー自体も佳境に入ったばかり」という思いがあり、「私自身のけじめとしてクロエとミサキの行方を描ききって完結したい」と決意。同人誌としての書店委託販売とKindle等の電子書籍で続きを展開する計画を発表しました。
新刊の11巻は2月末から3月頭を目処に同人ショップなどで販売される見込み。5月開催のコミティアでも販売を行う予定です。書籍は既刊と並べても違和感がないよう、B6版カラーカバーという体裁で製本するとのこと。さらにその後の続刊も、書店委託等での販売を続ける計画です。
既刊についても電子書籍で「比較的安価で手に入りやすくしたいと思っています」とのことで、今後は高野さんバージョンの電子書籍がストアに並ぶと考えられます。また、ファンからの要望次第では紙の書籍の少部数での印刷も検討する考えです。
「個人的にはフルデジタル化などの恩恵もあり、作画や作劇も含め漫画家人生で今が一番充実していますので、そこを作品に落とし込めるよう頑張っていきたい所存です」と高野さんは今後の抱負を語っています。高野さんの試みは、ネットでの情報発信や電子書籍が身近になった今だからこそできるアプローチかもしれません。ファンならずとも注目ですね!
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