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“無音”で2万ドル稼いだインディーズバンドのアルバム、音楽サービスSpotifyから削除

“無音のアルバム”を眠っている間にかけつづけると……という斬新な発想。

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 定額制音楽サービス「Spotify」で“無音のアルバム”をリリース――そんな変わった試みが海外で行われていましたが、このほど削除されました。

 このアルバム「Sleepify」はVulfpeckというインディーズバンドが制作し、30秒の無音の曲10曲で構成されています。Vulfpeckは3月半ばにこのアルバムをSpotifyでリリース。その際に「このアルバムを寝てる間にかけっぱなしにしてほしい」と呼びかけました。曲が1回再生されるごとにVulfpeckに支払われるロイヤルティー(使用料)は0.5セント。ファンが眠っている間にリピート再生すれば、ちりも積もってそれなりの金額になるというわけです。売り上げはツアー費用にして、Sleepifyが一番再生された地域で無料コンサートを開くというプランも掲げました。

Sleepifyをかけっぱなしにして、というVulfpeckからの呼びかけ

 Spotifyの楽曲ロイヤルティーについてはアーティストから「低い」という不満が上がっており、例えばレディオヘッドのトム・ヨークは同サービスから楽曲を引き上げています。Sleepifyはトリッキーな手法でそうした問題を解決しようとするもので、約2万ドルを稼いだそうです。

 しかしSpotifyは4月後半に、規約違反であるとしてSleepifyを削除するようVulfpeckに通達。その後アルバムは削除されたようです。Vulfpeckは、Sleepifyの売り上げは入ってくると思うとしており、その売り上げを使ってツアーに出るとViceにコメントしています。


Vulpeckの公式サイトではSleepifyは「Currently Unavailable」(現在利用不可)となっている

 Spotifyはこの件についてノーコメントを通しているようですが、Sleepifyがリリースされたばかりのときに、同社の広報担当者は「賢いやり方だけどVulpeckの前のアルバムのほうが好き」「ジョン・ケージの派生作品みたい」とBillboardにコメントしていました。

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