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大友克洋ポスター展開催:インタビュー。巨匠は今なお歩みを止めず[2/2]

お気に入りのポスターや東京五輪の予言(?)について大友監督に聞いた。

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 東京・代官山のギャラリー「AL」1階のmain spaceにて、書籍「POSTERS〜OTOMO KATSUHIRO×GRAPHIC DESIGN〜」(税抜4800円 発行:パイ インターナショナル)の発売を記念したポスター展「『POSTERS』〜 OTOMO KATSUHIRO×GRAPHIC DESIGN 〜」が開催された。今回は、開催前夜に会場へ訪れた大友克洋監督に、ポスター展を中心に話をうかがった。

──今回の作品集について、刊行までの経緯をお聞かせください。

 随分前から、この作品集の話は挙がっていました。ただポスターだけで作品集を作ってよいのかもわからなかったのでなかなか話が進まず。その後もポスターを多く描いて溜まってきたので、今回良い頃合だと考え、制作・刊行に至りました。上杉さん(グラフィックデザイナー上杉季明)もやりたくてしょうがない感じだったので。

──大友監督といえば、緻密な描き込み・構図・作風が特徴的です。描き手として心がけていることは?

 色んなものを見ることでしょうか。デザインセンスを養っていくのは大事だと思います。

──今回展示されているポスターのなかでお気に入り・印象に残っているものは?

 「与太浜パラダイス」のポスターでしょうか。初めて受けたポスターの依頼だったので印象深いです。あとは「AKIRA」読者プレゼントで制作したポスター。映画ではなく、マンガ版「AKIRA」単行本のプレゼントです。当時作っていて楽しかった覚えがあります。1巻目より2巻目の青いポスターが好きですね。


左、「与太浜パラダイス」のポスター。右はオムニバス映画にもなった「Short Peace」のポスター

左、大友監督が「好きだ」と語るマンガ版「AKIRA」の第2巻ポスター。右は第5巻

──大友監督の代表作「AKIRA」は、海外でも認知度が高いです。世界中で人気を集めた理由、ご自身はどう考えますか?

 海外向けて作ろういう意識はとくにありません。海外向けに作った作品はないので。でもこの間、アニー賞に行ったときスタンディングオベーションの拍手を頂いてビックリしました。


デザインセンスを養っていくのは大事、と語る大友監督

──東京オリンピックが2020年に開催されます。「AKIRA」の世界と瓜二つのタイミングになり、WEB上で「予告した」「預言者では!?」と話題になっています。どのようなご心境ですか?

 それは偶然です。予想して当てていけば、「これくらいの年なんじゃないの? 」と思って当時設定しただけです。それ、飲み屋で知人に教えてもらって。「すごいね」と言われて「何のこと? 」と答えた記憶があります。本当に知らなかったのでビックリしました。

──ちなみに、プライベートでは観るならマンガ、それともアニメーション?

 どちらも裾野が広いですよね。最近のTVアニメ・マンガはいずれもあまりチェックしていません。

──制作するならどちらが好きですか?

 実写も含めて、映画でしょうか。自分のなかで計画があるので。「今度はあれ」と決めているものがありますし。

──監督の頭のなかでは、新作のネタが温められている。

 そうですね。以前企画して、形になっていないものがあります。まだ何本か作らないといけません。

──何本か。1本ではない。

 ええ。でも作っていくうちにまた新しいネタも思いつくので、結局のところ、際限がないですね。

──海外の大友克洋ファンに向けて一言お願いします。

 原画展になると、なかなか海外に展示物を持っていくのが難しいです。それは申し訳ない気持ちがします。いつか、海外での展示会が実現したらいいなと思います。

 そんなことを言っている今この瞬間、誰かが展示会実施に向けて動こうとしているかもしれません。ファンの皆様、いつ来るとも知れないその日を、どうか気長に待っていてください。

ギャラリーAL

英文:The Master Will Not Stop - An Interview with Katsuhiro Otomo at the Opening of His Poster Exhibit [2/2]

© Tokyo Otaku Mode Inc.

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